【孫子の兵法・その3】どちらが勝つかを見抜くための五つのポイント
『孫子』十三篇の最初は「始計篇」。
「計」は、「言」と多数を表す「十」の合字(会意文字)で、口で言いながら、まとまった数を計りかぞえることです。
計略や計画という熟語があるように、情勢をきちんと計り、それを表明することによって物事は実現するのです。
「始計」は、始めに計るべき基本、即ち開戦の前によく考察しておくべき課題という意味の篇名です。始計篇には、勝つための基本となる五つの要素や、勝算の見極めの重要性など、総論的な内容が記されています。
《孫子・計篇その一》
孫子は言う。
「戦争は国の重大事だ。国民の生死が決まるところであり、国家存亡の分かれ道でもある。だから、しっかり考えなければいけない。では、どうするか?
戦争を検討するときは、五事を考慮し、実情を計り比べるのだ。
五事の一は道、二は天、三は地、四は将、五は法である。
道とは何か。
それは、国民と君主が同じ意志を持つかどうかという、政治的条件のことだ。心が重なれば、生死を共にすることが出来、危険を恐れなくなる。
天とは何か。
それは、昼夜や晴雨の明暗、寒暑、季節など、時期的条件のことだ。
地とは何か。
それは、距離が遠いか近いか、地勢が険しいか易しいか、地域が広いか狭いか、地形が高いか低いかなど、地理的条件のことだ。
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