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記憶を紡ぐ糸

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大学3年生の時に書いた小説。記憶喪失の女性、高宮若葉が自分の失った記憶に迫るミステリー。
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#第七話

記憶を紡ぐ糸 第7話「平嶋という男」

記憶を紡ぐ糸 第7話「平嶋という男」

 病院への外来を終え、私は病院前のバス停からバスに乗り込む。この時間は人が少なく、お年寄り四人と中年男性二人しか乗っていなかった。車内は二人のおばあさんが大きな声で喋っているだけで、後の人たちは夢の中だ。

 私はバスに揺られながら、流れる景色をただ見ている。時が流れていくような速さで、景色が移り変わっていく。全ての記憶を失ってからの三か月は、流れていく景色のようにあっという間だった。でも、断片的

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