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お嬢様には仕えない!?執事は貴族を陰で支えるもてなしのスペシャリスト🌈

よく貴族を題材にした映画や小説に登場する『執事』。

小説などでは、「お嬢様に仕える男性」として描かれることの多い執事ですが、実際は、お嬢様ではなく屋敷の男性主人に仕える使用人。

仕事場も主人の部屋ではなく、食器の保管場所である『パントリー』やワインを貯蔵する『ワインセラー』です。

そんな執事の歴史は、中世ヨーロッパ(5~15世紀頃)まで遡ります。


日本では、サブカルチャー(アニメ・漫画・ゲームなど、大衆文化の中で独自の発展を遂げたもの)のイメージが強い『執事』。

しかし、中世ヨーロッパでは、酒類の提供や食器の配膳を担当する中間管理職。

当時、彼らは、『バトラー(Butler)』と呼ばれていました。

バトラーは、英語で『ボトラー(bottler)』。つまり、飲み物を管理する人たちのこと。

この呼び名から、中世のヨーロッパでは、執事の職務の中心が『ワインの管理』であったことが分かります。


貴族の家庭において、ワインは、特別な飲み物。

執事は、ワインの管理を通じて、『主人の名誉』と『歓待(心のこもったもてなし)の精神』を体現する存在でもありました。

宴会や晩餐会で提供されるワインも、執事がすべて担います。

執事は、ゲストの好みや社会的地位に合わせて、適切なワインを選ぶ必要がありました。

そのため、その日の料理に合ったワインを選ぶための専門知識が不可欠でした。

・ワインの産地
・ブドウの品種
・ワインの醸造方法

ワインについての深い知識を多く持っていました。

また、ワインの味わいを評価し、品質を見極める技術を磨くことも重要な役目。

ワインリストの作成し、
様々な種類のワインを取り揃え、
それらを適切に管理する。

さらには、ワインの仕入れや在庫管理もすべて行っていました。

良質なワインの提供は、主人の社会的地位を維持・向上させるためには欠かせないものだったんです。


そして、ヴィクトリア朝時代(1837年~1901年)になると、執事の役割は、大きく変化します。

ワインだけでなく、

・宴会の企画
・メニューの決定
・テーブルセッティング
・料理の配膳

これらを全てこなさなくてはならなくなるんです。

さらに、家族やゲストに対して、テーブルマナーを指導する役割も担っていました。

「メイドや料理人などを管理・教育する」

これも、執事の役目。

執事は、

「スタッフの仕事ぶりを観察し、必要に応じて指導・訓練をする」

こうした役割を担っていたため、上流階級に仕える家事使用人の中でも最上級の職種の一つでした。


文学・芸術・音楽までも教養の一つとして捉え、もてなしのスペシャリストとして活躍した『執事』。

現在は、「家事全般の管理」や「社交イベントの運営」など、その職務は多岐に渡ります。

中世ヨーロッパの執事の伝統は、後世にも受け継がれ、現在の執事という職業の基盤となっているんです😌

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