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引退ミーティング

うちの陸上部では、総体最終日に引退する3年生が全員に向かって話をする機会が与えられる。

これを引退ミーティングと呼んでいる。

これまでの先輩達を見ていると、この引退ミーティングで話をしながら泣いてしまう方も多く、感動的な恒例行事である。

今回は、この引退ミーティングを振り返りながら書いていく。

3年生が1人ずつ順番に前に出て話すのだが、歴代の先輩達は部長が最後に話していた。そのため俺が最後に話すのは暗黙の了解で決まっていた。

それ以外は特に順番が決まっているわけではなかったので、俺は事前に決めておこうと思った。
(当日に「誰からやる?」みたいになるのが嫌だったため)

とりあえずスタートは男子からがいいだろうと思い、トップバッターには中長チーフでもある久貝を指名した。

あとはそこに女子が続いてくれればと思い、それ以外の順番は決めなかったが、俺のひとつ前には短距離チーフである寺田を指名した。

俺は引退ミーティングを締め括る役割だったので、寺田には「仮に他のみんなが泣いてても、とりあえず泣かないでくれ」とだけ伝えといた。

そして、引退ミーティングがスタート!

トップバッターは事前に決めていた通り、久貝。
久貝は残念ながら地区予選で敗退してしまったため、県大会は応援を本当によくやってくれていた。

率先して俺たちの応援をしてくれていたせいなのか、声がめちゃくちゃ枯れていてスピーチの内容はほとんど聞き取れなかった(笑)

だが頬にはずっと涙が流れていて、だいたい何を伝えたいかは分かったような気がする。

久貝のあとは何人か女子が続いた。

女子はほとんどの人が泣いちゃうんじゃないかと予想していたが予想通りの展開となり、なんとも言えないしんみりとした空気が流れていた。

次に続いたのは聡汰。
聡汰は元気よく「お疲れ様でした!」と話し出し、いい意味でこの空気を変えてくれる...そんな期待感があった。

すらすら明るく話していた聡汰が途中止まった。感極まったようだ。それでも話し続け、

「お前らのことが大好きだったから...」
と言ってる途中に完全に泣いてしまった。

(↑このセリフは紘太くんに一生バカにされ続けるネタになるのであった笑)

この聡汰を見て、涙した部員も多かったのではないだろうか。

對馬はスピーチがめちゃくちゃ短かったので今でも鮮明に覚えている。

お疲れ様でした。これからつらいときもあると思いますが、頑張ってください。ありがとうございました。

「短かっ!!」
と俺は心の中で突っ込んでしまった(笑)

後日、聡汰から聞いた話によると對馬は事前にとても素晴らしい文章を考えていて、聡汰に「こんな内容を話そうと思う」と伝えていたそうだ。

だが当日みんなの前に立つと、緊張してしまいとても短いスピーチになってしまったとのことだった。

いつかその素晴らしい文章を改めて聞かせてください!!
(というむちゃぶりをここでもしておきます笑)

智也がスピーチ途中に泣き出してしまったのも意外だった。

泣きながら喋る智也を見て、聡汰が吹き出してしまうという珍事も起きた(笑)

宗弘、渉、熊谷くんは、淡々とした様子でしっかり自分の今の想いを伝えていた。

彼ら3人はキャラクター的にも泣いたりしなくて良かったとも思った。

(宗弘がここで泣いたりしたら、永遠に對馬にいじられると思ったので。笑)

あっちゃん、聖多、紘太くんは、泣くのを堪えながら一生懸命話しているのが印象的だった。

そして、寺田の番に。
寺田は俺に「絶対泣かない」と言っていたにもかかわらず、涙が溢れていた。

高校時代は思うような結果が残せず、その悔しさが伝わってきた。

最後に溜まっていた想いを吐き出すことができてよかったのかもしれないなと思った。

とうとう俺の番がやって来た。
このメンバーの前で話すのは、何十回とあったので慣れていたはずだが、なぜかこの日は緊張した。

話す内容は、前日にぼんやりとは考えていたため止まることなく自分の想いをみんなに伝えた。

次の3つについてを話したと記憶している。

・先生達への感謝
・マネージャーへの感謝
・後輩達への期待

自分の代のメンバーについては、ここでは特に語らなかった。

引退してもこの仲は、ずっと続くものだと思っていたからだ。

最後に顧問の齋藤先生、酒井先生がこの引退ミーティングを締めた。

来週でnoteラストです!

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