見捨てられ不安が執着と支配を生む
親子関係の執着を手放してみて、唐突に気付いた事のメモ。
親子に関する問題に向き合う上で大きなヒントになると思うのでメモしておく。プロとして人の心に関わる人、当事者研究として自分の心と向き合う人、それぞれのなにかのヒントになれば幸い。
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親子関係は、繰り返すものなのだということに気付いた。
親が過干渉や過保護などで子供の欲求を侵害するとき、親の見捨てられ不安がそこにあるのだ。
人はしばしば、人間関係の中で親子関係の問題を解決しようと他人に親を投影するが、それは親も然りで、親自身の未解決の欲求が子供に投影される。
幼少期に抑圧を受け未解決の欲求を抱える人が、自分を愛して、絶対視してくれる、コントロール可能(と思えてしまう)な存在を手に入れたら。今度こそ、自分の欲求を満たしてもらおうと相手を支配しようとする。
パートナーとの関係で解消されない欲求を子供に投影する事などよくある話で。そしてさらに、子供との関係は濃密になるために、その欲求が色濃く反映され、しばしば不健全な支配・執着の関係に陥る。
これが親子関係の病理の根源である。
この連鎖を断ち切るためには、「お互いが別の人間である」という前提が必要。
その前提がないからこそ(あるいはその前提に気付くために)、「子供が自立しようとする時」に、問題が表面化するのだ。
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さて、ここで余談として占星術の話。
「家族」は蟹座の管轄。そして蟹座の支配星は月。
月が象徴するのは、「母親、妻」そして「子供、幼児」。そして月は、7ハウス(パートナーシップ)を司る。
母親、妻、子供、幼児、人との関わり。これらすべてが、「月」という一つの天体に当てはめられている。
そして蟹座の性質は、「共感と安心を強く求め、しかし侵害されれば攻撃もする」というもの。
月が示すテーマから、親子、特に母子関係が人間関係の根源である事がここでも示唆される。
そして月という天体は、生存欲求を司る。生存欲求とは、我々が地上に存在する上でなくてはならないもの。「この世で生きていける」とまずは実感できなければ、自己実現や人生の充実(太陽)などありえないのだ。
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これらを踏まえると、一人一人が己の欲求(無意識下の生存欲求)を自覚し、自分で満たしていく(満たしていけると識る・信じる)事が如何に大切かがわかる。
他者を断ち切り、一人で生きていけと言いたい訳ではない。むしろ逆である。
自分の中にある「本当はこうしてほしかった」という未解決の感情に気付き、「こうしたい」という素直な気持ちを、そのまま出せるようになればいい。出せないのであれば、それを阻んでいるものに気づき、向き合い、手放す必要があるというだけのこと。支配・執着も、それに気付くための過程である。