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『スモールワールズ』(著:一穂ミチ)〜短編集|ハッピーエンドならホッコリ、そうじゃなくても余韻に浸れる1粒で何度もおいしい作品〜
Audibleでの耳読。
2022年の本屋大賞ノミネート作で600を超えるレビューで4.3という評価の高さが耳読のきっかけ。
さすがにこの実績どおりおもしろかった。
本書は6つの短編が収められています。
ネオンテトラ
魔王の帰還
ピクニック
花うた
愛を適量
式日
どの話も人間の心のひだに染み入ってくる。
ハッピーエンドならほっこりするし、そうじゃなくても余韻が続く。
読後も長い間ジワ〜と楽しめる作品です。
なかでも4話目の「花うた」は、傷害致死事件の加害者と被害者の妹が文通して心を通わせていく物語。
ストーリーのほとんどが双方の手紙で構成されるというおもしろい試みで、チャレンジングです。
子をもつ親としては、3話目の赤ちゃんの突然死の話や、5話目の娘の性転換の話は、自分の身に置き換えながら印象深く読みました。
1粒で何度もおいしい作品なのでぜひ一読してみて。
なお、著者の一穂ミチさんの『光のとこにいて』は2023年の本屋大賞にもノミネートされていますのでかなりの実力ですね。