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スタートアップのBtoBマーケであるあるな落とし穴5選

こんにちは。「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げる医療AIスタートアップUbieでマーケティングをしている林です。

最近発信する頻度減ったよね?と同僚に指摘されてホントその通りだなと思ったので、

やっぱりマーケターたるもの発信してなんぼ、という気持ちもあるので久々に筆をとりました。

Ubieに入社してもうすぐ丸3年。気づけば社会人としてのキャリアもそろそろ10年。その大半をBtoBマーケに捧げてきたので、(まだまだひよっこですが)結構BtoBマーケやってきたなあという気持ちになり、

今回はスタートアップのBtoBマーケあるある落とし穴 をテーマに書いてみることでこれまでの経験を棚卸しすることにしました。

これまでのマーケ人生を振り返って、「あ〜あれは失敗だったな。もっと上手くできたな」とパッと思いついたものを、粒度感もジャンルもさまざまですが、とりあえず書き連ねていきます。

これからもしくは今BtoBマーケに取り組んでいる人がこのあるある落とし穴たちに落っこちない一助になったら良いなと思います。

ちなみに「BtoBマーケの」と言いつつも、マーケ全般に言えそうなことも多いとは思います。

ということで早速1つ目から


× 勝ち筋へのインベストをひよってはいけない

期待するリターンに対してインベストが小さすぎないか?というやつ。代表の阿部にも何回かこのフィードバックもらって、まだまだ僕も覚悟が足りないなというのを痛感します。

期待するROIで、期待できるボリュームで効果が見込める方法を見つけた時に、それが勝ち筋なのにインベストに自らブレーキをかけてしまうことって意外と多い。

前提条件を所与のものとして固定してしまっているゆえに起こるものが多いと思います。

例えば(現職ではなく昔)やったことあるのだと、、

良い企画のイベントを設計でき、集客も好調。期間を多少残して目標を達成したので、一安心して集客の手を緩める。とか

→ 目標は本来最低ラインのはずなのに、最高ラインになってしまっているような例。好調ならコストもリソースも踏めるだけ踏んで、目標もひきなおしてアップサイドを狙う方が良いケースが圧倒的に多い。

ターゲティングやクリエイティブがはまって広告のCPAが改善傾向。まだまだリーチできそうではあるが、今月は広告予算はもう使い切ったので一旦投下量をゆるめる。とか

→ ゆるめて来月また同じパフォーマンスを出せるかはわからない。予算を取り直す、もしくは前倒すなどして効果が鈍化するまで取り切る方がよかったりする。

もう少し抽象度を上げた例を出すと、

この施策をこれ以上大きくやろうとすると今のチームの人員では難しい。人員の調達には時間がかかってしまうし大変なので、とりあえず今できる範囲でやる とか

→ チーム外からの協力、一時的な外部リソースの検討、などを選択肢に入れず、今あるリソースで戦うことを前提としてしまっている

この施策はこのコストのかけ方が最も効率が良い。これ以上コストやリソースをかけると効率が悪化するため、これ以上のインベストは控える とか

→ 効率性が最優先ではないケースも多い。多少効率を失っても、ボリュームを得られる方が優先、というケースにおいて、効率性を優先してしまうと機会損失

もちろん場合によっては結果的にブレーキをかけてインベストをコントロールすることの方が正解なケースもあるわけで。

ただ重要なのは、検討しないままインベストのブレーキが自動でかかることは避けたい、ということです。

勝ち筋に対して人員のリソースやコスト、目標などが制約となってブレーキがかかりそうな時に、ここでブレーキをかけない方法はあるか?アクセルを今一度踏んだ時のどのようなリターンが得られるか?リスクはあるか?などが議論検討された上で、踏むべきところでしっかり踏み切れるというのが理想です。

勝ち筋なのに踏み込むべきタイミングで踏み切れず、まだまだ大きなリターンを目指せたのに中途半端な成功にとどまってしまう。とはいえ悪くない結果なので「効率の良い施策だったね〜目標達成できたね〜」と安堵してしまったら、それはもはや失敗かもしれません

◯ 制約を取っ払ったPlanSから設計する

弊社Ubieの組織Identityである"Giant Leap"。非連続な成長を志向して実現しようというものですが、僕はこのIdentityが定着して共通言語になっているUbieがすごく好きです。This is スタートアップだと思っています。

Ubieの組織Identity

通常、現有のリソースを制約条件として何ができるかを考えることが多いと思います。しかしリソースからできるHowを選択肢、それに合わせたゴールを設計するのは本来的には間違っています。

あるべきはゴールを先に決め、それに応じたHowを選定し、そこからリソースを確保すること。

そのためにはまずはリソース条件を撤廃してWhat/Howを決めなければいけません

「それは現状のリソースに引きずられすぎ」と僕もよくチームメンバーに意識的に言うようにしていますが、自分でも無意識のうちにまだまだそういう考え方をしていることに気づくことも多いです。常に意識すべきと思っています。

まずは制約条件を撤廃して理想状態を定義する。

その理想状態にどうたどりつくかを設計する。

そこに必要なリソースを試算する。

そこで初めて今あるリソースとの乖離を見る。

リソースは調達しうるのか、100%可能なのか、50%、20%なら可能なのか。それに応じてプランをチューニングしていく。

そうすることで踏み込むべきタイミングで自然とブレーキがかかってしまう状態から脱せられるのではと思っています。

× セールスとのコミュニケーションをマネージャーに託してはいけない

打って変わってチーム間連携の話ですが、まあBtoB事業においてはマーケとセールスの対立はあるある中のあるあるだと思っています。

「なんかすれ違ってるな〜、、」と感じたことは一度や二度ではありません。BtoBマーケをやってる人の9割くらいは感じたことあるんじゃないでしょうか笑

この対立の大半はリードの量vs質の問題から発生します。

↓なんとなくありそうなすれ違いの例

マーケ「今月のリード目標達成!営業の人たちあとは契約獲得よろしく!」

セールス「リードの数ものすごく多いけど、電話をかけてもほぼ全員「ただの情報収集なんで」って言われてアポにならない。もう意味ないからアプローチするのやめよ」

マーケ「え、こんなにたくさんリード取ったのに、アプローチしてないの?セールスやる気なくない?」

セールス「マーケが意味あるリードを全然獲得してくれない。マーケやる意味ないじゃん」

こういうことを思ったことがある人は少なくないはずです。

僕はこれ系の問題は、マーケとセールスのコミュニケーション不足に起因するものが多いと思っています。

↑のやりとりに関しても、これが直接マーケとセールスの間で会話されていればまだマシです。お互いの課題をお互いが認識することで、どうやったら解決するのかを議論できるからです。

しかし大体は直接このような会話は発生しません。マーケもセールスも、裏で↑のようなことを思っているのみです。お互いがお互いを裏で無能と思っているわけですから、これではギスギスして当然です。

そもそもマーケとセールスの連携は、それぞれのマネージャーの責務と捉えている人、チームが多い気がしています。

それぞれのマネージャーが議論する、メンバーはそこで合意された内容に沿って業務に取り組む。普段はそれぞれのチームメンバー内でコミュニケーションを取ることが大半で、チームを超えたコミュニケーションにはどことなく壁がある。(リモートワークだとさらにそういう状況になりやすいはずです。)

マネージャー間の議論だけではさすがに限界があります。現場で起きていることを吸い上げきれないケースもありますし、マネージャーから各チームのメンバーに情報伝達される際には、表層の事実だけが共有されてその背景や狙いなどの共有が不十分だったりもします。

結局はマーケもセールスも同じ会社で同じ目標を志している仲間です。腹割って話せば対立することは相当減るはずです。第一歩はコミュニケーション量から。

◯ マーケ<>セールスのメンバー同士が活発に壁打ちをしあって動きがリファインされていく

↓ 常日頃からマーケとセールスでコミュニケーションがされていれば、こうなります

マーケ「最近やってるホワイトペーパーの施策って、調子どうです?」

セールス「うーんぶっちゃけアポ率全然よくないですね」

マーケ「いや〜やっぱそうですか、、割と潜在層向けにリーチ広げて、とりあえずハウスリスト拡張したいってのもあったんで、アポ取るの難しいだろうなと思ってたんですよ」

セールス「もうちょっと確度高いリードって取れないものですかね?」

マーケ「取る努力はしてるんですが、やっぱりなかなか積極的にうちの製品のこと調べて興味持ってくれる人ってまだまだ少なくて、、確度高いリードを増やすには、もうちょい時間かかるかなって感じです。それまでは確度低くても一旦リードとしての数を担保して、ハウスリストの中でナーチャリングしていくのがいいと思うんですよね。アポ獲得苦しいと思うんですけど、ちょっとトライしてみてほしいです。」

セールス「なるほど、、例えばこれ、直接アポにつなげるの難しいから、製品紹介のセミナーに流すとかってあり得ますかね?ナーチャリングって意味だと」

マーケ「あー確かに!セミナー間に挟むのいいかもしれませんね。ちょっと企画考えてみます」

(まあこれは理想的な会話ではありますがw)

とつらつらと会話を書いてみましたが、

  • 顕在層は数が少ないので数を担保する中で潜在層にアプローチするのは致し方ない

  • アポ獲得がハードなことはマーケ側も理解している。難しいことは重々承知の上でトライしてみてほしいと考えている

みたいなことが話されるだけでもお互いの印象はだいぶ変わると思います。結局はコミュニケーションです。

なんとなくセールスに距離や壁を感じていませんか?

なのにそれを上手く言語化せずに放置していませんか?

まあマネージャーが解決してくれるだろうと思っていませんか?

これを解決する最もフィジカルで最もプリミティブで最もフェティッシュな方法は、マーケはもっとセールスと飲みに行くべしだと思ってます笑

(お酒が苦手だったり夜の予定調整が難しければランチでもよいですね)

マーケ<>セールスの距離を縮め、常日頃からこまめにお互いの状況や課題、今ある施策の狙いについてコミュニケーション取れていると、対立構造はかなり取っ払えるんじゃないかという思いです。

※ ちなみにUbieのセールス<>マーケ連携は割と距離が近くいい感じにできている、と信じています笑

× 短期刈り取りに集中しすぎてはいけない

ただコミュニケーションだけですべてが癒やされるかというとさすがにそこまで簡単な話でないのも事実です。

マーケvsセールスの対立構造は大半がリードの量vs質の問題に起因すると書きましたが、リードの質自体はコミュニケーションによって直接的に良くなるわけではないからです。

「リードの質」というのは大きく2軸あります。

属性軸と意向軸です。

例えば採用管理システムのマーケをしていたとして、採用管理システムですから採用を管理している企業の人事担当がターゲットのはずです。

もう何年も人材採用はほぼ行っていない会社の人事担当の方がリードになったところで商談が前に進むわけがありません。これは属性軸がずれている、ということになります。

一方で人材採用に力を入れている急拡大中スタートアップの人事担当者は属性軸においてはどターゲットですが、その担当者は他にもいろんな領域を見ており、この採用管理という領域についてはそこまで課題を抱えていなかったとします。

出している求人はまだそんなに多くないとか、採用候補者をその時はそこまで獲得できてないとか、もっと手前に課題があるなどそういうケースです。

この人は属性的にはターゲットだけど、意向という意味ではまだまだ課題が顕在化しておらず、潜在層ということになります。この人がリードになった場合は、意向軸が期待を下回っている、ということになります。

つまりリードの質は以下のような4象限で定義されます。

意向×属性によるターゲットの4分割

このとき、右上の人たちをリードとしてアプローチできれば1番売上が最大化されます。こんなことは当たり前です。

セールスのマーケへの期待は、「右上の人との接点を最大量ください」です。今月の売上目標に必要なリード数が200なら、「右上の人を200人お願いします」というイメージです。

当然そんなに甘い話ではないので、そう上手くは行きません。右上の属性は、

  • 基本的には属性もどんぴしゃでニーズも顕在化しているというケースは少ないので数が少ない

  • 数が多いケースは、市場としてすでにかなりできあがっている状態なので、競合も多いケースがほとんどで競争が激しい

のいずれかだと思います。

そうなるとどうなるか

基本的にはリード獲得ターゲットが右下にうつっていくことになります。

左上の層は、導入意向は高いものの、属性的なターゲットではないため導入してもミスマッチが起こりチャーンリスクが高いなどが考えられます。

ただ左上の層にもいくつかのグラデーションがあり、企業としてのレイヤーでターゲットではない、というケースと、企業としてはターゲットだがリードとなる人のレイヤーでターゲットの職種、職位ではないというケースもあります。

後者の場合は紹介をしてもらうことで右上属性の方とつながることもできるので、左上の層については、どこまでを商談化対象とするかをマーケ<>セールスですりあわせる必要があります。

右下の層については、ニーズが顕在化していないため、商談が長期化します。商談化しないケースも多くなりますし、商談化しても今すぐは検討できる状態じゃないね、となってKIT対象になることかと思います。

商談〜受注に至るまでのセールスの負荷・工数が大きくなっているため、ここでコミュニケーションが密にできていないとマーケとセールスの関係性が歪みます。「オレたちに負担を強いているだけのくせに、自分たちは目標達成ってか!?」というやつです。

それが1つ前の項目、マーケとセールスのメンバー同士がコミュニケーションを頻繁にしておくべき、と考える理由です。

とはいえ、コミュニケーションされしっかり取れていれば、左上や右下の層のリード獲得に頼って営業負荷が高い状態を維持すればいいのかというと、

もちろんそういうわけではありません。

現時点では右下がボリュームゾーンなので、その時点でリード化してセールスに託す、という状態から、

マーケの力で右下にいる人達を右上に持っていく、というのが理想なはずです。

これは、「リード数」をKPIにして、とにかくリード獲得に重きをおいていたらできない動きです。なぜなら(質が低いことに目を瞑って)リードの量を獲得する動きと比較して、リードの質を最大化する動きは、時間がかかることが大半だからです。

しかしそこで今月来月のリード数目標に永遠に囚われ、短期刈り取り施策ばかりを実行していると永遠にマーケもセールスも辛いままです。

リード数という目標を追うと、とにかく短期的な量の刈り取りに意識が向きがちです。しかしこれは中長期で首を絞め続けることになります。

◯ 誰かは中長期のリターン最大化に向き合う

何度かトライして、この短期獲得最大化の動きと、中長期獲得最大化の動きは同じ人間が担保することが難しいという結論に僕は至りました。

半年、1年後の目標より、今月来月の目標達成に必要なアクションの方が何倍も吸引力が強いからです。

一定リソースを中長期リターンの最大化に確保して明確に役割をわけておいて、その状態で短期目標の達成を狙うという体制が最適解かなあと現時点では思っています。

右上を中心に、右下の層に対してとにかくまずはリードとして接点をつくり、セールスにパスすることを最大化する短期リターンの最大化チーム。

そして右下の人たちを右上に移行することで、マーケとセールスの効率を最適化し、中長期でのリターンを最大化するチーム。

時間軸が異なるリターンを同時に同じリソースで扱うことの難易度が非常に高いので、このような形がいいかなと思う次第です。

どうやって右下の人を右上に持っていくの?という話はここでは深くは言及しません(これもいつかはnoteのテーマにしたい)。

その1つの方法がナーチャリングだと思いますが、個人的には才流さんの「階段設計」という考え方がわかりやすいな、と思っています。


上記才流さんの記事より引用

× 妙に「テクニカル」にこだわってはいけない

まただいぶ話が変わって、具体施策選定の話になります。

僕だけだったら恥ずかしい話なんですがw、なんかマーケってカッコ良い企画でテクニカルなことをして勝ちたいみたいなゆがんだ矜持みたいなのありません?w

例えば、ナーチャリングとかはまさに顕著な領域だと思っていて、

ナーチャリングと聞くとすごくテクニカルなスコアリングをして、さまざまなセグメントに対して最適なコンテンツを緻密なストーリーで継続的にメールで送ることで顧客を育成していく、みたいなイメージを持っている人が多いのではないでしょうか。

当然それも1つのナーチャリングのあり方です。否定するわけではありません。

ただ、BtoBマーケにおいては、アプローチする面の広さより、一手の深さが必要なケースが多く存在します。ターゲット顧客数が少なく、契約単価が高い商材ほどそうですよね。

そういう領域ほど、テクニカルの有効性が薄れがちです。

引用した才流さんの階段設計でも、割と勉強会とか体験会とかそういうイベントとかがありますが、ナーチャリングは必ずしもデジタルにやる必要はないというわけです。

文字に起こすと別に当たり前だとは思うんですが、マーケたるものスマートにテクニカルに、みたいな謎の制約を自ら喜んで抱えている人もいる気がしたので落とし穴あるあるに入れておきました笑

※ 何度も念を押しておきますが、そういった方法論を否定はしません。その方法が有効じゃないケースが多分にある中で、その方法を取ってしまうケースも結構あるよね、という話です。

個人的な失敗談としては、バイネーム特定企業へのアプローチとして、真っ先にIPアドレスを活用した広告を試したことがありました。

なんかちょっとロマンがありますよね。すごいテクニカルなことをやっている感じがして。

結果はあまりはまらず期待していた成果は出なかったんですが、まあそれ自体は僕の活用レベルが低かったとか、クリエイティブが悪かったとか色々要因はあると思います。

ただ成果が出なかった時に思ったんですよね。この施策、かっこよさで選んでしまったな、と笑

直接何らかの方法で直接連絡して商談を依頼させていただいた方が早くない!?

ということをその時思いました。

◯ 時に愚直に力技で

愚直に力技をやればいいというわけではありませんが

愚直な力技が有効なシーンはたくさんあります。

エンタープライズマーケの施策としてどういうことをやっているか他社にヒアリングさせていただくと、大体「手紙」という方法がでてきます。

弊社もお送りしていますが、想像以上に読んでいただけますし、ご連絡いただけることもあります。

かっこよくやりたくなりますが、かっこよくやることが目的では決してないので、あらゆるHowを考えたいですね。(当たり前すぎて、「レベル低い話だなw」と思われたらすみませんw)

ちなみに「手紙」とかのアウトバウンドアプローチは、マーケの責務ではなく、セールスが持っているというチームもあると思います。

これは諸説あるとは思いますが、オーナーがどちらであれ、マーケも何らかの形でそういったアウトバウンドアプローチのPDCAに絡むべきかなというのが僕の考えです。

× プランニングに時間をかけすぎてはいけない

これは結構スタートアップあるあるなアンチパターンな気がします。

フェーズや体制にもよるので、すべてのケースにおいてプランニングに時間をかけることがNGではありませんが、

特に立ち上げ期、事業のアーリーフェーズにおいてはプランニングにかける時間はとにかくミニマムにすべきと思っています。

マーケターとしてはしっかり腰を据えて中長期のマーケティング戦略を描きたいところではありますが、

1ヶ月とかの期間をプランニングに要している時間はスタートアップにはないことがほとんどです。

そして不確実なことが多すぎて、しっかり戦略を練っても色々と変わります。

弊社のPOがslackで「0→1フェーズにおいてはプランニングの価値が低いからチームキックオフは相互の人となり理解とか率直に言い合える関係性作りに時間を割いてる」と言っていてなるほどと思った記憶があります。

不確実性が高いので計画してもすぐ変わる、であれば変化に柔軟なチームを作っておくことが優先度が高い、という意図らしいです。

(0→1に限らず、アーリーフェーズに近いときにはまだまだその要素が強いと思います。)

さっきの妙にテクニカルにやりたがると似た話ですが、マーケターたるもの「頭を動かしがち」だと思ってます。

さまざまなツールの管理画面を開き、さまざまな切り口、セグメントでデータを眺め、その背景に何があるのかを考察する。

それをテクニカルに切り開いていくためにはどういう企画が有効で、どのようなコミュニケーションをどういうクリエイティブでするとよさそうか考える。

悪いことではありません。ただ頭を動かす前に、マーケターだってもっと足で稼ぎ手を動かすべきです。

  • 片っ端からセールスとコミュニケーションを取って最近の課題を聞く

  • 商談に同席する

  • 同席時の傾向を見ながら顧客像についてセールスと議論する

  • すぐに更新・発信できるサイトやメール、ウェビナーなどを作ってとにかく数を当ててみる 

などなど。

◯ 軌道修正を前提にクイックウィンを作りながら進む

プランニングをしっかりやって、一発で大きく成功させることを狙うのではなく、クイックウィンを作る、という意識するのが重要だと思っています。

過去はクイックウィンを意識したマーケ組織についても記事を書きましたが、

想定されるクイックウィンの効用は以下です。

2周目の成功蓋然性が高まりリスクが低減する

上でリソース制約を取っ払ったPlanSを描くべきという話をしましたが、PlanSは不確実性が高いタイミングにおいては、いきなりそのPlanSに向けて大規模なプランニングとインベストをせずに、小さくちぎってクイックウィンを作りに行くべきです。

1周目から大掛かりなプランニングとインベストを行うと失敗したときのリスクが大きすぎます。

これを小さくクイックウィンを生んでおくことで、2周目としてPlanSを狙うことができ、成功の蓋然性が高まりリスクが減ります。

PlanSの実行は勝ち筋が見えてから、ということです。

個人・チームとしてのモメンタムが生まれる

あとやっぱり人間なので、ウィンがないまま何ヶ月も仕事をしていると不安になります。

個人としてもそうですし、チームとしても議論や分析に長い期間を費やしていると、果たしてそこからアウトカムを得ているのだろうか、、と不安になってくるため、クイックウィンを作ることで勢いが生まれると思います。

周囲からマーケの力を感じてもらいやすくなる

これも重要な話で、クイックウィンを作ると周囲から信頼されやすくなります。

そもそもチーム外の人たちはマーケがどういうことをしているのか大半のケースにおいてはよくわかっていないはずです。

マーケという言葉の持つ意味がだいぶ広いことにも起因すると思います。

目に見えるアウトカムがなかなか出てこないと、「あいつらは本当に仕事しているのか?」と思われかねない、というのはさすがに言い過ぎな気がしますがw、

どういうアウトカムを生んで、そのためにどういう動きをしているか、がわかりづらいと周りもマーケを頼りづらいというのがあると思います。

クイックウィンを生むことで、マーケが持つ力を実感してもらい、

  • こういう部分はマーケにまかせよう

  • 今後はマーケがこういうことをやってくれるから自分はこっちにフォーカスしよう

  • こういうマーケの動きはとても有効だから自分も適宜ヘルプしよう

といった良い連携が生まれます。

失敗も同様のスピードで蓄積するので軌道修正もクイックになる

クイックウィンを狙う、ということは、最短で行動を決めて、動き、結果を出すということなので、

それがもちろん100%成功すればいいんですが、大抵そうはいきません。

しかし思うような成功を得られないことはイコール失敗ではなく、「これでは上手くいかない」という情報を得られたという意味ではスモールウィンとも言えます。

学習に足る情報を獲得できていないまま時間が過ぎていくことのほうが失敗です。


というような感じで、プランニングはクイックウィンを生んでから。プランニングに足る勝ち筋を得てから。というのを意識すると良いと思っています。

(もちろんプランニングの粒度には寄るんですがw。クイックウィンにもプランニングが全く必要ないわけではないので)

まとめ

気概的にはもう10個くらい書きたかったんですが、すでに10,000字を超えるボリュームになってしまったので、ここらへんで今回はやめておこうと思いますw。

読み返してみると本当に粒度感がバラバラで、とりとめもない文章だなと思いつつ、

個人的にはこの10年を振り返って「あ〜これは反省だな〜もっと上手くできたな〜」と感じる印象的な出来事を並べたつもりなので、それなりにあるあるな感じになっているのでは、と思っています。

  • こういうあるあるもあるよね、とか

  • これってもっと具体的にどういうことですか? とか

  • これ私はこう対策しました とか

感想疑問等あれば雑にXでもDMでも何でも絡んでいただけると幸いです。

ちなみに、Ubieではマーケターを大募集しています!

製薬事業マーケティングリード

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この事業はグローバルメガファーマと呼ばれる大手製薬企業さまを対象とする事業で、そのマーケティング手法はいわゆるABMです。

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そして病院経営者様むけのカンファレンス、Ubie Hospital Summitもちょうど3日後に開催します。

https://intro.dr-ubie.com/seminar/hp20241009

こちらも第2回に向け圧倒的にパワーアップ予定です。

このほか、大型カンファレンス以外にも、もう少し小規模なコミュニティ的な施策などいろいろ実行していきたいと思っています。

その企画や運営を担っていただくポジションです。

toCマーケティング責任者候補

生活者向けサービス、症状検索エンジン「ユビー」のマーケティングを担っていただくポジションです。

特にこのサービスでできることをより一層市場に浸透することで、アプリ利用やユーザーのリテンションを高めていきたいと考えています。

事業広報

PRに力を入れてきているUbieですが、まだまだ伸びしろがあります。

各方面で事業が急速に立ち上がる中で、さまざまなメディアに効果的な企画を用意し、リレーションを作る戦略的PRを実行していきたいです。

採用枠めちゃくちゃ多い!w 少しでも興味ある人は連絡ください!

マーケ(PR含む)がまだまだ人材不足です!少しでも興味ある人はぜひ気軽にご連絡ください!

興味なくても、なんかこのnoteのこともっと聞いてみたいな、くらいでも構いません!

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