ブランディングはやり続けることが基本だ。
老舗が老舗たる所以は、「頑なに暖簾を守り続けるだけではなく、変化に柔軟に対応してきたからこそ老舗になれた」と言われる。
2026年に創業80年を迎える冨美家さん。100年を超えるお店の多い京都ではまだまだ老舗とは言うには早いかもしれない。
そんな冨美家さんが、ことしはSNSを使ったさまざまなキャンペーンを展開している。評判はすこぶる良くて商品の売り上げや新たなお客さまの獲得にもつながっているそうだ。
2026年に向け、いま一緒に取り組んでいるのは企業活動のコンテンツ化だ。そのために夏に鹿児島と北海道へロケに行った。どんな企画、どんな表現にするべきか、ときを見て意見を交換しながら内容を考え擦り合わせながら進めている。
長らく地道にやってきたパッケージのリニューアルも来年はじめには全商品完了する。
菊太屋米穀店で培った、世界観を醸成することでブランディングしていく考え方。神戸親和女子大学で培った、さまざまなコンタクトポイントを旗印でリンクする考え方。
冨美家さんのやり方は前者。長く信頼しあい、クリエイターを変えずに付き合っていただかないと成立しない。まだまだ、これから強固なブランドイメージを一緒につくっていきたい。
少し補足する。
ブランディングは講座なんか受けて頭でっかっちになると危険だ。理屈は実際にやること。やり続けることでじぶんの中で理論体系化していくものだ。クライアントやコアになるアイデアが変わればやり方は変わる。
ブランドイメージとは、あちこちで出会ったイメージの総体がつくっていくもの。理屈ではない。イメージを積み上げることでしか成立しない。そのためには理解し合えるクライアントとクリエイターの関係が必須だ。理解し合えるためには、目にみえるサクセスを重ねていくしかない。イメージを広めることに執心しすぎてSNSでバズることばかり考えるのは愚の骨頂だ。イメージは積み重なるものと考えよう。そしてマーケティングリサーチも否定はしないが、積み重なっているかどうかは、セルフジャッジメントできるもの。じぶんに見えてこなかったり、届いてこなかったら、積み重なっていないと思えば良い。そして、どうすれば積み重なるかを試行錯誤していくのだ。だって、理屈ではわかったつもりでも、企画や表現お領域なんて、やってみないと、わからないもんね。
しんどくて辛いけど、やりがいや信頼と等価交換していく楽しい仕事だ。