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シン・エヴァンゲリオン劇場版ネタバレあり考察。「大人の男とはなにか?」
2021年3月8日、エヴァの映画を封切りで見てきた。何から何まで大傑作だと認めざるを得ない。ネット上も賛辞で溢れている。
ラストシーン、シンジがちょっと悪い男で終わった部分について、少し話をしてしまうけれど許していただきたい。
マリ「だ〜れだ」
シンジ「胸のでかい、イイ女」
未見の方には信じがたいことだと思うけれども、本当にこんなセリフをシンジが語る。高校生になり背も高くなった彼は、明らかに大人の男になっていた。14歳だった頃には、絶対になかったセリフだ。
アスカ「なんで私が怒ったのか、わかる?」
この言葉も複数回登場する。シンジも答えらしきことを、何度も彼女に返す。僕はその時々のセリフに納得できていた。ただ一つ、最後の答えを抜かして。
シンジ「ありがとうアスカ。好きだったよ」
これが彼女に対する最後のセリフになった。
過去形である。
アスカがはじめて出会った、シンジからもらった腑に落ちる言葉。言っておくが、彼女は生きているのだ。
彼の父、碇ゲンドウは唯一の理解者、妻ユイを忘れられなかったがために人類補完計画を遂行する。人類補完計画とは、ユイを生き返らせるための計画であった。全世界を引き換えにしても失いたくない女。女性というものは誰でも、このくらい愛されてしかるべきである。
そしてシンジは父を殺し、間接的に母の復活をも止めてしまう。すべてを殺された父ゲンドウは、ついに死んでしまっている愛する妻ユイを悼めるだけの正気を取り戻す。そして初めて、喪失から解放されるのだった。
マリ「だ〜れだ」
シンジ「胸のでかい、イイ女」
シンジはアスカを優しく思いながらも捨て、新しい女マリと歩み出す。少し悪い男になって。
女性を捨てられない男というのは、まだ子供なのであろう。母親を捨てられないように、異性に母を重ねてしまう甘えん坊。
大人になるとは女を捨てられるようになることだ。
と、この作品は語りかける。
父母を殺し、新しい女に気持ちを傾ける。そしてその女もいつか捨て、別の人に自身を捧げる。
イザナ「ギ」とイザナ「ミ」。男と女がひかれあう世界が永遠に続きますように。「キ」「ミ」が代にはそうした意味が込められているのだという。
別れ、死に、もう一度新しい命が生まれる。死を悼み、新しい世を作る。それが新世紀だというのが、この壮大な物語の結論だった。
新世紀は、悼みながらも愛した女性を捨てられる男がつくる。優しく想いを込めて、きっぱりとこう言える男が。
「愛していた」と。
アスカがどうしても聞きたかったこの言葉を。
お読みくださいまして、誠にありがとうございます!
めっちゃ嬉しいです😃
起業家研究所・学習塾omiiko 代表 松井勇人(まつい はやと)
下のリンクの書籍出させていただきました。
ご感想いただけましたら、この上ない幸いです😃
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