業務効率を上げるために意識すべき3つのポイント【時間管理ハック⑤】
前回の「仕事効率を格段に上げる脳の使い方【時間管理ハック④】」では、ワーキングメモリを上手に活用する方法についてお話しました。
タスク実行のための一時的な作業台であるワーキングメモリは、余計なことで散らかっていないほうがフルに力を発揮します。
ワーキングメモリ上を散らかさないためには余計なことを考えず、その日のうちに終わるタスクはその日のうちに終わらせてしまうことが効果的です。
ワーキングメモリ開放のためには脳の外部化や、きちんとした報連相の状態をキープすることで各員の「常に考えておかなければならないこと」を減らしてあげるといいでしょう。
また、タスクは優先度別に分けると大きく3つに分類できます。
創造的タスク、能動的タスク、受動的タスクというもので、左に行くほど集中力が必要で難しいタスク、右に行くほど簡単なものになります。
脳がノッてる時、集中が持続するときには左側を、それができない時に右側のタスクを残しておくときれいに時間が使えるはずです。1日でタスクが終わらないのであれば、分割しましょう。
本記事では、ワーキングメモリの活用と同時に重要な、業務の効率性を向上させるために意識すべき3つのポイントについて解説します。
※前回記事はこちらから
自己紹介
事業投資家の林周平(@HayaShu88)と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。
僕のプロフィールは以下をご覧ください。
【キーワード4】効率性
ワーキングメモリの活用だけではなく、仕事上でも効率性を常に意識して仕事をすることが、時間管理においては何より重要です。
特に次の3つのポイントを意識して、仕事をするようにしましょう。
ポイント1:「この仕事を通じて何を残すか」という意識が⼤事
まず、「この仕事を通じて何を残すか」という意識を常に持つことが大事です。
これは正社員の方とか幹部クラス、マネージャークラスこそ持つべき考え方だと思っています。
「仕事を通じて、ハッピーな未来を、豊かな未来を一緒に作っていこうぜ!」っていう角度で日頃ぼくは仲間に話しています。
「今の仕事で何を残すか」って意識を持ってないと、本当に「ただ今を生きてる人」になっちゃいますよね。
今を全力で生きるのも素敵なことですけども、どうせだったら今を全力で生きながら、未来で振り返ったときにいろんなすごいものが残ってた方がいいんじゃないかな?と。もちろん「未来のために生きろ」と言いたいわけではありません。
【ワンポイント】資産づくり
例えばこの文も、社内資料として適当に録音でもして残せば楽かもしれません。でも僕は、今後もお付き合いする人みんなにこういったお話をしていきたいと思っているため、1回綺麗な資料を創りたくなりました。
わざわざ労力をかけて明文化するのは、またいつか別の機会にこういったお話をしやすくするためだったり、後の時代の皆さんにも読んでいただきたいからです。やはり、将来のために使えるような資産を作りたいな、と思ってるからこそこういう形でやっております。
「資産作り」は、会社の資産としてだけではなく、個人の資産にもなります。だから雛形とかコピーとして「使える文章」や「資料」を残すといいでしょう。別にめちゃくちゃ綺麗に創る必要はないですが、ある程度今後の使い回しができるように開発できれば良いですね。
【ワンポイント】明日サボるために今日がんばる
プログラマーの思考で、「明日さぼるために今日頑張る」というものがあります。
プログラマー業界では、仕事好きな人はあんまり優秀じゃないと言われます。仕事が嫌いで、さぼりたい人がプログラムに向いてると言われます。
「作業を自動化したい(から、自動化できるプログラムを組む)」とか「無駄が嫌だ」とか、そういう人がプログラムに向いているんです。
今日がんばることで、明日さぼれるぐらいの余剰が出れば、もっと新しいことができますよね。
そういう意味で今日の仕事をとらえたらどうかなと思ってます。
あとは、与えられた仕事そのものをしようとする人が多いんですが、業務効率化に視点を置いてもいいように思います。
よりアップデートしていくという意識を持って、「この仕事を通じて何を残すか」という意識で日々お仕事された方が、資産ができます。
ポイント2:繰り返しの無駄を省く
効率化をする上での観点として、「繰り返しの無駄を省く」という考え方があります。
無駄とは、デジャヴみたいな感じです。「あれ?この光景1回見たな」みたいな感じって、皆さんも日々何かあると思うんですが、仕事でも「何かこのパターン前もあったな」とか、「これ端折れそうだな」と思ってたんだ、みたいなものを省いていくってことです。
結構ありがちなのが、最初は有効であっても徐々に効果が減退していくことです。
これは意外と多くて、例えば定期ミーティングとかも該当します。
最初はすごい機能してても、「そろそろこの項目いらなくない?」とか、「もうそろそろ任せたい」とか、もしくはもうミーティング自体そろそろいいかな、残りのメンバーでやってくれる?と考えたり。ミーティング自体を1回自分の外に置いてしまうと考えるのは、結構大事だと思います。
あとは、他人の無駄に巻き込まれないように自分を守る。
僕の周りには割と効率悪く働く人が多いので、「ちょっと林さんも一応来てもらえますか」とか「林さんも何かとりあえずやってもらえますか」と無駄に巻き込まれるんです。
この無駄から自分をプロテクトするということです。「別に僕はいらないと思います」と伝えたりできれば、自由に自分の時間を生きられるようになります。
多少「ややこしいやつだな」みたいな扱いを受けることもありますが、皆さんはご自分の人生に照らし合わせて、考えて実行してもらえればと思います。
ここで僕の兄から話されたブラックジョーク的な話を紹介します。
高級食材のフォアグラがあったときに、普通はフォアグラをちょっとずつ地道に食べて味わいたいですよね。でも、僕の兄曰くそれは発想が乏しいらしい。
「フォアグラにマヨネーズを一緒につけて、ぐちゃぐちゃにして食べるのが贅沢なんや」と。贅沢とはこういうことらしいです。確かにそうかと思いました。
もちろん、皆さんにその食べ方を真似してほしいわけではありません。
上記の話でわかることは、「余剰」とか「無駄」とは、豊かなものだということです。
そもそも「無駄を楽しもうぜ」という考えができること自体、めちゃくちゃ豊かなことです。このため「無駄を省かなければ」と過剰に思ってしまうことは追い詰められた状態の発想であるといえる。
ただ「繰り返しの無駄」については、1回やった上での無駄だとわかっているため、それは本当の無駄だと思うんです。
したがって、「『なんでもかんでも無駄をやめようぜ』ではなく『無駄は無駄で楽しもうぜ』」という考え方がまずひとつあります。
そして、効率化の意味で「繰り返しの無駄を省こうぜ」という考え方があります。
この2つは、同じ議論に見えてちょっと別の議題だと思います。「余剰」と「繰り返しの無駄」の違いですね。
結構、その無駄の中からアイディアが生まれることも多いです。僕が遊んでいる将棋なんかも一見無駄です。でも、人生における無駄なチャレンジという余白の中で新しい何かを見つけられるかも知れません。
ポイント3:効率の悪い仕事は時給の低い⼈材に引き継ぐ
「効率の悪い仕事を、自分より時給の低い人材に引き継ぐ」という考えも一つの効率化の方法です。
時間を作るために一番簡単でインパクトが大きい方法は、人に引き継ぐ事です。
なぜ僕が結構時間を持っているのかと問われると、人に引き継ぐのがうまいからだと答えています。
最初は割と業務を一気に握るんですが、そこから権限委譲したり、業務を作って説明をして引き継いでいくことを結構やるタイプなので、その結果、業務がどんどん手離れしていきます。
立ち上げてからガーッと入って、そのまま業務を持っちゃうと一件しか実行できないんですが、引き継いでいくと時間がつくれます。
インパクトが大きい時間の作り方ではありますが、引き継ぎによって時間を創るには前提が必要です。
前提とは、引き継ぎによって仕事量が増やせる、会社全体の規模を大きくさせられる、等です。
規模が伴わないと、新たなコストが増えるだけになってしまいます。このため、引き継ぎしまくってしまうかどうかは会社の成長と天秤にかけなければなりません。
ただ、自分よりも低い時給の人材に今の業務を任せながら、自分はさらに新しい仕事をして新しい付加価値を作れるのであれば、会社も大きくなるし会社の生産性も上がります。
今やっている仕事は、将来の後任が引き継ぐものだと常に考える
ここまで仕事の効率性をあげるために意識すべき3つのポイントについて解説してきましたが、総括すると、「今やっている仕事は、将来の後任が引き継ぐものだと常に考えて仕事に取り組む」というマインドを持つといいんじゃないかなと思ってます。
僕は事業投資家っていう立ち位置上、このマインドを本当に意識しています。最初から最後まで僕がやるつもりなんて、1ミクロンもないんです。
引き継ぎ前の業務中は、リソースがなくてやっているという考えです。逆に言うと、まだ名前も知らない、いつ入社するかもわからない将来の後任のスタッフさんとかのために、形にしておこうという意識でしか仕事していません。
プレイヤーとして僕が入ってしまうことは、ロール的にも許されないことでもあります。なので、成長中ベンチャー企業の皆さんも同じように、基本的に「今やってる仕事は、一時的に預かってやってるんだ」「将来の後任のために、形作っておいてやるか」ぐらいの気持ちでやると、時間もできるようになるし、引継ぎも上手になるでしょう。
毎日磨り減ってます、という働き方ではなく、割と前向きに良い時間の使い方ができるようになると思います。
それこそ「将来、毎日磨り減っていく人たちのために、俺は今タスクを良くしようと作っているんだ」という気持ちで業務にあたると、ちょっと気持ちが前向きになりやすいはずです。
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