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手のひらの歌・13
「野道を行くと、福寿草が黄金色の花を咲かせていた。永久の幸福、幸せを招く、祝福、などの花言葉をもつこの花は、太陽の光を花びらにあつめて、そのぬくもりで昆虫を誘惑する。太陽があたると、花がひらき、陰ると閉じる。万物を照らすお天道様は、福の神である」
「フクジュソウ (福寿草)」
キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草である。別名で、ガンジツソウ(元日草)という。北国では、マンサクと呼ぶこともある。
短い根茎には、黒褐色の堅い太い根が多数ある。寒さに強く,北国では雪どけと同時に,地下の根茎から茎を出して,伸びないままで花を咲かせる。
花径は3cmほどで,花弁は多数あって,黄金色で輝いている。春一番に咲く花として喜ばれ,福寿草の名ができた。
暖かさとともに茎を伸ばして,3回羽状に切れこんだ葉を広げて,頂花に続いて腋枝(えきし)の花も咲かせて,結実期には高さ30cmばかりとなる。
北海道では、茎は高さ1mに及ぶことがあるという。
花後には、金平糖状の果実をつけて,6月ころには葉が枯れて休眠する。北海道,本州,九州の山地に分布して,沿海州や中国東北地方にも分布する。
日本では北日本に多く,東または北斜面の乾燥のひどくない落葉樹林を好む。
旧暦の正月に開花するので,鉢植えにして正月の床飾りとした習慣が,新暦に変わったのちも残り,年末には鉢植えがたくさん売られる。
根を切ったり,無理に開花を早めたものは,結局うまく咲かない。庭の半日陰の場所でよく育つ。朱紅色や淡黄色のもの,花弁の先が細く切れるなどの花変りが,園芸品種として江戸時代から伝えられており,現在も60品種ほどを愛好者が育てている。
全草が、強心や利尿などの、薬用にされる。強心配糖体のアドニトキシンをはじめに,各種成分を含有していることが知られている。
「お天道様」
「天知る、地知る、子知る、我れ知る、何ぞ知ることなしと謂うや」
これは後漢書や、十八史略の中に出てくる言葉で、
「誰も見ていないと思ってもそんなことはない。天が知ってるし、地も知っている。お前も知っているし、私も知っている。どうして知るものがないなどと言えるのか」
という意味である。
一人でいて誰も見張られてないからといって、何をしてもいいわけではない。人は見ていなくても、天は必ず見ているのだ。まさに「天知る、地知る」の世界である。「君子は必ずその人を慎む」と言うように、自らを律するという意識を持たなければいけない。
ついつい魔が差してしまい、誤ったことをしてしまう。そんな時に、
「このくらいはいいじゃないか」、「誰も見ていないじゃないか」という具合に、もう一人の自分が誤った行動を正当化しようとささやいてくる。
また、正しいことをやっている時にも、もう一人の自分がささやいてくる。
「無理すんなよ」、「何の得があるんだ」、というい具合に、闇の道に引きづりこもうとする。
人間は誰かが見ていなければ、自己を正しくコントロールできな弱い所がある。だから、自分がやっている行動を知っているのは、自分だけではない。
「天が見ているんだ」と思い、自分を律していくことが大事である。
お天道様は太陽だから、太陽そのものが神様である。日本では、森羅万象の、どんなものにも神様が宿るという。
人間の力の及ばない偉大な力に対して、畏敬の念を持っていた。だから、「陰日向なく」という言葉がある。