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高杉隼人
2017年11月7日 23:32
春休みに入って数日が経ったある日、僕は春樹を連れて美空さんに会いに行った。テスト期間中はずっと試験勉強に明け暮れていたので、久しぶりに彼女と会う機会が楽しみで仕方なかった。春樹を連れて行く理由は、メールで美空さんが僕の友達を見てみたいと送ってきたからだ。「初めまして。栗原春樹です」 春樹が堅苦しく挨拶をすると、美空さんは「進藤美空です。よろしくね」といつもの笑顔を作った。「少し堅苦しい感じ
2017年11月1日 22:51
僕はずっと美空さんのことが気になっている。引っ叩かれた理由も、悲しい目をしている理由も、彼女は何も教えてくれない。聞いても、いつもはぐらかされる。一体、美空さんは僕に何を隠しているのだろうか。 金曜日の夜は、また文也さんに飲みに誘われたので、春樹と一緒にいつもの小ぢんまりとした居酒屋に入った。文也さん曰く、「飲まなきゃ、やってられない」らしい。 僕は図書館でアルバイトをしている文也さんなら、