悲しみの実(プロローグ)
吐き出せ
吐き出さないと壊れてしまう
僕はもう、限界だった。
誰にも頼る人がいない・・・
この痛みを分かってくれそうな人がいないのだ。
いや、実はひとりには話したのだけれども
何の言葉もくれず、面倒くさいのか、、
泣き顔の絵文字しか返って来なかった。
君だけが頼りだったのに・・・
どうしたらいいんだ?
このやり場のない悲しみを
どうしたら消せるんだ??
++ 現実感情 ↑ +++ ↓ 詩的感情 ++
渡す人を選ぶべきだった
“ただ食べる”人よりも
なぜこんなに苦い実なのか
どうしてこんなに辛い実なのか
“分かろうとする”人の方が
救われたはずだ
なのに何も触れない君によって
また悲しみの実に支配されてしまった
こうなるくらいなら
渡さずに飲み込んでいた方が
幸せだったのかもしれない、と
思うほどに
誰を頼っていいのか
分からなくなっていた
こんな感情のままで
どうやって生きていけばいいんだ
誰かこの覆っている実を
一つ残らず潰してくれないか・・・