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高杉隼人
2017年11月7日 23:35
パンケーキを食べ終わった後、樹梨はトイレに行くと言って席を外した。「樹梨ちゃんって、私の事件を知ってるの?」 姉は樹梨が席を外したのを見計らったかのように、私に聞いた。「知ってるよ」 私は答えた。姉が殺された翌日、私は樹梨にメールで伝えている。忌引きで三日休むから、と。その時は樹梨から電話がかかってきて、心配してくれた。一緒に受けている講義はノートを取っておくから任せてと言ってくれた。
2017年11月2日 23:18
水曜日の五限の講義は地方自治法の講義だった。私は樹梨と一緒にこの講義を受けている。隣に座っている樹梨は終始眠そうだった。私は樹梨に構わず講義を受けていた。 講義が終わると、講義室は緊張感から解放された。講義中、終始眠そうにしていた樹梨は大きく背伸びをする。「終わったあ。もう眠かったよう、美月」 樹梨は安堵したような声で言い、抱き着いてくる。「知ってた。ずっと眠そうにしてたもん」「ねえ、