あの靴磨きの大学生は確かに宇宙飛行士だった
井坂康志先生の新刊『ピーター・ドラッカー』にこうある。
「あなたの事業は何か?」
「あらゆる企業の目的は顧客を創造することである。」
「うちは学習塾です。」
「生徒さんに来ていただいています」
これではドラッカーの問いに答えていない。
顧客は人間関係から作られる、とエフェクチュエーションは教えるけれど、事業もまた人間関係から作られる。
企業が一方的に顧客を創造するわけでも、顧客が事業を定義できるわけでもない。
「講義とはドラッカーにとって、学生と共同で行う創造行為だった。」
ドラッカーは生徒と共に何かを見つけていた。
友人岡村の弟子は「私の夢を聞いてください」と靴磨きをして、静大に通う学費と生活費を稼いでいた。
同じ夢を見てくれなければ大学へ通えない。
「私は宇宙に行きます」
「だから靴磨きをさせてください」
「夢は変わってくるものなんです」
「最初は『フェラーリを買いたいのでお金をください』と言っていたのですが、誰も相手にしてくれなくて」
「本当になりたいものを考えたんです」
「恥ずかしくてしばらく言えなかったのですが、思い切って言ってみました」
「心から思っていたことだったからか、」
「予想外にウケて大学へ行けています」
顧客の創造、事業の定義の本質が彼にあったと思う。
彼の事業は宇宙飛行士で、顧客は常に投資家なのだ。
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