【感想】NHK大河ドラマ『光る君へ』第38回「まぶしき闇」
2024年10月6日(日)20時『光る君へ』第38回「まぶしき闇」を視聴しました。
<NHKのあらすじ>
まひろ(吉高由里子)の元にききょう(ファーストサマーウイカ)が訪ねてきて、亡き后・定子の思い出を綴った「枕草子」から一条天皇(塩野瑛久)の関心を奪ったまひろの物語への思いを打ち明ける。
その後、まひろは物語の次の構想を練り始めるが、道長(柄本佑)から新たな提案を受け…
一方、中宮・彰子(見上愛)と親王に対する呪詛の形跡が見つかり、伊周(三浦翔平)の関与が明らかに。
天皇は道長に相談して処分を検討するが…
■プロローグ
光る君の物語を読んだというききょうがまひろにいろいろ皮肉をこめた感想を述べています。
ききょうは、現在は亡き定子の身内を支えるために生きていて、脩子内親王の世話をしていると話します。
さらに、なぜ源氏物語を書いたのか問います。
道長に頼まれて、枕草子を帝の心から消してくれと、亡き定子の輝きを消すために。
まひろに対し腹を立てている、源氏の物語を恨んでいるとも迫ります。
---音楽---
冬野ユミ
---テーマピアノ演奏---
反田恭平
■寛弘6年(1009年)
■敦康親王の元服
行成が彰子に、11歳になった敦康親王(渡邉櫂)の元服について相談しています。
元服した姿を見たいという彰子は、元服なしでは帝になれないと窘めます。
敦成親王の邸で呪詛に使う呪符が見つかりました。
敦成親王誕生を忌々しく思っているものの仕業だと考えています。
●ナレーション 伊東敏恵(NHKアナウンサー)
「行成の調べにより円能という僧が、浮かび上がってきた」
「捕らえられた円能は、厳しい尋問により、呪詛の依頼者は伊周の縁者であり、伊周と敵対する者を排除する目的であると証言した」
■伊周の罪
行成(渡辺大知)は、死罪が相当だが、明法博士に調べさせるべきだと述べます。
公任(町田啓太)は、円能も還俗させ同じ罪に問うべきだと述べます。
隆家(竜星 涼)は、明法博士の勘申に従うべきだと述べます。
実資(秋山竜次)、道綱(上地雄輔)、公季(米村拓彰)、顕光(宮川一朗太)も同意見です。
公卿の意見が一致しました。
これを帝に報告しますが、道長は官位剥奪としたいと言上しました。
伊周のためにも参内停止が相当だと述べます。
●寝室で
一条天皇は、彰子に伊周はなぜ困らせるのか嘆きます。
敦康がいるため、敦成親王が狙われていると思うか問います。
彰子は、敦康親王への思いは変わらない、と返しました。
●まひろの思い
まひろは、ききょうの言葉を思い返していました。
宮の宣旨(小林きな子)がやって来て、なんのためのここにいるのか?と尋ねます。
帝、中宮のためだと答えると、暮らしのためだと思っていたと宮の宣旨は話します。
子とうまくいっていないのではないかと察する宮の宣旨です。
わかり合うことができない、さみしいことだと話しました。
●伊周の様相
隆家が伊周の所にやって来ると、伊周は呪詛を続けていました。
人形代を使って呪詛をする伊周、尋常ではない表情に、隆家も困惑しています。
●頼通への命令
頼通(渡邊圭祐)が道長に呼ばれてきました。
我らが成すことは、敦成を次の東宮にして、一刻も早く即位することだと道長は述べます。
我々を信頼してもらう帝であってほしい、敦成だ、家の繁栄のためではないと。
成すべきは揺るぎなき力を持って民のために良き政を行うこと、胸に刻んで動けと述べました。
■除目
(ナレ)
「3月4日に臨時の除目が行われ実資は大納言に、公任と斉信は権大納言に、行成は権中納言となった。すべて道長の思いを反映した人事だった」
「既に権中納言であった俊賢を加え、これが後世に言うところの一条朝の四納言となる」
「頼通もこの時僅か19歳にして、権中納言となった」
頼通が実資に声を掛けると、権中納言となって実資を尊敬している、諸事ご指南くださいと述べます。
ならば、駒牽の上卿の次第、射礼の上卿が良いかと返します。
頼通がおいおいお願いしますと答えると
「指南とはおいおいするものではない!」と厳しく述べました。
■為時の昇進
為時(岸谷五朗)に対し、いと(信川清順)は左少弁に出世したのも左大臣のおかげなのも、あれなんでしょうか?と尋ねました。
そこに賢子(梨里花)がやって来て「あれって何?」と聞きます。
道長と母はどういった知り合いなのか尋ねます。
為時は苦し紛れに、母の才能を認めた恩人だと答えました。
賢子は左少弁任官の祝いの言葉を述べて出ていきました。
●倫子と道長
頼通の婿入り先は、具平親王の姫・隆姫女王はどうかと倫子に相談しています。
倫子は頼通の気持ちを聞いてほしいと返します。
男の行く末は妻で決まると、倫子のおかげだと称えました。
●裳着
宿命、密通、不義、幸、不幸、出家と書かれた文字
アイデアを思案中のまひろのところに道長がやって来ました。
まひろの娘は11歳、敦康親王と同じ歳、まもなく裳着だと言います。
裳着が終わったら娘を呼んだらどうか、藤壺の人気になりそうだと話します。
まひろは、藤壺の人物者になりそうな人物がいると話します。
●和泉式部誕生
宮の宣旨が今日から和泉式部と呼ぼうと命じると、あかね(泉里香)は別れた夫の官職は嫌だと文句を言います。
左衛門の内侍(菅野莉央)と馬中将の君(羽惟)のふたりは不満たらたらです
あかねは、敦道親王との思い出を綴ってみたとまひろに披露します。
これを書いているうちに、まだ生きていたいと思うようになったと。
●貝合せ
一条天皇と彰子が見学する中、男女が貝合せを行っています。
あかねが頼通に「お先に」と耳打ちしながら貝を広げました。
頼宗も見事だと褒めました。
風で藤の花びらが舞っています。
■高松殿
頼通が自邸にやってきて俊賢(本田大輔)と明子(瀧内公美)は嬉しそうです。
頼通は金峯山でも頼もしかったと評判です。
頼宗(上村海成)は頼通が女房の間でも熱い眼差しを受けていたと評判だと話しました。
明子は頼宗を引き立てて欲しいとお願いしますが、頼通はそのような力はないと答えました。
これからは頼通の時代だと明子は考えていました。
●敦康親王
敦康親王が彰子と戯れている姿をみて、道長は敦成を抱きながら見つめています。
(心の声)
「光る君は幼心にも、ささやかな花や紅葉に添えて、藤壺をお慕いする心をお見せになります。」
■道長の魂胆
道長は行成に、敦康親王の元服の日取りを陰陽寮に決めさせるように命じました。
(ナレ)
「その年の6月頼通と隆姫女王の結婚が決まり、続いて中宮・彰子の懐妊が明らかになった」
「そして、道長は敦康親王元服の日取りを告げた」
「二度目の出産を控え、彰子は土御門殿に下がった」
倫子(黒木華)と赤染衛門(凰稀かなめ)が彰子を出迎えました。
■伊周の狂気
一条天皇は中宮が子を産むまで敦康の元服を延期せよと命じます。
道長は元服後の敦康親王の御在所についても任せるように言上しました。
(ナレ)
「藤壺にぼやがあり、一時的に敦康親王は伊周の屋敷に移った」
敦康親王、脩子内親王(井上明香里)の前で、席をして苦しそうでやつれた姿になった伊周です。
これにはききょうも驚いています。
敦康は、道長が自分を遠ざけていると感じていました。
道雅(福崎那由他)は、藤壺のぼやも誰の仕業かわからないと話します。
伊周は道長に面会します。
敦康を帝から遠ざけることは止めてほしいと嘆願します。
逆に道長に参内を許されたのにかかわらず、なぜ内裏に来なかったのか問い詰められます。
「お前のせいだ!」と声を荒げます。
今後、政に関わることはない下れと命じました。
狂ったように呪詛の言葉を言い続け退却させられました。
----終わり----
次回は 第39回「とだえぬ絆」10月13日放送です。
■感想
彰子に使えた女房たちをまとめておきます。
みなさん生没年不詳です。
そして、倫子や明子などの近親者で固めています。
・宮の宣旨(小林きな子)・・・源陟子(ただこ)
醍醐天皇の孫である源伊陟(これただ)の娘
・大納言の君(真下玲奈)・・・源簾子(やすこ)
実父とされる源時通は倫子の同母弟にあたり、彰子は従姉
・小少将の君(福井夏)・・・源時子
大納言の君の妹
・宰相の君(瀬戸さおり)・・・藤原豊子
藤原道綱の娘
・左衛門の内侍(菅野莉央)・・・橘隆子
「日本紀の局」の名付け親
・馬中将の君(羽惟)・・・藤原節子
源明子の姪
次回は藤原惟規が気になります。
伊周のやつれ方は、毒を盛られたとしか思えません。
それを暗示した演出なのかも。
藤原氏の常套手段である、呪詛して背いたと冤罪を着せたのかもしれないですね。
円能はその後許されています。
道長の影のある表情は、藤原氏の暗部をうまく表現しているのかなあと思えてきます。
代表的な事件は「長屋王の変」です。