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【感想】NHK 歴史探偵「日本人とごはん 2000年の秘密」を視聴しました

2024年10月23日(水)22:00~22:45 歴史探偵「日本人とごはん 2000年の秘密」を視聴しました。

<NHKのあらすじ>
日本人とごはん、熱くておいしい2000年の歴史を調査する。
朝ドラ「おむすび」で主演を演じる橋本環奈さんが登場。
なぜごはんはこんなにもおいしくなったのかが明らかに


■プロローグ

●スタジオで
佐藤所長「日本人といえばごはんです」
問題です。
問題① 日本で盛んにごはんを食べるようになったのはいつ?
佐藤所長「弥生時代です」
問題② ごはんをどのように炊いていた?
佐藤所長「考えたこともなかった」
ごはんの炊き方は究極のミステリーでした。
究極の謎に迫る重要な手がかりとは?

■究極の謎に迫る重要な手がかり

2400年ほど前の弥生時代、当時の遺跡から発見された銅鐸の表面を見ると、杵と臼で脱穀している様子。
高床式倉庫で穀物の貯蔵に使われました。
しかし、一切絵に描かれていない重要な場面が、米の調理の様子です。
重要なヒントが見つかりました。
岡山県古代吉備文化財センター
・小林正史さん(金沢大学)

●スタジオで
弥生時代の炊飯器「土器」です。
土器の表面を動画で見せますのでじっくり見てください。
正解は白い線が斜めに入っている部分です。
白いところが上から下に向かって斜めに入っています。
手がかり① 斜めの白い線
土器の中、底は黒い焦げ、途中白く、また黒い焦げが出てきます。
手がかり② 上部についたコゲ

■弥生時代の炊飯法を再現

・橋口豊さん(横浜市歴史博物館)
復元した土器に米と水を入れ炊いていきます。
待つこと30分、吹きこぼれが始まりました。
土器を傾ける?
土器を傾けると、謎の線が現れました。
謎の斜めの線は、弥生人が残した吹きこぼれの跡だったのです。
内側のコゲはどうやってついたのでしょうか。
火の上に土器を寝かせると中まで焦げがついたものと考えられます。
さらに土器を転がし、すべての面にまんべんなく火が当たるようにします。
弥生時代の炊飯法、なぜここまで手間を掛けなければならなかったのでしょうか。
斜めに傾けたのは、水分量を調節した跡でした。
転がした理由は、炊きムラをなくすために上の方だけ熱を当てる必要があったのです。
寸胴から後期は丸みを帯びたものに代わり、熱対流が良くなりました。
台付龜も登場、広い範囲に炎があたり、米全体に熱を加えることが出来ました。
2000年前の弥生めしがスタジオに登場します。

●スタジオで
弥生時代の炊飯法で炊いたごはんです。
赤米、小林さんの特別のつてで弥生時代に近い米が手に入りそれに基づき復元しました。
温帯ジャポニカは弥生時代の主流ではありませんでした。
当時は熱帯ジャポニカが主流でした。
佐藤所長「おいしいし、さっぱりした印象です」
熱帯ジャポニカに最も適した炊き方で、東南アジアでは弥生時代とほぼ同じ方法で炊いているのです。
ところが、古墳時代になると、美味しいご飯を食べれなくなりました。

■古墳時代の炊飯方法

●岩瀬千塚古墳群(和歌山県)
かまどは古墳時代中頃に大陸から伝わりました。
底に穴が空いていて、甑(こしき)蒸すための道具です。
湯釜の上に布で巻いた米を重ね、蒸気で蒸し上げます。
蒸しへの変化が日本の食文化史上最大の謎だといわれます。
デメリットは調理に時間がかかり、大量の薪を消費し、弥生時代の2倍が必要でした。
なぜ蒸す方法に変えたのはどうしてでしょうか?

●なぜ蒸す方法に変化した
・宇田津徹郎さん(宮崎大学)
危機に直面した可能性
「気候的に寒くなり、温かい方が得意で、米作りには不利な状況になります」
古墳時代の中頃は最も厳しい寒冷化に見舞われ5度くらい低かったのです。
どうしたらもっと稲が育つのか?
古墳時代の人々はどうやって危機を乗り越えたのでしょうか?
「水田で力を発揮してくれる米を選んだはずで、米のメンバー構成も変わっていきます」
熱帯ジャポニカに加え、別の米を栽培するようになったと考えました。
プラントオパールを分析することで稲の種類を特定することができます。
宮崎の遺跡でプラントオパールの調査を行った結果は仮説を裏付けるものでした。
分析結果は弥生時代、熱帯ジャポニカがほとんどでした
古墳時代になると別の稲、温帯ジャポニカが現れます。
温帯ジャポニカの登場が寒冷化克服に有効だと考えられています。
栽培環境の調整が難しい反面、多くの収穫が見込めました。
熱帯ジャポニカと温帯ジャポニカを使い分けることで、危機を乗り越えようとしました。
ところが大きな問題が発生します。
それがごはんの調理です。
温帯ジャポニカが混じると、芯が残ったり、型崩れがおきムラが多くなります。
新たな調理法「蒸す」
古墳時代の炊飯革命でした。

●スタジオで
古墳時代のごはん登場です。
いろいろなお米をブレンドしています。
佐藤所長「ムラなくふっくらしています」
蒸したお米は日本史上の大発明といっても過言ではなく、戦国時代は蒸したこめが重宝されます。
河合先生、足軽の格好で登場。
「足軽が持ち歩いているのが干し飯です。保存性に優れ、水やお湯で簡単に戻せます」
干し飯を作るのに蒸したごはんが最適でした。
水分量が30~50%少ないのでカビが生えにくいです。
いよいよ平和な江戸時代、ふたたびごはんに革命が起こります。

■江戸時代のごはん

食にこだわったのが江戸っ子、握り寿司。
もう一つの大好物がおにぎり。
常識を覆す大革命があったのです。

●常識を覆す大革命
都筑民家園
立派なかまど、炊飯革命の答えがこのごはん用のかまどに隠されています。
橋本環奈さんにも聞いてみます。
「釜だと思います」
答えは、蓋です。
「はじめチョロチョロ中パッパ、ブツブツ言う頃火を引いて赤子泣くとも蓋取るな」

●蓋のヒミツとは?
手がかりが絵図に残されていました。
14世紀、16世紀、18世紀の羽釜です。
14世紀の羽釜には持ち手が一つしかなく、18世紀には大きな飾りが付けられていて、蓋が重くなっていきます。

●重い蓋とおいしいごはんとの関係
高崎健康福祉大学
・綾部園子さん
でんぷんなどの糖類がおいしさの源です。
吹きこぼれるとおいしいごはんが台無し、欠かせないのが蓋です。
しかも、大きい変化が起こりました。
デンプンの層が粘り気があってご飯が保存中、膨らした状態を保ってくれます。
冷めてもおいしいごはんここから日本の食文化は進化を遂げます。
歌舞伎でも、幕間に食べる冷めても美味しい幕の内弁当。
日本人の象徴となったごはん文化、重い蓋の登場という第2の炊飯革命があったのです。

●スタジオで
河合先生「弁当ブームの背景は平和の時代が長く続きますが、それだけでなくごはんの炊き方も重要でした」

ーーーおわりーーー

次回は「家康 幻の江戸城」10月30日(水)22時放送です。

■感想

稲作の起源を探るのかと期待していましたが、違いました。
文化人類学のようなストーリーの美味しいごはんの歴史ということでした。
その中で面白かったのが、気候変動と米の変化。
温暖だった縄文時代が終わり、寒冷化した古墳時代には米の種類も熱帯ジャポニカから温帯ジャポニカに移っていったといいます。
確かに大化の改新、乙巳の変前後は寒冷期で混乱の世の中でした。
寒冷化は社会を乱す元でした。
古墳時代に熱帯から温帯ジャポニカに変化したように、現代も温暖化に耐性のある品種が増えていきそうです。
さて、ジャポニカというくらいだから、日本が起源なのかな?
あまり日本起源だと周りの国がうるさいので言わないのかもしれないですね。
周りの国もジャポニカ米を食べているのですから、日本以外の国が発祥だとは思えないですけどどうなんでしょうか。


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