ITスタートアップ向け『リーダーの仮面』実践法!ルールの力で強いチームを作る
はじめに
こんにちは!本間です。
今回は、ITスタートアップでのルールづくりについてお話します。
『リーダーの仮面』という書籍をご存知でしょうか。
『リーダーの仮面 ── 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法』は、安藤広大氏が著したリーダーシップに関する書籍です。安藤氏は株式会社識学の代表取締役であり、同書ではリーダーシップの本質を掘り下げ、マネジャーとしての役割を果たすための具体的な方法を解説しています。
この記事では、『リーダーの仮面』の考え方を基にした、ルールを活用した組織開発の実践方法を解説していきます。
リーダーが注力するべき5つのポイント
リーダーの仮面では、リーダーは以下の「5つのポイントに注力するだけ」と解説されています。
今回は、この5つのポイントのうち、1つ目の「ルールの思考法」に焦点を当てて解説します。
みなさんは、ルールと聞くとどのように感じるでしょうか?
もし、直感的にネガティブな印象をもってしまった方は、是非この記事を最後まで読んでいただきたいです!
ルールの思考法: ルールがあるからこそ、人は自由になれる
この書籍では、ルールに関してだけで1つの章をまるっと使って解説してくれます。
その中でも、特に私が重要だと感じた4つのポイントをご紹介します。
1. 行動のルールと姿勢のルール
行動のルールと姿勢のルールは、組織の中で一貫した行動を促すために必要です。
行動のルールは、会社が設定した目標と連動したルールであり、守れる場合と守れない場合があります。
一方、姿勢のルールには、「できる・できない」が存在しません。「挨拶をする」「時間を守る」といった誰でも守れるルールのことを指します。
守らない人間は「意図的に守っていない」とみなす、というスタンスを取ります。そして、この姿勢のルールを徹底して守らせることが、組織のリーダーとして初歩の初歩になる。「姿勢のルールすら守らせられない人に、この先、大きな仕事は成し得ない」とはっきり言い切ることが重用です。
2. 曖昧なルールを作らない
ルールを設定する際には、誰が何をいつまでにやるかを明確にすることが重要です。曖昧なルールは混乱を招き、組織の効率を低下させます。例えば、「xx日の◯◯時までにAさんがBさんに報告」といった具体的にすることで、全員が同じ基準で動けるようになります。
3. ルールを形骸化させない
ルールは形骸化させず、徹底して守らせることが大切です。全員にルールを周知し、違反があった場合には適切に対処します。例えば、「遅刻者には一定のペナルティを課す」といった具体的な措置を取ります。
また、例外を作らないことも重用です。「あの人は許されているのに、なぜ自分はダメなのか」と言い出す人を作ることになり、ルールが必要な効力を失います。
4. 責任の所在を明確に
ルールを提示する際には、責任が自分にあることを明確にし、部下に伝えます。「私がこのルールを決めました。全員で従ってください。」といった明確なコミュニケーションが必要です。場の雰囲気ではなく、リーダーが決めたことに従うようにすること、そして、ルールに不備があった場合は潔く認め、新しいルールを設定することが重用です。
言うは易く行うは難し…
ここまでいかがでしょうか。言うは易く行うは難しと感じてしまっていませんか?
わかります。私は最初読んだとき感じました。
なかなかここまではっきりと言い切り、実行していくことは簡単ではありませんよね。
私はこれまで、ITスタートアップで、マネージャーを務め、組織や開発の改善や効率化を行ってきました。リーダーとして振る舞い、組織の成果を最大化することの難しさは知っているつもりです。
今回は、私が取り組んできた様々な施策のうち、この書籍に書いてあることをベースに、実際に行ってきたルール策定の施策についてご紹介します。
実践例: 明確なルールを定め、やるべきことに集中する
私のいたITスタートアップでは、ソフトウェア開発の請負事業を行っていました。事業を行う上で、エンジニアのリソース管理は重要な業務の1つです。(リソース配分や配置を間違えれば、簡単にプロジェクトが炎上します…)
私は、このエンジニアリソースに関して、「調整の管理と報告のルール」を定めました。
まずは、課題の概要から説明しますね。
ルール策定前は、各PMの相談してきたタイミングと内容に従って調整を行っていました。しかし、相談のタイミングが遅かったり、相談内容が不明瞭でやりとりに多くの時間が要するなど、課題が多くありました。
実際の現場では、各プロジェクトの状況は常に変化します。そのためか、各プロジェクトマネージャーは、自分のプロジェクトに集中するあまり、上司への必要な相談が漏れてしまいがちです。相談をすることは自分自身では対処ができないことを認めることにもなるので、人によっては精神的な壁もあったかもしれません。(若いPMも多かったので…)
この課題を解決するために、明確なルールを設定しチーム全体に適用しました。
あくまでサンプルになりますが、以下のようなルールを定めました。
報告までのフローのルール
各コーダー: 毎週月曜日 18時までに現状のタスクを整理して今後の稼働予定を更新し報告。タスクが想定より早く完了する場合は、PMに報告
各PM: 毎週火曜日の朝にコーダーからの報告をチェックし、適宜各コーダーとすりあわせる。その後、18時までに必要なコーダーリソースの変更等をまとめて、マネージャーに報告
マネージャー: 報告を確認し、必要な調整を検討。毎週水曜日18時までに必要な調整をTodoとして整理し、木曜より各PMと連携して実行。
要報告箇所の明文化
プロジェクトの進捗に遅れはないか
ある場合は、問題はなにか
遅延の場合、コーダーを追加することで問題は解決するか
解決しない場合の施策はなにか
※実際にはさらに厳密な報告フォーマットを用意しました。
ルールは、シンプルかつ明確で誰でも守れることが重用だと考えています。そもそも守ることが難しい内容だったら、ルールとして不適切です。もし、守れない人が頻発し続けるのであれば、もっとシンプルにできないか検討することが必要があるかもしれません。
また、実際に適用したあとは、報告内容の精度を見つつ、さらに明文化するべきポイントがないか、ルールの粗探しを行います。
ルールが増えすぎることもまた問題なので、チームの特性に合わせて微調整をしていきます。バランスをみて策定していくことも重用です。
このように必要なルールを定め、各メンバーが本来やるべきことに集中し効率よく成果を出していくための土台を作っていくことが、リーダーやマネージャーの役割の1つだと考えています。
さいごに
いかがでしたでしょうか。
ご紹介した書籍の内容や私の実践例でお役に立てることがあれば幸いです。
リーダーの仮面は、リーダーやマネージャーの方はもちろん、これからリーダーとして成長していきたい人にもおすすめの書籍です。
是非お手に取って読んでみてください。
また、もし組織開発においてお悩みがございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。
今後もまた本の内容を踏まえて、様々な実践例をご紹介できればと思いますので、ぜひフォローよろしくお願いいたします。
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