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バレエの冬の風物詩!ドイツの伝統工芸品くるみ割り人形の歴史と物語🌈
今やクリスマスギフトの定番となったドイツの『くるみ割り人形』。
くるみ割り人形は、木製の人形で、顎の部分でくるみを挟み、背中のレバーを押してくるみを割る仕組み。
古代より、くるみは、栄養価が高く、長期保存ができる、貴重なタンパク源でした。
そのため、殻の硬いくるみを割るために、多くの工夫が施されてきました。
日本でも、埼玉県熊谷市にある縄文時代中期の遺跡『西原遺跡』から、くるみの形をした凹石が出土しており、そのまま食べたり、くるみの木を栽培するために土に蒔いたり、砕いてバターを作ったりしていたことが分かっています。
16世紀頃にはすでに存在していたと言われている『くるみ割り人形』。
くるみをデザートとして食べる日が多かったドイツでは、ディナーのプレゼントとして、くるみ割り人形を贈る習慣がありました。
それが、ドイツ駐留のアメリカ兵によってアメリカに持ち帰られ、国外でも普及したのが、クリスマスプレゼントとして贈られるようになったきっかけ。
では、なぜ、くるみ割り人形は、王様や兵士のデザインのものが多いのでしょうか?
その理由は、「庶民の鬱憤ばらし」。
普段、頭の上がらない目上の人たちをくるみ割り人形』のモデルにすることで、皮肉や風刺の意味が込められていたと言われています。
ちなみに、現在売られているくるみ割り人形は、くるみを割らないタイプのものがほとんどです。
くるみ割り人形は、舞台劇の題材にもなっています。
チャイコフスキーが手掛けた最後のバレエ音楽『くるみ割り人形』。
この作品のテーマは、クリスマス・イヴにくるみ割り人形を贈られた少女が、人形と共に夢の世界を旅するという物語『少女クララの夢』。
クリスマスイヴの夜、クララの家でパーティーが開かれ、ドロッセルマイヤーがくるみ割り人形をクララにプレゼントしました。
その日の夜、クララが居間に行くと、急に体が小さくなり、目の前でねずみの大群とくるみ割り人形率いるおもちゃの兵隊による戦争が始まりました。
クララの助けもあり、くるみ割り人形が見事勝利。
彼らは、王の姿になったクララを、お菓子の国に連れて行きました。
クララはお菓子の国で様々な踊りを楽しみ、住民たちに感謝を告げ、そのまま眠りにつきました。
しかし、目が覚めると、クララがいるのはベッドの中。
すべてクララがクリスマスイブに見た夢だったのです。
内容がクリスマスにちなんだ物語であることから、毎年ホリデーシーズンに、世界中で盛んに上演されている人気のバレエ舞台です。
日本でも毎年、11月から1月にかけて、全国各地のバレエ団で『くるみ割り人形』の公演が行われています。
私も以前、東京の『新国立劇場バレエ団』の公演を観に行かせていただいたことがありますが、ステップの多い振付が特徴で、バレエ演目の中でも高難度の『パートナリング(パ・ド・ドゥ)』を見ることができます。
新国立劇場バレエ団の公演は、2017年から毎年行われており、今年も12月21日(土)に初日を迎えました。
東京・新国立劇場での公演は、来年2025年1月5日(日)まで。
1月12日(日)には、長野県のサントミューゼ(上田市交流文化芸術センター)大ホールで上演も予定されています。
クリスマス・年越し・正月の特別なイベントに、ぜひ、足を運んでみてください😊
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈
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