クリエイターとは、 課題解決業である。 おそらく皆さんのクリエイターイメージは、キャッチフレーズを考えたり、デザインしたり、アイデアを考えたりする、“表現者”のイメージでしょう。でも、われわれの仕事の本質は、何らかの課題の解決にあります。そしてじつはその課題の多くが、コミュニケーションの活性化で解決できます。では、われわれは日ごろどうやってコミュニケーションを活性化しているのでしょう。そんな例を紹介します。 (よくある課題の例)
ネーミングの仕事が好きだ。 ネーミング発想をしないで、コピー発想で解決するようにしている。 「おけいはん」という言葉の発明はもう20年以上前のこと。あれもコピー発想。広告になるということを前提にしたネーミングだ。 じぶん史上いちばん好きなネーミングは菊太屋さんの「カレーのライス」。カレー用のお米ということでカレーとお米(ライス)の間に「の」を入れただけで、カレーライスを想起させることができた。省力化した抜けの良さは見たひとに“やられた感”を抱かせる。だから、成功したときは
ブランディングの依頼を受けることが多い。その場合、その企業のキャッチフレーズを制作することになる。 でも、なかなか上手く使ってくれるケースは少ない。 多くの場合、ブランドブックやwebサイトなどはこちらで制作する。それらは、配ったり、存在すれば良いだけなので、ある意味受け身で誰でも使える。 キャッチフレーズは、そうはいかない。 どう活用するか。 その企業任せだ。 こちらにできるのは、使い方のアドバイスくらい。関与できることは意外に少ない。 じぶんで考え運用していかないと効果
老舗が老舗たる所以は、「頑なに暖簾を守り続けるだけではなく、変化に柔軟に対応してきたからこそ老舗になれた」と言われる。 2026年に創業80年を迎える冨美家さん。100年を超えるお店の多い京都ではまだまだ老舗とは言うには早いかもしれない。 そんな冨美家さんが、ことしはSNSを使ったさまざまなキャンペーンを展開している。評判はすこぶる良くて商品の売り上げや新たなお客さまの獲得にもつながっているそうだ。 2026年に向け、いま一緒に取り組んでいるのは企業活動のコンテンツ化だ。
「バズル」「バエル」という言葉は嫌だし、そういう手法も大嫌いだ。 もちろん、じぶんのところのクライアントにも勧めない。 先日、新世界市場屋台街というところを通った。どうやら、かつて話題になったポスターの発信地だったようだ。大半の店はシャッターが降りている。そして、そのシャッター街に、その、かつて話題になったポスターがヨレヨレになって風になびいていた。 そう、「バズル」「バエル」という手法は続けられな口なった瞬間に、一瞬にして風化していく。 まさに砂上の楼閣なのだ。 S
ワシはなんで、こんなことをやっているんだろう。 金曜日は「ミニ広告井戸端会議」。 農林会館にオフィスを構えていたころにはじめたので、スタートはもう10年近く前かもしれない。最初は農林会館のあの空間を味わってもらいながら、ビール片手にワイワイできたら良いなあと思っていたように思う。 そのうち、宣伝会議のコピーライター養成講座の教え子たちから同様の機会をつくってほしいと請われ、同じようにはじめたけどこちらはどうしてもなにかを教える、質問に答えるという形式に傾いていった。誰かが進
あるクライアントのコンテンツをつくるための取材と撮影を続けている。 明快なゴールを定めたプロセスではない。 どんなコンテンツになるかを考えながら取材を進めている。こんなの初めて。そこが面白い。 ええ産地、ええ生産者、こだわりの材料を伝えるコンテンツは多い。が、それではもう面白くないだろうし。そこはビジネス上の必然性。ネットの中にそれらの記事は散見される。なぜ、この原材料が大切なのか、この生産者がいてくれるから日本にはその文化があり、文化は未来へ継承されていく。テーマは”継承
奈井江町の庁舎が新庁舎へ移転したそうだ。 旧庁舎で毎日毎日「元気にずどーん」と伝えていた懸垂幕は新庁舎に移転したんだろうか?と、webを探してみたら、どうやらまだのようで、写真は見当たらなかった。しかし、いろんなところで使われている「ずどーん」をたくさん発見した。 愛されているなあ、「ずどーん」。 奈井江町の皆さま、ますます「ずどーん」を使い倒してくださいね! CD+C:田中有史 AD+D:浪本浩一 A:藤本美歩 協力:奈井江町の皆さま PR:つながる地域づくり研究所
Instagramで見つけた「ずどーん」の投稿。 「ずどーん」は北海道空知郡奈井江町のキャッチフレーズ。 他のまちなどの、よくありがちな自治体のキャッチフレーズと「ずどーん」の大きな違いは、①まちの皆んながコミュニケーション・ツールとして使えること。②いろんなプロモーション・ツールに使えること。③そして、ふるさと納税の返礼品にまでなるように、使うとすべてのものがメディアになれること。 これらは、露出の予算が少ない自治体にとって、大きな特性だと思う。 こんな発想を受け入れて
村上紙器工業所の「こういうことシリーズ」。じぶんで言うのもなんですが、わかりやすいと思います。お時間があるときに、じっくりと読んでください。 「ブランディング」「コミュニケーション」「クリエイティブ」と、なんとなく分かったようで、説明しようと思うとぼんやりとしか理解できていないことに気づくはずです。 それにしても、こんなコンテンツを書かせてくれる貼り箱屋さんって、変わっていますよね。新鮮ですよね。「変度」と「鮮度」はクリエイティブのオリジナリティーの源泉です。 ちなみに村上
年末にはじめて「ふるさと納税」を申し込んだ。仕事で関わっている奈井江町を応援したい。企画やクリエイティブを担った同町のふるさと納税返礼品の実物が見たい。どんなカタチで届くのかを確認したいという気持ちもあった。いままで申し込んだことがないので仕組みがわかっていなかった。調べてみると、寄付金のうちの2,000円だけが自己負担で、それを超えたぶんは所得税の還付や住民税の控除を受けられるのだ。つまり、2,000円で返礼品を受け取ることができ、節税にもなる。おまけに、寄付金の使い道を指
ワシというじぶんに関して言えば、コピーを書くメディアが新聞やポスターからwebに変わった。とくにコロナ禍からそうなってきた。いわゆるマスメディアを使う企業が減ったせいだろう。そして、webメディアでコミュニケーションする技術や戦術が大幅に進化したせいだろう。 ところが、その割にというか、ワシら(ワシだけかもしれないけど)コピーライターはwebから仕事が流入しているだろうか? 若いイラストレーターのひとなどはインスタグラムから仕事が入ってくるという話も聞く。イラストレーターだと
山口県防府市にある社会保険労務士法人「桑原事務所」のブランドブック。 ブランディングをスタートするにあたり、ワタシの場合はその企業の考え方と今後の活動の全体を貫くキャッチフレーズをつくる。そして、その企業の世界観を創出するためにコンセプトブックやブランドブックと呼ばれる冊子をつくる。 そうでないのは商品パッケージなどメディアになり得るのものが多い企業、もしくはメディア(SPツールも含む)を使う機会が多い企業である。この後者の企業群はブランドブックなどをつくらなくても世界観は
この一枚のチラシが教えてくれること。 またまた、キザワのオッちゃんとこのチラシを教材に。 ・お金がなければ一点豪華主義で良い。 べつに商品の写真を載せる必要はない。色はたくさん使う必要はない。フォントを使う必要もない。 自前の絵とイラストだけで良い。 毎日織り込まれてくるたくさんのチラシはカラーで写真も豊富。だから、その中で異質の存在であることで手を出したくなる。ひと目で違うものだと分かる。個性的な存在として認知される。 埋没しないことは大切。 チラシのみならず駅貼り
仕事を長くやるコツは楽しい企画をすることに尽きる。 そして、仕事をするひとが楽しく感じないものを見るひとが楽しく感じるはずない。 そういう信念でやっている。 最近やっている中で楽しい仕事のひとつ。 村上紙器工業所という貼り箱屋さんのホームページのコンテンツだ。 毎回BARにゲストを迎えて貼り箱屋さんのオーナーである村上さんと対談してもらうシリーズだ。 村上龍のリューズバーのイメージ。 村上さんの名前は村上誠。 龍と誠。似ているようで大違いだけど、BARで対談すると箱の話も随分
山口県防府市にある社会保険労務士法人「桑原事務所」のキャッチフレーズ『らしくない桑原。』を書いた。 そのご縁から継続してブランディングのアドバイスをやっている。 まずは新事務所への移転のダイレクトメールの制作。他でも書いたが小さなことも疎かにしないことはブランドイメージをつくっていく上で常に大切にしたい。とくに、広告や販促物をあまりつくらない業種ではなおさら。 移転の挨拶状を、これは挨拶状だから挨拶状らしくつくろうと考えるか。ここから、ブランディングがはじまるんだと考えるかで