書籍「YOUR TIME」を読んでいろいろ改善しようと思った話
どうも上かるびです。
先日「YOUR TIME」(著:鈴木祐)という本を読みました。
表紙は「THE・自己啓発本」みたいな感じでちょっと胡散臭さはあるのですが、診断シートに基づいて、それぞれの特性にあったおすすめの時間術が載っていて個人的に楽しく読めたので簡単にまとめてみました。
時間=過去と未来の変化率
本書で個人的に心に残ったのが以下の一文です。
『人間の脳は、過去と未来の変化率を高速で計算し続けており、そのプロセスを、私たちは時間が流れる感覚として体験します。』
この結論の例として挙げられている話を紹介します。
↑の瓦礫の山を見たときに、人間の脳は次のような情報処理を行います。
①瓦礫に関する情報を記憶のデータベースから取り出す
②記憶のデータを使って確率計算を行い、「瓦礫はもともと建築物だった可能性が高い」と推定
③「瓦礫の山が自然に組みあがることはないから、誰かが片付けない限りは、今後は同じ状態が続く確率が高い」と推定
この②で生まれたのが「過去」、③で生まれたのが「未来」です。
どちらの場合も「瓦礫がある」という現在の情報をもとに脳が計算し、「過去または未来の出来事としての確率が高い世界」が生み出されます。
これが日常的に体験する「時間」の正体です。
いかがでしょうか。
個人的にこの説明を聞いて時間の概念について腑に落ちました。
結局、自分たちが取り込める情報は、今・目の前にある情報だけなのですが、これまで生きてきた記憶を頼りにその情報から計算して過去や未来を導きだしているだけってことなんですよね。
認知の耐性がない人ほど深い思考ができない
個人的に響いた箇所をもう一つ紹介して終わりにします。
現在人は忍耐力がないと言われていますが、マサチューセッツ大学やMITによる調査では実際に忍耐力(認知の耐性)が低下していることが科学的なデータとして出たそうです。
認知の耐性:明確な答えをすぐ求めずに、あいまいさを放置できる能力
またシンシナティ大学などのレビューでは、認知の耐性がない人ほど深い思考ができず、創造的なアイデアを出すのが苦手で、メンタルを病みやすいと報告されているそうです。
それもそのはず人間の人生は不確実性に満ちているので、それにも関わらず効率や生産性を求め続けていたらそりゃ病むよね、という裏付けです。
Web業界はデザイナーはもちろん、エンジニアやディレクター、その他上流工程に携わる人も創造性は必要になってくると思っているので、ここは改善したいなと思いました。
ちなみに手っ取り早い改善策としては「文学に触れること」だそうです。
もし本書に興味があれば買って読んでみてください。
アディオス。