生産性を高める集中力のコントロール方法【時間管理ハック③】
第2章では、足し算ではなく引き算して時間管理をすべきとお話してきました。
引き算とは「やらないことを決める作業」。引き算が必要な理由は、時間とは有限であるためです。
また、時間管理を行う上でのキーワードとしてまずご紹介したことに「優先度付け」がありました。
優先度付けにおいて大切なことは、数あるタスクをいかにして「低い優先度」にカテゴライズするか、「保留」をいかに増やすか、でした。
優先しなければならないことだらけの状態では、タスクが手に余り、物事が正常に進められなくなってしまいます。
そもそも、重要であり優先されるべき仕事とは「それをしないのであれば、組織がどうにもならない」「これをやらないと、この場にいる意味がない」というレベルのものなのです。
※アップ次第随時リンクしていきます。
続いてこの第3章では、時間管理のために集中力をいかにして活用すべきかといったコツについて、具体的に解説します。
自己紹介
事業投資家の林周平(@HayaShu88)と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。
僕のプロフィールは以下をご覧ください。
【時間管理術のキーワード2】集中力
次はキーワード2、「集中力」です。
そもそも、時間管理ハックの目的は「集中力が高い状態を作る」こととも言えます。
本カリキュラムを作る上で僕自身も思ったのですが、「集中力が高い状態をいかに作るか」を自分の管理するマネジメント、もしくはチームのマネジメントとして意識されると良いでしょう。
集中力の活用1:集中が持続するなら中断しなくていい=目的達成
集中力が続いている状態とは、非常に貴重な時間です。
その集中が、次にいつ来るかがわからないためです。
僕は、集中が持続するのであれば、なるべく中断しないという選択肢もOKだと考えます。
例えば、「もう12時になってしまったから、続きの作業はお昼以降にしよう」とせず、すでに「ゾーン」に入ったような状態なのであればどんどん続けてしまうなどです。
このように、「自分が『ノッてる』瞬間」を大事にするという考え方です。
僕の体感では、何か月に1回、2回とかの頻度ではありますがゾーンに入る日があります。
その日に限っては、「1ヶ月分の仕事をしている」ような感覚が得られるのです。
また後述もしますが、業務の中には「惰性で進める、ちょっとした作業」も存在します。
例えば、請求書を送るといった作業が該当します。
キーワード1の「優先度付け」でも述べたような、重要度の高い「未来に対する財産」を残せたかのような本質的な仕事とは、ゾーンに入れた日を何日か費やすことで達成しているように僕自身では思えます。
僕自身、企画系の仕事に携わることが多いからかも知れませんが、ゾーンに入れた日にこそ重要度の高い仕事ができるのであれば、集中力が高い状態を大事にするという意識を持つべきであるように感じます。
集中力の活用2:集中力が出ないなら、何もしない(余剰作業にあてる)
続いて、「集中力が出ない日」をどうするかについてです。
僕自身は「やる気の出ない時」の取り扱いをどうすべきかを、かなり重要に捉えています。
集中力が出ない、どうしても今日はやりたくないと感じる日時・タイミングは、誰にでもあると思います。
そういうときは、何もしないでいればいいのです。
「いや、それはマネジメント側だから言えることでしょ」と思われるかも知れません。
もちろん、それも一理あるとは思いますが「何もしない」ために、第1章の「余剰」が活きてくるのです。
逆に余剰がないと、この話が成立しなくなってしまいます。
もう何時間後に完成させないといけなくて、集中力なくてもいいからやらなきゃ、という場合は、仕事も楽しくない、自尊心も下がる、悲惨さがある、そしてモチベーションが下がることになります。
そこで「集中力がないならやめちゃおう」という考え方ができれば潔いです。このため「集中力がなくてもできる仕事」をやる、という切り替え先を持っても良いように感じます。
集中力の活用3:マルチタスクだと集中力は途切れてしまうため「一度何をするかを決めたら、絶対にそれだけをやる」
マルチタスクは集中力が途切れがちです。
例えばA、B、Cという業務があったとします。
それぞれ完成度30%までを目標に、その日のうちに終わらせなければならないとしたらどうするでしょうか。
もし、ABCそれぞれ10%ずつ進めるとしたら、Aを10%、Bを10……そして、Cが10%すぎるとまたAに戻り、今度は20%にする作業が待っています。
こういったやり方だと、集中力は常に途切れ続けます。
このため、Aを30進める、終わったら今度はBに移り30……と進めた方が、「トータルのコスト」は下がるはずです。
この場合のコストとは、脳への負荷です。脳への負荷をコストと捉える感覚は常に持つべきです。
脳への負荷を下げれば集中力を保てます。
したがって、「今、何をやるか」を決めてしまい、決めた後はとりあえずそれだけやる、という方法を推奨します。
「何をやるか」について考えながら作業を進めると、「あれもやらないと」「これもやらなきゃ」という考えが次々に浮かんでしまいます。何よりも僕自身がそうです。
しかしながら、他のことを考えてしまう時間は、脳にダメージがかかることになるため、概ね生産性が下がるのです。
このため、「一度決めたら、それをやる」とした方がいいと思います。
ただ現実的には、チーム内でのチャットを見なければならないことなどあると思います。
したがって「現実的に」「できるだけ」、継続して「決めたこと」を進めるやり方がおすすめです。
集中力の活用4:タスク自体について考える時間を減らそう
続いて、「タスクを考える時間を減らす」ことも大きなポイントです。
タスクについて考えている時間の長さが、実は作業時間と同じぐらい長くなってしまうことも起こりがちです。例えば、タスク完了までの手順を考えている間に営業時間が終わってしまった、企画をしてる間に、中身を実行する時間がなくなってしまった、など。
まず「プランニングは足し算」であるということを意識すべきです。
準備ばかりしていると、そちらに時間を取られることになります。
すると、本番用の時間が限りなく少なくなってしまいます。
なので、この「タスクを考える時間を減らす」べきなのです。
タスクについて思考する時間を減らすにはどうするべきでしょうか?それは先程解説した、「一度決めたら、それをやる」が効果的です。
このルールが徹底されていれば、自動的にタスクを考える時間は減るはずです。
どうか、現行の作業をしながら別タスクのためのプランニングなどをしてしまうことをぐっと抑えてください。
「後で考えることリスト」というように、メモにぱっと残す程度で後で思い出せるような対応をしましょう。
「今はこのタスクをやるんだ」ということに全ての集中力を注ぎ込んでください。
実は、悲しいことに「あれもこれもやらなきゃ」という状態は、人間にとってモヤモヤを生みます。
モヤモヤしている状態は、幸福感が低いです。
冒頭で説明したように、読者の皆さんには「楽しく」「幸福感を持って」、充実したビジネスライフを送っていただきたいと思っております。
このため、「モヤモヤを消す=やることを決める」という判断自体が精神的な豊かさに直結するのです。
この自己管理は、コツを掴まないと難しいかもしれません。
集中力の活用5:集中力がいらないタスクを持ち、集中力がない時に取り組もう
また、集中力のいらないタスクというものが往々にしてあります。
皆さんの仕事でも、いわゆる創造的な仕事ではない、単純な作業は結構多いのではないでしょうか。
例えば、ホテルを予約する、経理をする、郵便物の中身をチェックする、などです。
これらは、いつでもできることです。集中力があるときにやる仕事ではない、とも言えます。
したがって、こういった仕事を集中力がないときにやると良いでしょう。
また、集中力は午前中の方が高まりやすい傾向があるそうです。
僕も体感としてそう思います。
そこで、生産性の高い朝の時間をうまく使う意識も持ちたいところです。
他にも「ミーティングの後には、そのミーティングの議題に関して頭が回りやすくなる」という傾向も利用したいです。
例えばこのページでお話していることをミーティングだとすると、今は時間管理の話をしているため、このページをご覧いただいた直後は「時間管理をどう考えよう」という思考になっているはずです。
そこで、読後の時間を活用すれば時間管理についての生産性は高くなります。
この考え方に基づけば、ミーティングの後という貴重な時間をうまく活用できるようになるのではないでしょうか。
ミーティングに関してだと、例えば「この人と喋ってると元気になるな」とか、「この部下にはいつも『気合でいけ!』みたいな根性論で説教をしているから、こっちも根性論のモードになるな」といったスイッチを利用するのも手です。
その人とのミーティング直後に自分がなるであろう気持ち、モードをある程度予測して、その直後の時間を関係する業務に充てるわけです。
すると、ゾーンに入るまでの時間が短くなるはずです。
同じく、本を読んだり動画を見た後にはインスピレーションが湧くことが多いと思います。
例えば本を読んだ後は、「本」という活字コンテンツに触れた直後なので、同じく活字メディアであるプレゼンテーションのようなセミナー資料の作り方などは、よりイメージしやすくなって進めやすいはずです。
ぜひ、上記に挙げたような時間を集中のために活用してみてください。
創造性が高い重要なタスクから先に進め、集中が途切れたら単純作業を!
単純な事務作業などは、集中力が切れたときにやるのがベストです。
逆に言えば、創造的なタスクから順番に、集中して大切に扱うべきです。
第2章でお話した「引き算」の考えと同じく、「どうやって事務作業をしよう」について考えることは重要ではありません。
重要なのは「創造性の必要な大事なタスクを、どうやって集中力高く遂行するか」について考えることです。つまり、事務作業は「その他」です。
「事務作業をどうしようか」について考えることは、事務作業の優先度を高く設定してしまっているのと同じことです。この状態では、創造性の高いタスクを脇に追いやってしまいます。
創造性の高いタスクとは、レアでありながら扱いが難しいものです。したがって、創造性の高いタスクをどうすべきかについてまず考え、余った「その他の時間」で、事務作業を進めましょう。
次の第4章では、時間管理の4つのコツのうち3つ目の「ワーキングメモリ」について解説します。
※アップ次第随時リンクしていきます。
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