インド人も牛肉を食べる!?禁止されている牛肉の輸出量が世界一の理由🌈
「牛は、インド人にとって神聖な生き物」
宗教上の観点から、インド人は牛肉を食べないと思われがちですが、実は、インドの牛の飼育数はブラジルに次いで、世界第2位。
約1億8900万頭の牛が飼育されています。
牛乳の生産量もアメリカに次いで、世界第2位。
そして、バターの生産量は、なんと世界第1位。
インドでは、水牛からも搾乳しますが、水牛の飼育数は1億940万頭で、こちらも世界で最も多い生産量を誇ります。
「インド人は、牛肉を食べない」
これは、インド人の中でも、牛肉を食べるのを禁止されている『ヒンドゥー教徒』の人々を指します。
ヒンドゥー教では、牛は聖なる動物であるとして、食べること自体を禁忌としています。もちろん、屠殺も御法度です。
「インド人は、千差万別」
インドの中で、ヒンドゥー教徒は約8割を占めます。
ちなみに、ヒンドゥー教80.5%、イスラム教13.4%、キリスト教2.3%、シーク教1.9%、仏教0.8%、ジャイナ教0.4%です。
ここで注目すべきは、約1割を占める『イスラム教徒』。
国民の13.4%ということは、インドに約1億7567万人のイスラム教徒が存在することになります。
これは、日本の人口よりも多い計算です。
イスラム教徒は、「豚肉を食べてはいけない」という禁忌はありますが、牛肉は禁じられていません。
キリスト教徒も牛肉は食べられるため、インドには約2億人、牛肉を食べられる人がいるということです。
イスラム教徒は、牛肉を『バラーゴーシュト』と呼んでいます。『ニハリ(牛肉を煮込んだ料理)』や『パエ(牛の足を骨ごと煮込んだ料理)』が、彼らの代表的な牛料理です。
これは、イスラム国家のムガル帝国時代に生まれたものです。
牛肉の生産にも、イスラム教徒は携わっています。
インドは、『緑の革命』と呼ばれる多収量品種の開発によって、米の生産量を増大させ、2013年にはそれまで世界一だったタイを抜き、世界一の米の輸出国となりました。
しかし、米の生産には、多額の資金が必要なため、多くの農民は、多額の資金を必要としない牛の飼育を始めました。
その後、インド国内で集荷システムが確立されたことで、牛乳の生産量が飛躍的に増加し、インド人の栄養不足が改善したと言われています。
これを、インドでは『白い革命』と呼んでいます。
インドで生産された牛肉は、国内でも消費されていますが、多くが輸出に回っています。
特に近年、その輸出量は急増していて、水牛も含めると、世界最大の牛肉の輸出国となっています。
インド人が牛肉を食べないというイメージは、私たちの一方的なものだったみたいです😌
最後まで読んでいただきありがとうございました🌈