なぜ大人になったヒマワリは東向きのまま動かなくなるのか?🌈
黄色い花を咲かせる夏の風物詩『ヒマワリ』。
太陽が東から西へ動くのを追うように花がまわることから、 このように名付けられました。
しかし、実際に太陽の動きを追うのは、成長が盛んな若い時期。
最初は柔軟なヒマワリも、大きくなるにつれて茎が太くなり、徐々に太陽を追いかけるのが難しくなってきます。
そして、完全に開花すると、基本的に東を向いたままほとんど動かなくなってしまいます。
なぜ、東を向いたまま動かなくなるのでしょうか?
その原因については、長い間、謎に包まれていました。
・日の光を浴びるのが目的であれば、南向きの方が有利
・太陽は地球のまわりを回っているため、西向きでも日差しを浴びる時間はそれほど変わらない
しかし、2021年に発表された研究で、その原因が明らかになったんです。
アメリカのカリフォルニア大学をはじめとする研究グループは、
「東を向いているヒマワリを一度、西に向けて観察してみよう」
これによって違いが分かれば、それが東を向いている理由になると考えました。
まず最初に判明したのは、
「東向きのヒマワリの方が、朝、ミツバチを多く引きつける」
しかし、朝以外の時間帯は特に変わりありませんでした。
この結果から、
「朝の時間帯が鍵となる」
こう考えた研究グループは、その後、東向きのヒマワリが西向きのヒマワリに比べて、30分ほど早い時間帯に花粉を放つことを突き止めます。
その時間帯は、群がるミツバチの数がピークに達する時間帯と一致していたんです。
解析の結果、
「花粉が放出されるのは、太陽光によって花が温められたタイミング」
試しに西向きのヒマワリを人工的に温めてみると、東向きのヒマワリと同じように花粉を放出したそうです。
しかし、人工的に温めても寄ってくるミツバチが増えないことも明らかになりました。
その理由は未だはっきりはしていませんが、研究グループは、太陽の紫外線が関係しているのではないかと推測しています。
ミツバチは、紫外線を見ることができます。
そのため、太陽の光を浴びているヒマワリは、ミツバチの目には目立って見えていると考えられます。
これは、ヒマワリにとって非常に重要なことであり、これによって、東向きのヒマワリは重たく強い種を多く実らせることができます。
ヒマワリの遺伝子を解析したところ、東向きのヒマワリの方が、多くの子孫を残していたことも明らかになっています。
植物にとっても、子孫をどれだけ残せるかは重要な問題。
少しでも多くの花粉をミツバチに運んでもらい、授粉させるために、ヒマワリはこのように進化したのではないでしょうか。
ヒマワリを見かけたときは、ぜひ、どの方角を向いているかチェックしてみてください🌻✨
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