見出し画像

【感想】NHK 歴史探偵「3代将軍 源実朝」を視聴しました

2022年10月12日(水)22:00~22:44、NHK 歴史探偵「3代将軍 源実朝」を視聴しました。

<始まる前に>

本日は、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の番宣ですね。
残り最終回までの中心人物の一人です。
まあ、その前には・・・・。

<NHKのあらすじ>
鎌倉殿の13人で源実朝を演じる柿澤勇人さんがスタジオに緊急参戦!
幻の巨大船建造プロジェクトや鎌倉を震撼させた実朝暗殺事件。
真犯人は誰なのか!?黒幕説を徹底検証。

■スタジオで
実朝さんご登場!柿澤勇人さんです。
佐藤所長「親しい飲み仲間」
家系図がこちらです、お父さんが源頼朝、お母さんが北条政子、お兄さんが頼家です。
柿澤さん「心はすごくピュアで一生懸命で真っ直ぐな人かなと思います」

■若き鎌倉殿の挑戦

藤沢市の船玉神社へ
『吾妻鏡』に「宋に渡るために実朝が船を造らせた」
陳和卿という宋の人物が訪ねます。
「実朝様、あなたの前世は宋の医王山の長老でした」
通説では、現実から逃げるため陳和卿の中国への渡航計画を考えたと言われます。
この通説に対し疑問の声が上がっています。
どんな船を作ったのか?
長門の造船歴史館へ
・柳井敏弘さん(船の歴史に詳しい)
遣唐使船(復元)が展示してあります。
『吉備大臣入唐絵巻』
全長25m、高さ5mの巨大木造船です。
実朝は遣唐使船と同じような中国型船を作ったのではないかと推測します。
乗員人数から推測すると、吾妻鏡には約200人とあり、実朝の船はさらに大きかった可能性があります。
現実逃避ならこんなに大きな船を作る必要はないはず。
・坂井孝一さん
鎌倉の海岸、和賀江島へ
人工的に造った港の跡です。
鎌倉時代中頃、和賀江島誕生のきっかけは実朝の造船計画だったのではと坂井さんは考えます。
宋との交易ルートを開き、経済活性化を狙っていたと考えられます。

■スタジオで
佐藤所長「あんな大きな計画を作るのは実行力がないとできないですね」
船の推定イメージを見ると、ずんぐりとしていて貨物室を広くとったからではと言われています。
河合先生「陶磁器、書籍、お金など、平清盛が貨幣経済をやりましたが鎌倉には来ていませんでした」
柿澤さん「実朝には人望があったのでは?」

■造船プロジェクトに試練が

由比ヶ浜の海岸です
しかし、この地形に大きな問題がありました。
遠浅の海は船の進水には適さないのです。
なぜ実朝は鎌倉の海を選んだのでしょうか?
坂井さん
「人を動かすことができて、御家人たちを動員しなければならない」
由比ヶ浜の海底は1m足らずしかありません。
『吾妻鏡』には、実朝の仕掛けが記されています。
「船を由比の浦に浮かべようとした」
「浦」という地名にヒントが隠されているといいます。
全然波がなく静かな場所を「浦」といいます。
海岸線から深く内陸に入り込んでいるのが由比の浦です。
外海よりも50cm高かったといいます。
実現に向けてさらなる工夫をしていました。
海上保安庁へ
潮の満干に関する情報を集めています。
建保五年(1217年)4月17日というと大潮の時期にあたります。
それだけ海が深くなります。
通常時より、150cm高くなっていることがわかりました。
合計すると3mになります。
船の喫水を確保して進水式を行なった可能性があります。
『吾妻鏡』に結果が記されています。
「浜で朽ち果てた」
失敗に終わった計画の原因は、地形にありました。
かなり沖までいかないと満潮時3mをキープするのは無理です。

■スタジオで
柿澤さん「無念ですね」
河合先生「陳和卿、彼ならできるんじゃないかと考えました」
柿澤さん「なぜ陳和卿に任せたんですか?」
河合先生「実朝は夢を信じていた、ピュアな人だった」
柿澤さん「夢に三谷サンが出てきて、だめ出しされました」

実は、あることでも才能をもっていたのです。
それは和歌です。
❝世の中は常にもがもななぎさこぐ海士の小舟の綱手かなしも❝
(意味)世の中がいつまでもかわらないでいてほしい
なぎさで漁師が仕事をするごくありふれた光景を見て
こうした状況がずっと続けばと切なくなっている。
佐藤所長「大衆を思う繊細さを感じます」
大事なのは和歌が政治に利用されます。
河合先生「後鳥羽上皇に歌を贈ったり、上皇のお子さんを一人いただく約束とりつけました」

■暗殺事件の真相

犯人の黒幕候補は北条義時と三浦義村です。
鶴岡八幡宮へ
・(リーゼント刑事)秋山博康さんと坂井孝一さん
そもそも、実朝暗殺とはどんな事件だった?
建保七年(1219年)1月27日夜、鶴岡八幡宮を参拝した実朝、事件は帰り道で起きました。
鶴岡八幡宮別当・公暁に暗殺されます。
頼家の息子で、実朝の甥です。
父頼家の暗殺には実朝が関わっていたと思い込みます。
そして公暁も討ち取られます。
・容疑者➀ 北条義時
リーゼント刑事に警護を実演してもらいます。
要人を自分の命を盾にして安全を確保するのが警護の鉄則です。
しかし、『吾妻鏡』には義時が不可解な行動をとっていたことが記されていました。
「心身が乱れ館に帰った」
白い犬の幻影をみたと書いてあり、だからその場を去ったと言われています。
ここで秋山さんが、「全然だめです」途中で放棄するなんてありえないといいます。
『愚管抄』を書いた慈円が直に話を聞いていて信憑性がある、『吾妻鏡』より信頼性が高いと言われています。
『愚管抄』には、義時が中門にとどまれと記されています。
義時の黒幕説はほぼゼロといっていい。
・容疑者➁三浦義村
義村は、公暁の乳母夫です。
実朝と義時同時に討ち取ることができれば幕府を牛耳ることができると考えた。
・岩田慎平さん
重要人物である北条政子との関係をどうするつもりだったのかが一切説明されていません。
義村が当然追討対象になるので、義村黒幕説は成り立たないと考えます。

■公暁の単独説を検証

まずは動機です。
公暁の行動を見ればわかるといいます。
大石段を駆け上がり、「父の敵を討ち取ったぞ!」と叫びました。
劇場型犯罪なんです
マスコミや周りの人が観客になり、人々の注目を集めることを目的とした犯罪のこと。
切り裂きジャック事件、グリコ森永事件などが有名です。
なぜ公暁は劇場型犯罪に走ったのか?
そこには、源氏一族の複雑な血縁関係が関わっていました。
実朝には子がなく、公暁は当然、自分が将軍になるものだと信じていました。
暗殺の前年、後鳥羽上皇の皇子に将軍になることを決めます。
公暁にとっては自分が将軍になる芽がなくなってしまいます。
追い詰められた公卿の❝最後の一撃❝だったのです。

■スタジオで
河合先生「ずっと部屋に閉じこもり呪詛の対象は実朝ではなかったのかと恨んでいました」
「討伐したのが実朝だと、焚き付けた人がいたのかもしれません」
「愚管抄には70~80人の人が出家しています」
実朝が暗殺されたのは、28歳で若かったのです。
その後、朝廷と鎌倉幕府が対立していきます。
河合先生「実朝が生きていれば承久の乱はなかったのかもしれません」
柿澤さん「争いが嫌い、頭のいい将軍であり、良い人だったと思います」
佐藤所長「俺の夢には三谷さん一切出て来ない。。。」

ーーーおわりーーー

次回は「国宝と東博150年」10月19日(水)放送です。

■感想

番組で、実朝暗殺は公卿単独犯説を採りました。
たしかに、義村も義時も黒幕にするには無理がありますよね。
『吾妻鏡』は、義時が急に体調不良となり、源仲章と交代して仲章が実朝と一緒に暗殺されたとしています。
『愚管抄』は、源仲章が義時と勘違いされて殺されたとしています。
ケネディ暗殺事件のような陰謀があっても真実はほぼ出てきませんから、想像で物言うしかありません。
源仲章を公卿が義時と思って殺害したなら、義時黒幕説は無理があるかも。
これ以外には、御家人共謀説なんてのもあります。
大河ドラマでどう描くのか、興味が湧いてきました。

いいなと思ったら応援しよう!