一緒に遊ぼう
改まって買ってきたおもちゃより、今までだったら迷わず捨てていたものの方が気に入られることがある。
主観によるうがった見方の可能性は否定しない。だってわざわざ買ったんだもの。それに見合った喜び方をして、相応に時間をかけて遊んでもらいたい。要はかけた時間を返せ。うーむこれは自己愛。
面白いのは、アイスホッケーの選手ばりにゴ○キャップをパンチしながら走り回る君に「それだと身体に良くなさそうだからこっちにして」と与えたペットボトルのキャップが(名前じゃなくて大きさが似てたの!)予想外のヒットだったこと。丁度くわえられるかくわえられないかのサイズで、必死で追い回してる。追い回してドアに衝突を繰り返してる。大丈夫か……?
あとトイレットペーパーの芯に、そのままだと面白くないだろうからとマッキーで水玉模様を描いて与えたら、最初めっちゃ威嚇してたこと。翌日にはペットボトルのキャップ張りに追い回す他、前足を巻きつけてケリケリしてた。そんで勢い余ってやっぱりドアに衝突を繰り返してる。大丈夫か……?
その時ふと思い出すことがあった。小学生の頃、片道25分の徒歩通学は、ただ歩くだけじゃ退屈で、ある日ゲームをしながら帰ろうと思いついた。
マンホールはフリスビー型の攻撃アイテム。アスファルトの地面に埋まった、赤いボタンは爆弾。青は回復。緑は10ポイント。今考えれば意味のわからない設定も、友人と共に楽しんで踏んで帰った。
思えば勝ち負けなんてなかった。赤を見つければ「気をつけて」と声をかけ合い、緑を見つければ教え合った。何を思ったか、一つ、自分だけ青を見つけておきながら言わないことがあった。その後ろめたさを今でも思い出す。集計も何もなかったとしても。
生み出すこと。既存のものを楽しむのではなく、自ら生み出す楽しみ。
普段、当たり前に捨てていたもの。その余白に息を呑んだのは、スタートが「ゴミ」という「期待コストゼロベース」のせいもあるが、シンプルなもの程遊びようがあり、そこに向かう想像力がまだ自分にも残っていたと気づけたことに対する感動のせいでもあるのかもしれない。
……また君は頭ぶつけてる。いい加減バカになっちゃうよ。
楽しいの? それ。私にも遊ばせて。
ねぇ、おかゆ。
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