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骨盤矯正に対する私見

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骨盤矯正に批判的な態度を取りつつ、誰よりもフラットにその存在意義と価値について考えています。
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#鍼灸師

【雑記】不定愁訴と向き合うための神様メンタリティ

目の前に小学生の子どもが2人います。 その小学生は 好きなオモチャを取った、取られたで たったいま喧嘩しています。 大人のあなたから見て 「しょーもない喧嘩」だと思うでしょう。 それは「大人」という立場のあなたから見て 「しょーもない」と思うだけで、 本人たちにとっては大真面目な聖戦です。 「おもちゃがそこにある」ということよりも 広い世界を知っている大人だからこそ、 これが小さな問題に感じられてしまうわけです。 では数学的な話をしましょう。 平面の2次元世界にいる

【症例体験談】人類学から見た「骨盤が歪んだ」という悩み

心の準備ができました方は この先へどうぞ ↓ ↓ ↓ case: 「『骨盤が歪んだ!』と訴える患者」

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治療家のための文化人類学〜プラグマティズム〜

治療家のための文化人類学を執筆しています、 花田隼人(@hokkaido_wakate)です。 今回は、 実利主義とも呼ばれる哲学 「プラグマティズム」を解説します。 施術や治療における理論と どう向き合っていくかを考える ヒントになり得る哲学です。 お時間を取っていただき ぜひ最後までお読みください。 理に適っていないものごと患者の苦痛を 和らげようとするなかで、 その手段は必ずしも 正しい科学に基づいた バイオメディスンである必要はありません。 苦痛に対する治

¥680

文化依存症候群と骨盤矯正

どうもこんにちは。 「北海道の若手治療家と学生をつなぐ人」ハナダハヤトです。 みなさんは、クライエントの症状を紐解いていく過程で「文化」という視点はお持ちですか? 今回は「文化」と「治療法」の関係性についてお伝えします。この視点から臨床を見ていくと、より深く患者の抱えている問題を探ることができるかもしれません。 「文化依存症候群と骨盤矯正」。 ぜひ最後までご覧ください。 文化依存症候群精神科領域では「文化依存症候群」という疾患の大枠があります。 これは、特定の地域、

「あらゆる痛みの本当の原因は骨盤の歪みだ」なんて100億%否定できる

みなさんこんにちは。 北海道若手治療家コミュニティの 花田隼人(@hokkaido_wakate)です。     断言します。 「あらゆる痛みの本当の原因は  骨盤の歪みです!」 なんてことは 100億%、ありえません。 では一体なぜか? という話を今回は書きたい思います。 無料にしておきますので、 ぜひ最後までお読みください。          1.骨盤矯正の歴史を知る そもそも骨盤矯正は 人類史のいつから登場したのでしょうか? 日本に限れば、 史実

【整体師必読】骨盤を締めても内臓下垂は変わらない理由

どうもこんにちは 北海道・若手治療家コミュニティの 花田隼人(@hokkaido_wakate)です。 「骨盤がひらいて内臓が下がる」 「骨盤を締めて、内臓の位置を戻す」 本当にそんなこと 頻繁にあるのでしょうか? 骨盤が開いたら内臓は下がるのか? 骨盤を閉じたら内臓は上がるのか? 胃下垂で生じていることは何か? 内臓下垂で考慮されない盲点は何か? 物理で考える骨盤と内臓の関係性は? 今こそハッキリさせましょう。 それでは始めていきます! 「内臓下がり」と「

¥480

歪みが無いなんてむしろ激レアだろという話

みなさんこんにちは。 花田隼人(@hokkaido_wakate)です 「体の歪みが痛みの原因です」 「歪みを整えてラクになりましょう」 ...とは言うものの、 そもそも体はどうしたって、 「整っている」よりも 「整っていない」の方が多くなります。 当たり前です。 ただしその根拠として、 「人にはクセがあって…」とか 「長年の負担が…」とか そんなことは 聞き飽きましたよね。 今日は全く違った視点から、 「歪んでいる人が多くて当たり前」 …という話をしたい

「当院が考える痛みの原因」に感じるべき“違和感”

ここに、足部の機能不全が原因で、 腰痛を起こしている「Aさん」がいたとします。Aさんはインターネットで施術所を探し、 「当院では骨盤の歪みが痛みの原因と考えています」と掲げている治療院を見つけます。 Aさんは頑張って通いましたが、原因は足部にあるので改善しませんでした。 続いて、「脳脊髄液の滞りが原因です」と広告を出している治療院に行きますが、やはり的外れです。 3院目には「インナーマッスルの弱さが原因」と訴える治療院でEMSを受け、4院目では「ある栄養素が不足してい

診察する前から着地点を決めていないか

皆さんこんにちは。 北海道若手治療家コミュニティの 花田隼人(@hokkaido_wakate)です。   事前の準備って、 大事ですよね?     今回はあえて 「事前準備をしない」というお話です。     鑑別における事前思考排除のススメ 例えば問診票を見た時点で 肩甲部の症状と上肢の痺れを訴える場合、       いわゆる頸椎の神経由来の疾患や 胸郭出口関係の要因を イメージすると思います。       これによって例えば、 ・ジャクソンテストをしよう ・モーリー

治療家のための文化人類学~健康観の文化的差異~

文化によって 「何を健康とするか?」は異なります。 世界を例にみて、 その健康に対する観念は 一体どのような多様性があるのでしょうか。 WHOの健康の定義は適切なのか?WHOが定義する「健康」は、 皆さんがご存じの通り、 以下のように定められています。 これはすなわち、 肉体的な健康 精神的な健康 社会的な健康 に区別して考え、 すべて独立した存在であると考えることです。 しかし、 この定義ではカバーされない分野があります。 それが、 健康について 独自の考

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治療家のための文化人類学~身体経験~

今回は文化人類学において「身体経験」と呼ばれる、「身体、行動、文化の関係性」についてお伝えします。 後半では「骨盤矯正」を持つ文化圏との身体経験についてもお話しいたします。 人体の多様性身体の生物学的多様性 人種の違い、民族による違い、 身長体重、免疫力など 生物はその環境や個体差に適応し 生存していけるように 姿形・機能を変えていきます。 例えば、 日本人の食生活では 1日の塩分摂取量が10gを超えます。 これは世界でも 群を抜いて多い塩分摂取量で、 WHOの基

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治療家のための文化人類学~医療の文化的体系と仕組み〜

「文化とは一体何でしょうか?」と質問されたとして、 どのように答えますでしょうか? 「音楽」「アニメ」「芸能」「書籍」など 創作物をイメージされると思いますが、 人類という 大きな枠組みでとらえた時の「文化」は 一般にイメージされるものとは異なります。 この記事では、 「文化」という大きな枠組みのなかで 医療がどんな社会的な背景の中で 体系立てられているかをみていきます。 最後に、 「骨盤矯正」が 医療の文化的体系の中で どのようにして信頼と 正当性を与えられてい

¥500