見出し画像

風呂掃除が嫌い

料理を作ったり、裁縫をしたりといった「創作系」の家事よりも、皿洗いとか掃除等の「片付け系」の家事が好きである。スカッとするし、綺麗に片付いた跡を見るのは気持ちが良いものだ。
職場でも前任のH課長から「お掃除大臣」という有難い?肩書きを拝命したので、「手早く綺麗に」をモットーに、毎朝売場をクルクル動いて汗を流している。本来のレジ業務よりよっぽど好きだ。

掃除は好きだが、一つだけ例外がある。風呂掃除だ。
トイレ掃除と同じで、毎日やらない訳にはいかない。だがトイレ掃除は苦ではない。どちらかと言えば好きな部類に入る。
なぜ風呂掃除がこんなに嫌いなのか、というとひとえに「冷えるから」である。私は極端な冷え性なのだ。
ウチの風呂は、割合家の中でも暖かい場所にある。だがそれでも何故か、風呂場というのは冷える。掃除している最中はなんとも思わないのだが、終わって「丘に上がる」と身体、特に腰から下が冷えきってしまっているのがわかる。
こうなるとまた膀胱炎になる確率が高くなる。

尿にタンパクが出て白濁するともういけない。延々と続く、だるさとのお付き合いの始まりである。
膀胱炎では普通発熱することはないらしいが、私はどういう訳かこれが始まると、いつも微熱を出してしまう。そしてなかなか下がらない。大体二週間くらい続く。
しかも超微熱なので、普通に生活できてしまう。家事も仕事も楽器の練習も、全部普段通りにやれてしまう。食事も睡眠も普通にとれる。なら良いではないか、たいしたことないのだろう、となりそうだが、一日中重だるい上にずっと背筋が薄ら寒いような、気持ちの悪いグジュグジュした感じのままなので、気分的に滅入る。身体もいつも以上にしんどい。だからなりたくない。
我慢して良いしんどさの上限が自分でわからない、というのも微熱を出しながらも普通に生活出来てしまう原因の一つだろうとは思っている。
高確率で膀胱炎を発症する風呂掃除をすすんでしたくないのは、当然だと思う。しかししないわけにはいかない。膀胱炎になるのも嫌だが、汚い風呂に入るのはもっと嫌だからだ。

腰を屈める姿勢を長くとるのも好きではない。普段あまりしない姿勢だからか、ちょっと辛いなと感じる事がある。
腰には仕事中も楽器演奏時も、ずっと負担がかかる。家に居る時くらい、腰を楽にしたいと思ってしまう。
膝も辛い。屈むと曲げっぱなしになるので、負担が大きい。伸ばしたり曲げたりではないから、急に立ち上がると変な感じがする。
立ち仕事をしているせいかも知れない。

あちこち擦る為には背中や腕を伸ばす必要がある。ウチの風呂は「柔らかいスポンジで洗って下さい」という注意書があるため、傷をつけるなということだろうな、と思って台所用スポンジと同じ種類のもので一生懸命擦っているが、しっかり洗えたのか、よくわからない。手応えがないというか、「洗えた感」が今一つわかない。
つまりしんどい思いをする割には報われない。

なので、風呂掃除はどうしても最後になってしまう。やらんとあかんわ、と思いつつ、放置してしまうのだ。
夕飯の支度を終える頃になってやっと、渋々重い腰を上げる事が多い。でもやらなかったことはない。
天井等のカビ取りは定期的に行っている。これも私にとってはかなりの重労働なので好きではないが、病気になっては困るのでやらざるを得ない。イヤイヤやっている。

今日も夕方まで放置していたので、ウダウダと始めて、十五分ほどで終了した。まあ済んで良かった。
大体の場合、嫌なことは早めに片付けてサヨナラする性分なのだが、風呂掃除だけは何故かそう出来ない。よっぽど嫌いなのだと思う。
昨日関東は梅雨入りした。カビの発生しやすい季節になった。風呂は早めに掃除することにしよう・・・と自分に言い聞かせている。