雑草詩句短歌 ミッション・ホルダー9.
まるで破れかぶれの古い紙を貼り合わせて
新しい小さな紙で上貼りしたような日々
青春の強い力で彩られた人生のこしも喪われて
くしゃくしゃの私のそばを
まだ何物かを形づくろうと時が渦巻いてゆく
山野も鉄道も田園も年老い
夜空の星も、太陽さえも感受を無くし
あらゆる物語も魔力を使い果たし
力あった精霊も崩れゆく人間を制止できない
壊死してゆく世界から微かな声を聞きとり
一握りの心優しい人間達が立ち上がり出発する
始まりの原初の時の地へと
託された重荷を背負って
(画像は"日没の港"。クロード・ロラン作。平凡社世界大百科事典より。)