仕事のこと。革作り。
外からこの記事を読みに来てる人は少ないと思いますが一応細かめに。
僕は埼玉県越谷市にある(株)ジュテル・レザーという所で働いている。前身の会社から合わせて10年目突入。
ちょうど、東日本大震災の起きた2011年3月から働いている。
それまでの自分はドッグトレーナーとしてペットショップやペットホテルで働いたりもしてたり、その後「バンドやってる」と称してダラダラと5年くらい居酒屋や漫画喫茶でバイトしながらのフリーターを続けていた。
親や世間からの圧力もあり(当たり前)、求人広告を眺め、「プロ野球選手のグローブの革を作ってます!野球好き集まれ!」みたいな文言だったと思う。そう、元々グローブオタクとまではいかないが、かなり道具に拘るタイプの自分はその会社に飛びついた。
震災直後(確か3月15日だったと思う)初出勤。計画停電とか電車の間引き運転とか行われてた最中だったと思う。最初のひと月は当時のバイト、漫画喫茶と掛け持ちをしてたので引き継ぎがてら交互に行ってた。
最初の頃は仕事も今より体力的にキツかった。おおよそ10〜15キロある鞣した牛革の水絞り(機械で絞る)を担当した。
当時65歳くらいの昔の時代に工場長をやっていた方が作業を教えてくれた。その人の体格は自分と大差ない。けれどその革を軽々シワひとつ無く投げて広げる。手際もフットワークも素早いので最初はその人の動きを兎に角真似をしようと思った。
ひと月くらいした所で肩を亜脱臼したりもしたが、プロテインをこっそり会社に持ち込み飲みながら筋力も付けた。
そこから2カ月くらいして、1人で任せて貰えるようになった。
最初の3ヶ月がとにかく長かった覚えがある。付いてくだけで大変だった。
師匠でもあるその方は70歳を越えても工場で作業をされていたが、数年前に引退された。
それ以降は今でもこの水絞りの作業をする時のスピードと効率は会社の誰にも負ける気はしない。