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#ショートショート
まよバス!SS 「まよバス!」の4人と1匹のとある日常を書きました。ネタバレはないですが第1話を聴いていただいていると分かりやすいかもしれません。
「……大きい」
男子の、それもLサイズの制服に袖を通し、愛実がぼやく。しかし代えの服があるだけマシなので、贅沢は言えない。
着替えが終わった愛実は、理科準備室の外で待たせていた猛を部屋へ招いた。
「おー、やっぱデカいな!」
愛実の男子制服姿を見ると同時に、猛が明るい表情で元気な声を出す。
「大きいわね」
猛よりもふた回りは華奢な体格の愛実が猛の制服を着ているのには、理由がある。
昼
or FALLEN ANGEL (ショート・ショート)
ウミは電気を消した3階の部屋で窓の向こうに広がる夜空、一際大きく輝く月を見上げた。お気に入りのぬいぐるみを強く抱きしめて、嫌いな相手の名前をつぶやく。
ふと月が陰った。雲のせいじゃない、窓に当たる影は人の形をしている。月の明かりを妨げるその陰は夜空に堂々と浮かんでいた。
ウミは慌てて立ち上がり、窓を開けて影を見上げた。
「見えたわよ、黒い感情」
影が喋った。女であろうその声の主の背中には黒