読書メモpart4:ビジネスロードテスト
ビジネスチャンスを見極めるための表
1章 市場と業界の違い
市場は、製品を購入する意思を持つ顧客や潜在顧客の集団で成り立っている。市場を構成するのは、買い手であって製品ではない。例:職場向けスナック市場など
業界は、製品や似通った製品群を提供する売り手で構成されている。製造業社であれば、製菓業界、キャンディ、生鮮品などがある。
市場の魅力の判断には、ミクロレベルの分析がより重要
・顧客課題と解決策を一致
自社のサービスや商品のメリットを理解して購入してくれる顧客セグメントは存在するか?彼らが喜んでお金を出し、ペインポイントを解決するか?
・競合優位性の確立
何らかの点(品質、スピード、価格など)で既存の製品より優れているか?
・ニッチ市場の規模と成長性
このニッチなセグメントの大きさはどれくらいか?どのれくらいのスピードで伸びてるか?
・横展開可能性
このセグメントを満たすことは、他のセグメントへの参入に繋がるか?
2章 その業界に魅力があるか
マクロレベルの分析
1.新規参入の脅威
2.買い手の交渉力
3.売り手の交渉力
4.代替品/サービスの脅威
5.競合他社の敵対関係
ミクロレベルの分析
模倣困難性
・独自特許や企業秘密
・組織やプロセス、能力、資源
経済合理性のあるビジネスモデル
・ROI
・CPA
・固定費を回収できる貢献利益
・キャッシュサイクルの特徴
チームの使命、メンバーの野心、リスク許容度
・サービス提供したい市場
・戦いたい「競争の場(業界)」
・自身の野心・情熱
・リスク許容度
・人的ネットワーク
3章:顧客の重要性
ミラーライトビールの事例
ビール市場は低迷していたが、健康意識の高い20代半ばの男性に絞った「セグメントマーケティング」とスポーツに絞り「飽和状態に近い宣伝活動」によって、売上トップ10に入るビール会社に成長させた。
ポイント
・ライトビールは女々しい男が飲むビールという印象があったが、実際は、過去にスポーツに打ち込んでいて現在は観戦がメインの男性層の健康意識が高まっており、そこに対するソリューションがなかった。元スポーツ選手を起用したり、スポーツ広告を打つことで隠れたニーズを満たした
ナイキの事例
長距離ランナーがトレーニングで怪我を防げる軽くて、しなやかな靴を競合より安く作ることを目指し、waffleの型から着想を得たソールを活用した。アジアの工場で安く作り、価格優位性をつけた。
ポイント
・長距離ランナーというニッチ市場で大きな成功を納めて、バスケットボールやテニスなどに横展開することで市場を広げていった。
市場セグメントを特定する方法
・顧客属性()
・地理的な特性
・ライフスタイル
マクロレベルでの市場テストの問い
・目指すゴールは?
あなたはどんなビジネスを望んでいるのか?巨大な規模に成長できそうな事業かニッチ市場にサービス?小規模のライフスタイル事業?
・目指す市場規模は?
・市場の成長性
・PEST分析で事業にとって好ましい傾向が見られるか?
4章 業界の魅力
21世紀の製薬業界の例:
・新規参入の脅威
ジェネリックやバイオテックの台頭により、参入障壁は下がっているが、制約会社の設立のコストは非常に高い。
・サプライヤーの交渉力
棚持ちもよく多くのサプライヤーからいつでも仕入れることができるため制約会社の交渉力が強い
・買い手の交渉力
インターネットが普及して買手も情報量が増えて交渉力が高まっている。これは深刻な問題である。
・代替サービスの脅威
ジェネリックやサプリなどがシェアを奪い始めているが、ガンなど生命に関わる病気における領域は維持できる
・競合他社との敵対関係
製薬会社ごとに異なる市場をカバーしていたので、ニッチ市場に対して他の市場からの圧力がない
5章: 競争優位性の維持
ビジネス自体の優位性
・模倣困難性(技術)
・模倣困難性(組織やリソース)
・ビジネス採算性
・CPA
・貢献利益
・キャッシュフロー
起業家しての夢の実現
・使命、リスク許容度、野心
・CSFの特定とCSFの実現体制
バリューチェーンの関係性
・上流との関係性
・下流との関係性
・横方向との関係性
よくある落とし穴
・市場と業界の区別
・ミクロとマクロの区別
・差別化されたメリットの欠如
・優位性の持続可能性
・CSFや人的ネットワークの欠如
ビジネスアイデアの生み出し方
・マクロトレンドによって生み出される
・原体験ベース(共感・追体験)
・科学的リサーチ
その他
ロングインタビュー
・わかっていないことに気づくこと
プロセス
・わかっていることとわかっていないことを書き出す
注意点
・YES/NOで聞かない
市場調査
注意点
・情報ソースの正当性
・市場調査の目的設定
まとめ
スタートアップは急成長やExitを求められるが、自分がやる事業の最終ゴールによっては、違った選択肢でも正しい。また、具体的な失敗する事例と成功事例から一定の再現性はあるが、市場や業界は大きく変化いていくため、ビジネスモデルや技術はもちろんだが、粘り強く戦える情熱とチーム、変化に柔軟に対応できる力が起業家にはより一層求められている気がする。