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蒸気機関車に乗る旅。我々の排泄物は線路上へと....。

”歴史的な体験"は価値がある。
過去の経験を知的財産として、現代に活かせられるという教育的価値。
異なる価値観や生活様式への理解と尊重を深められる文化的価値。
また、その体験自体が産業となり、観光資源の価値にもなる。

これらのものに触れるたびに、自分の教養の未熟さを痛感し、学ぶことへの必然性につながる。特にエジプトに旅行に行った時には、なんでもっと世界史を、宗教を学ばなかったのかと思った。

ということで、先日、蒸気機関車に乗る旅を体験した。

石炭や木材を燃料とし、蒸気を発生させ蒸気を使ってポッポーと動かす、映画の世界に登場する蒸気機関車に初めて乗った。

日本でも蒸気機関車には乗車ができるようだが、乗ろうと思ったことがない。
東京に住んでいて、東京タワーやスカイツリーに登ったことがないのと同様に、観光体験というのは案外行わないものだ。

何度かnoteに登場している、Keikoさんも30年以上ケープタウンに住んでいるものの、この蒸気機関車のツアーを体験したことがないようで、今回行こうとお誘いいただきいってきた。

ROVOS RAIL社が、この列車旅行を提供しており、オンラインで予約ができる。
今回は、ケープタウンのCBDからエルジン駅というところまで往復160kmの旅を選んだ。
時期によっては他の目的地がある。このエルジン駅付近にはいくつかワイナリーがあったり、この駅の中にもマーケットがあり世界各国の食事を体験できる。
車でいくと、1時間程度で行けるところを、蒸気機関車を使うことで、旅の道中の体験価値をあげつつ、約3時間程度かけて目的地へとむかう。

路線図

オンラインからチケットの購入が簡単にできる。金額は往復で5,000円程度なのでそれなりにはすると思う。
ボックス席とハリーポッターに出てくるような個室の部屋と、ソファ席がある車両などで構成されており、12車両の客車と機関車部分、それと炭水車で一つの蒸気機関車となる。

この体験でぼくが面白いところ感じたのは、壮観な景色を見られるところと、自分が1800年代にタイムスリップをした感覚を味わえること、そして、タウンシップの真横を走るということ。

景色やタイムスリップであれば、おそらくスイスなどの北欧やそれこそ日本でも蒸気機関車が走る様子を想像することができるが、タウンシップを通ることができるのは南アフリカならではの体験である。

ほぼ線路沿いに、タウンシップの集落があり暮らしている様子がまじまじとわかる。家の中まで車両から見られるほどの距離感だ。

タウンシップで暮らす彼らは、ある種この車両への憧れもあるのか、みんな手を振っていて特に子供は目がキラキラしていたのは印象的だった。

この会社とは別で、南アフリカの旅行者へのプランでツアーガイドが帯同し、タウンシップに訪れることはできるものの正直、危険度が計り知れないのでおすすめはできない。
そうなるとこの距離感で様子を見ることができるという点でも、この蒸気機関車の旅は価値が高いと思う。
(動画撮ってるんですけどね。編集して欲しいですどなたか。笑)

最初は、複数の駅を通り過ぎつつ、平坦な街を走る列車が2時間ほどすると、このような絶景な丘を走るようになり、車両全体をみることや、黙々の煙を車窓から体験することができる。

ぼくがおおおおおお!と感嘆の声をあげたのが2つある。ひとつは、名探偵コナンの漆黒のミステリー特急事件 さながらの個室車両と通路の狭さを体感した時。

これこれこれー!この通路の狭さをつかったり、部屋の中で変装が行われたりしたのよねえ。という日本人のコナン好きにしかわからない興奮を一人で体感していた。

著作権ごめんなさい。

それと、もう一つ。これです。

トイレが、ボットン式なのですが….。
タンクがないので、線路に落ちます。
これ、あまりにも衝撃です。
蒸気機関車で昔ながらを体験できる割に、高級車両ではコンセントがあり、USB型の充電ができたりと改良はされているのですが、このトイレに関しては、おそらく昔からこれなのでしょう。

つまり、そうです。みなさんの排泄物は線路にダダ漏れしているのです。
2024年においてもこのスタイル、ちょっと驚きました。
排便のほうは、みなさん電車に乗る前に済ませましょうね。

という感じで、3時間の旅を片道を終えて、駅に到着し各々がそこで3時間程度のフリー時間を終えて、14時頃に帰り便が出発して帰路につきます。

車両が長すぎてホームがない。(笑)
マーケットの雰囲気

世界各国の料理を味わえるこのようなマーケットは他の地域にもありますが、そこまでの道中がとても楽しいです。
ただ、車両内にエアコンはないので、冬はとにかく寒いです。座席も冷たいです。
朝早くに出発するので、防寒をしていくか、ブランケットは持っていくと良いでしょう。

そんな、歴史的体験が味わえた1日でした。

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南アフリカにいるSUZUKIです。
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