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テニスな日々【3rd season】

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【2023.11〜】主に競技へのリスペクト、男女間問題。野郎にまじってテニスをする大人女子(笑)の思いを綴るエッセイ。
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#ラリー

歌いたかった【テニス】

歌いたかった【テニス】

 打ちっぱの機械から吐き出されるボールを、体育座りしながらぼんやり眺めていた。
 始まりは「何故これが打てないのか」。広い面に飛んでくるボールを合わせる。ただそれだけのこと、できないことの方が不思議でならなかった。
 当てる。打点がクソ低い。当てる。前へ押し出す。当てる。自分で何とかしようとし過ぎない。当てる。
 
 相槌を打つ。
 
 以前にも1ヶ月ほどテニスを離れたことがあった。ただ、同じこと

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全ては夢の中【テニス】

全ては夢の中【テニス】

 通常真ん中に線を引く。真ん中とはどこか。それを決めるのは第三者。外から見て力量差を測る。
 例えば一視点にとっての「楽しい」が夢中になれるだけの出力を要するものだとして、けれどもこの時外から見た真ん中はおそらくは手前側に寄っている。スプラトゥーンの勝敗を決める時のグラフを想像してもらえればいい。

 
 基本どちらかが出力する時どちらかが受ける。そうして安定して返球できる前提で、基本受ける側が主

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冷たい手(裏)【テニス】

冷たい手(裏)【テニス】

 松竹梅の話をした。ただの区分に過ぎないと。
 けれど明確に違うのは包括か限定か。できる人はどこへでも行ける。己が一存。一方できない人は望んでも行けない。理想では。

 できる人、少数にとっての不利益。それは商売のにおいが強くなる。惚れた弱みに漬け込んで結構なストレスを強いられていると感じるのは、何もなんちゃって中級の私だけじゃないはずだ。だからこそ純製は煌めきを増す。こちら側の飢えがそっくりその

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