継続的な努力が裏目に出る!?ゲイン・ロス効果とは?🌈
「あの人、真面目だったのに……」
「あの人、こんな一面あったんだ」
このように、ギャップを感じた経験ありませんか?
これを、『ゲイン・ロス効果』と言います。
ゲイン・ロス効果とは、
「一貫して評価を受け続けるより、途中で評価が逆転する方が、人に与える影響が大きい」
という心理現象です。
つまり、プラスからマイナスへ、逆に、マイナスからプラスへ印象が変化した方が、相手に与える影響は大きいということです。
ゲイン・ロス効果は、アメリカの社会心理学者のエリオット・アロンソン氏とダーウィン・リンダー氏によって提唱されたもの。
彼らは、女子大学生を被験者として、好感度の実験を行いました。
その結果、最初から最後まで肯定的な印象を与えるよりも、最初に否定的な印象を与えた上で、肯定的な印象を与える方が、好感度が増すことが明らかになったんです。
マイナスの印象から入る方が、後に好感度が上がりやすいということです。
相手の印象が反転してしまうような急激な変化は、良い印象を与える効果は得られず、むしろ混乱を招いてしまう可能性があります。
徐々に変化を促していくことが重要です。
ゲイン・ロス効果が、最近よく見られるのがSNS。
常に自分の情報を他人に与え続けていると、相手は一貫して同じ印象を受け続けることになります。
すると、相手に反対の印象を与えた瞬間、今までの継続的な努力や行動が嘘だったのではないかと受け取られてしまうんです。
これは、ビジネスでも同じです。
最初にすべてをさらけ出すことは、後々インパクトが薄れ、マイナスな印象を生みやすくなります。
先ほどの実験では、見た目の印象が続かないことも分かっています。
最近ライブで歌唱姿を披露したAdoさんのような顔出しをせずに活動するアーティストが今流行っているのも、まさに、このゲイン・ロス効果が影響しているのではないかと言われています。
事前に得られている情報が多い最初から評価の高い人より、最初は情報がなく、評価が付けられない人の方が、そこから着実に評価を上げていくことができるため、最終的により良い評価が生まれやすいんです。
やはり、徐々に評価が高くなっていく状態の方が理想的なようです。
恋愛・夫婦仲・仕事・友人・知人、あらゆる場面において、ゲイン・ロス効果が知らず知らずのうちに反映され、人間関係が築かれています。
つまり、
何事においても、臆せず続けていれば、いずれ理解が深まり、認めてくれるということであり、
「最初から評価を得よう」より、「段々と評価が貰えたら嬉しい」くらいの気持ちで臨んだ方が、良い結果が得られるということです。
ただ、
「自分を見せようとしなくていいから、ただ楽しもう」
「これが出来たら、すべてのことが楽になる」
こう考えた方が良いと分かっていても、なかなか出来ないのが私たち。
ゲイン・ロス効果を踏まえた上で、私たちには、もう一段上の精神が求められているのかもしれません。
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