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記憶を紡ぐ糸

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大学3年生の時に書いた小説。記憶喪失の女性、高宮若葉が自分の失った記憶に迫るミステリー。
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2017年10月の記事一覧

記憶を紡ぐ糸 最終話「記憶を紡ぐ糸」

記憶を紡ぐ糸 最終話「記憶を紡ぐ糸」

 私は大学に行く準備をしていた。私は半年ぶりに大学に講義を受けに行くことになる。もっとも、最後に講義を受けた記憶は思い出せないでいるので、初めて講義を受けるという感覚だ。
結局、あれから完全に記憶を思い出すことが出来ていない。いつかは思い出すかもしれないし、もう二度と思い出さないかもしれない。だからと言って、もう苦悩はしないと決めた。
軽めに化粧をし、私は家を出る。私は、外を掃除していた金子さんに

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記憶を紡ぐ糸 第12話「真実」

記憶を紡ぐ糸 第12話「真実」

 今日は、じめじめとした蒸し暑い朝だ。私はいつもよりも早く目が覚めた。今日は土曜日。友一さんの仕事は今日が休みだ。私は木曜日に聞いたあの出来事を、土曜日に問いただそうと決めた。平日に聞くよりも、ゆっくりと話が出来ると思ったから。
「友一さん。私を階段で見つけた時、あなたは何をしていたの?」
 新聞を読んでいる友一さんは、「車を運転していて、偶然君を見つけたんだよ」と従来の主張を繰り返した。「本当に

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