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憧れのソウ失派生、「お元気で」【テニス】



 ソウさんに会いたい気持ちと同じくらいの大きさの会いたくない気持ちがある。重さも質量もぴったり同じ。ウソだ。後者が少しだけ大きいからこそ、今の今まで「会わない」事実がある訳で。
 
 超えるなんて烏滸がましいことを言うつもりはない。けれど「バックハンドは打たない」と言っていたソウさん、私はバックハンドの練習をずっとしてきて。ずっと同じ所にいたソウさん、私はマジで死にかける経験を何度かしてきて。いつも30分遅れて現れたソウさん、私も毎度5分くらい遅刻していて。例えば一回につき25分、一週間につき1000球、一年につき10000回のリトライ分の差があったとしたら。
 キレイで、お手本で、モデルさんみたいだったソウさん。ソウさんがいなければ、あの日出会わなければ、そもそも生まれようのなかった「差」。それほどまでに力ある男性の中で臆さず自分のスタイルを貫く姿勢は魅力的だった。
 
 超えるなんて烏滸がましいことを言うつもりはない。けれど恥じる謂れもない。私は私が正しいと思う道を歩いている、その自覚はあって。今では当時ソウさんが自分を「おばさん」と称していた年齢も超えた訳だけれど、それと引き換えに得たものもちゃんとあって。仮に10年前に戻れるとしても望まない。「またあそこから?」なんてゲンナリだ。それだけ積んできた。その量は事実。だから。
 
 大好きなソウさん、お元気で。
 
 
 
 




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