自社を構造的に捉えよう!【情報インテリジェンスの高め方④】
前回の「本質(構造)が仕組み(テクニック)を支配する!【情報インテリジェンスの高め方③】」では、「どれだけ仕組み(テクニック)で改善しようとしても、構造自体が変わってしまうと、一気に淘汰されてしまうぞ!」というお話をさせていただきました。
※前回の記事はこちら
仕組み(テクニック)の方が短期的な成果・結果が出やすいので、世の中は仕組み(テクニック)を求めます。
もちろん、仕組み(テクニック)をバカにしている訳でも、否定している訳でもありません。
起業家や経営者で、仕組み(テクニック)だけに頼りすぎていると、いつか構造がガラリと変わった時に、足元をすくわれてしまうぞ、という事が伝えたかったのです。
この世の中は本質がテクニックを支配します。
この事実は、私たちがこれまでたどってきた歴史を紐解けば、明らかです。
今回は、そんな歴史を参考にしながら「なぜ、構造が仕組みを支配するのか?」についてもう少し分かりやすく解説していきます。
自己紹介
事業投資家の林周平(@HayaShu88)と申します。10社のグループ企業の経営と林経営塾を主催しています。
僕のプロフィールは以下をご覧ください。
【構造が仕組みに優った歴史的事例1】第二次世界大戦で、なぜ日本は負けたのか?
まず書籍を紹介します。
「失敗の本質」という非常に難解な本です。
この本をさらに簡単に解説した本が「超入門失敗の本質」というものです。
これは、大ベストセラーとなりました。
僕も著者の方の出版イベントを一緒に主催させてもらったため、色々なお話を伺えたんですが、当時既に52万部ほど売れたそうでした。
敗戦時、日本が何で戦争で負けたのかということが、書籍に書いてあります。
元々、日本軍の飛行機である零戦は非常に強かったらしく、前半は日本が有利でした。以後、日本軍は操縦士の技術を高めました。
一方、アメリカは零戦より高く飛ぶ飛行機を造りました。
すると、上から撃たれたらもうなすすべがないため負けてしまいます。
そこから日本は壊滅的な敗北に繋がったのだそうです。
【構造が仕組みに優った歴史的事例2】弥生時代に勢力を伸ばした部族
他に、弥生時代の話もあります。元々稲作をきっかけにアジア人が争うようになったそうで、当時の人々は木や青銅、銅の武器で戦っていました。
木はすぐにパキッと折れちゃうし、そんなに尖ってないし、青銅もすぐ曲がってしまう。そんな中で鉄の武器を持った部族が現れます。
すると、鉄を作った部族たちが圧勝しました。世界中の各地でそのようなことが起こっていたそうです。
【構造が仕組みに優った歴史的事例3】テレビ業界の衰退
テレビは民衆の影響力を牛耳っていました。その後インターネットという新技術が登場し、メディアのあり方が変化しました。
その後さらにYouTube等のサービスが出現、スマホや5Gなどインフラも整ってきて、消費者のライフスタイルが変化してきました。
で、その先はどうするの?とテレビ局が考えたとき「視聴者がもう1回テレビに帰ってきてくれるような面白い番組を作ろう」という案を打ち出すかもしれません。現場の考えとしては正しいかもしれませんが、構造上、本質としてはずれていないでしょうか?
テレビ業界に必要な話は、そういう次元ではなさそうに思います。
この手の話は歴史上ずっと繰り返されてきました。
長州藩がなぜ急に強くなれて、徳川家に勝てたかといえばイギリスから最新の武器をもらったからでした。
このように、僕らは構造上の優位を作られてしまうと絶対に勝てないということを学ぶべきです。
よく、AIに人の仕事が奪われるみたいな話を聞きます。AIについて詳しい人もそうでない人も言っている印象です。これも構造で受け止めるべきです。
本質は、ポスト間の争いは人件費と機械(設備費)という構造に落とし込んで考えることにあります。
サーバー代より人件費が安いなら、AIが人の仕事を奪うことはないでしょう。AIについては、電気代、生産設備代と、最低時給など人件費について総合的に考えて結果を出すべきであるため、AIに変わる現場もあれば、ずっとそうならない現場もあります。
自社を構造的に捉えよう!
自社の構造を捉えてみましょう。
まず経済があって、経済は会社(同業他社、自社)を内包しています。
逆にWebデザインに特化した自分の会社があって、他にWebデザインの他社さんが何千社とあります。
それを全部足し算したら、業界規模が出ます。
その業界規模についても同じことがいえます。Webデザイン業界もあればサーバーの業界もある。自動車業界とか介護業界もあり他にも……と全部の業界を全て足していくと「経済」となります。
経済にも日本という経済圏、他国の経済圏……とあり、足すと世界経済になります。GDPといった単位で表現されます。僕たちも意識することがないだけであって、結局はこの構造からは逃げ切れないのです。
まとめると、全企業の集合体がGDP、同業の集合体が業界規模、自社で言うと、自社内のお金の動きを集合体であらわしたものは売上となります。
覚える必要はありませんが構造の例として、業界規模は自社の売上+同業他社全体の売上で示されます。
シェアについて考える場合、例えば経営者を集める経営者クラブの運営では、日本の経営者数をまず踏まえます。すると日本の経営者数は350万人ぐらいであるため、ここでインテリジェンスを持っていれば「経営者を100万人集めて参加してもらうクラブになるぞ!」といった学生さんとかが陥りがちな思考は実現不可能であるとわかります。全体の1/3も集めるなんて無理ですね。
ならば次に、個人事業主、サラリーマン、主婦にアプローチしてみればいいんじゃないか、というアイデアが生まれます。
ちなみに労働人口は6000万人とされています。そういった知識があれば、例えば皆さんがFacebook広告を打つ立場になり、30万人にリーチするようなものにしてくださいと頼まれた場合、30万人の意味がつかみやすくなるでしょう。
人口規模でも同じです。例えば東京、関西、他の人口……と調べておけば先々で役立つでしょう。僕は自分が訪れた旅行先の人口を事前に調べたりして「へぇ~」と思ったりします。思うだけです。しかし、このように自分のインテリジェンスを磨くとビジネスのイメージがつかめることもあるので気に留めていただきたいです。
※次の記事はこちら
時代の流れを捉える3つの視点【情報インテリジェンスの高め方⑤】
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