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ハワイの叙事詩「クムリポ」を、ハワイ語から日本語訳して掲載します。

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ハワイの叙事詩「クムリポ」を、ハワイ語から日本語訳して掲載します。

記事一覧

クムリポ /概説と訳出先

ここでは、本アカウント上に掲載されているクムリポの概説、訳出先を記載します。 [クムリポについて] クムリポは、ハワイ王国が編纂したハワイ語による叙事詩です。も…

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2年前
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クムリポ/生物名のカオナ

この記事では、一番目〜四番目の時代に歌われた生物名のカオナを紹介します。 カオナとは、ハワイ語における暗喩手法のことです。一つの単語に複数の意味を持たせるハワイ…

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2年前
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クムリポ /十六番目の時代

KA WA UMIKUMAMAONO(16) マーウイを夫に ヒナケアロハイラ(愛の色濃いあざのヒナ)が妻となった Maui ke kane -- Hinakealohaila ka wahine Nanamaoa(ナーナーマ…

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2年前
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クムリポ /十五番目の時代

KA WA UMIKUMAMALIMA(15) ククイハア(小さな松明)のそばに ヌウメア(高くある地)と ハウメア(横たえる地)の女がいた O Haumea wahine o Nu‘umea i Kukuiha‘a…

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2年前

クムリポ /十四番目の時代

KA WA UMIKUMAMAHA(14) リアイクーホヌア(大地にゆく望み)を夫に ケアカフリホヌア(逆さの大地の交わり)が妻となった Li‘aikuhonua ke kane Ke‘akahulihonua k…

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2年前
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クムリポ /十三番目の時代

KA WA UMIKUMAMAKOLU 〜 HE LALA NO KA WA UMIKUMAMALUA 〜 〜十二番目の時代の一つのさし枝〜 (13) パリクー(そびえる崖)を夫に パリハイ(語られる崖)が妻と…

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3年前
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クムリポ/十二番目の時代(下)

KA WA UMIKUMAMALUA(2/2) Hainu‘awa(ハイヌアワー:積み上げた時代が捧げた)-- ‘Ulahuanu(ウラフアヌー:神聖な嘆きの実) Laukohakohai(ラウコハーコーハイ:…

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3年前

クムリポ /十二番目の時代(上)

KA WA UMIKUMAMALUA(1/2) オプウプウ(積み重ね)を夫に ラアニハ(捧げた怒り)が妻となった O Pu‘upu‘u ke kane La‘aniha ka wahine Opu‘upe(オプウペー:…

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クムリポ /十一番目の時代(下)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(3/3) Li‘ili(リイリー:小さな海藻)-- [‘]Au[‘]au(アウアウ:水浴び) Li‘ili[‘]au[‘]au(リイリーアウアウ:水を浴びる小さな海藻)-…

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クムリポ /十一番目の時代(中)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(2/3) Manaweulani(マナウェウラニ:空の草の奇跡)-- Laukunu(ラウクヌ:燃える葉) Ho‘oma[‘]ilu(ホオマーイル:小さくする)-- Puluea(…

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3年前

クムリポ /十一番目の時代(上)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(1/3) 女は ピオラニ(空の弧) を つとめた Oia wahine noho lani a pi‘o lani no 女は ハウラニ(昇り降り)を つとめた Oia wahine haul…

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クムリポ /十番目の時代

KA WA UMI(10) 草木の囲いに ライライがいた O mai la, o La‘ila‘i ka paia 多くの夜を治めるカーネと 味気ないキイがいた O Kane a Kapokinikini ka pou, o Ki…

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クムリポ /九番目の時代

KA WA EIWA(9) ライライの 大地を揺する O La‘ila‘i, o Ola‘i-ku-honua 空が裂け 唸りながら熱くなる O Wela, o Owe, o owa ka lani 女によって ぐんぐんと空…

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クムリポ /八番目の時代

KA WA EWALU(8) 可愛い子が 小さくここに O kama auli[‘i], auli[‘i] anei 沢山の 夜の時代の子 O kama i ke au o ka po kinikini 遠い夜の 波に乗る子ども O ka…

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クムリポ /七番目の時代

KA WA EHIKU(7) 山の上を 畏れが包む O kau ke anoano, ia‘u kualono 夜の時を 滑り降り He ano no ka po hane‘e aku 夜の時に ここへ来る He ano no ka po hane…

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クムリポ /六番目の時代

KA WA EONE(6) 多くのカヒリが 背に広がり O kupukupu kahili o kua ka mano 禁忌を満たし 地が耕される O kuku ka mahimahi, o ka pihapiha kapu 泥を掻いて 走り…

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3年前
クムリポ /概説と訳出先

クムリポ /概説と訳出先

ここでは、本アカウント上に掲載されているクムリポの概説、訳出先を記載します。

[クムリポについて]
クムリポは、ハワイ王国が編纂したハワイ語による叙事詩です。もともとメレ(歌)とフラ(踊り)によって王家に語り継がれた物語ですが、1889年、第七代国王カラカウア王によって文章化、一般公開が行われ、第八代リリウオカラニ女王の英訳をきっかけに広く知られるようになりました。今回の翻訳における訳出・参照文

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クムリポ/生物名のカオナ

クムリポ/生物名のカオナ

この記事では、一番目〜四番目の時代に歌われた生物名のカオナを紹介します。
カオナとは、ハワイ語における暗喩手法のことです。一つの単語に複数の意味を持たせるハワイ語の特性として、言葉の直接的な表現の裏に別の意味合いを含ませることがよくあります。クムリポも例外でなく、歌中に様々な暗喩が施されています。以下のリンクに、PDF形式でそれぞれの時代の生物名のカオナを示しました。各時代の本文と照らし合わせて楽

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クムリポ /十六番目の時代

クムリポ /十六番目の時代

KA WA UMIKUMAMAONO(16)

マーウイを夫に ヒナケアロハイラ(愛の色濃いあざのヒナ)が妻となった
Maui ke kane -- Hinakealohaila ka wahine

Nanamaoa(ナーナーマオア:雨上がりに見る)-- Hinakapa‘ikua(ヒナカパイクア:背後のヒナの罰の光)
Kula‘i(クライ:ひっくり返す)-- Hinaho‘opa‘ia(ヒナホ

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クムリポ /十五番目の時代

クムリポ /十五番目の時代

KA WA UMIKUMAMALIMA(15)

ククイハア(小さな松明)のそばに
ヌウメア(高くある地)と ハウメア(横たえる地)の女がいた
O Haumea wahine o Nu‘umea i Kukuiha‘a
メハニ(静かな歩みとともに)
O Mehani,
パリウリ(青い崖)の クアイヘアラニ(こすれた曇り空)が 覆う高地
nu‘u manoanoa o Kuaihealani i P

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クムリポ /十四番目の時代

クムリポ /十四番目の時代

KA WA UMIKUMAMAHA(14)

リアイクーホヌア(大地にゆく望み)を夫に ケアカフリホヌア(逆さの大地の交わり)が妻となった
Li‘aikuhonua ke kane Ke‘akahulihonua ka wahine

Laka(ラカ:手なずける)-- Kapapaialaka(カーパパイアラカ:模索を手なずける)
Kamo‘oalewa(カモオアレワー:ひと続きに飲みこむ)--

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クムリポ /十三番目の時代

クムリポ /十三番目の時代

KA WA UMIKUMAMAKOLU 〜 HE LALA NO KA WA UMIKUMAMALUA 〜
〜十二番目の時代の一つのさし枝〜

(13)

パリクー(そびえる崖)を夫に パリハイ(語られる崖)が妻となった
Paliku ke kane Paliha‘i ka wahine

Palika‘a(パリカア:支払われた崖)-- Palihiolo(パリヒオロ:逆さまの崖)
Lakauni

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クムリポ/十二番目の時代(下)

クムリポ/十二番目の時代(下)

KA WA UMIKUMAMALUA(2/2)

Hainu‘awa(ハイヌアワー:積み上げた時代が捧げた)-- ‘Ulahuanu(ウラフアヌー:神聖な嘆きの実)
Laukohakohai(ラウコハーコーハイ:沢山の打ち合う音)-- Ho‘olilihia(ホオリリヒア:どれほど妬みがあったろう)
Opa‘iakalani(オパイアカラニ:空がピシャリと音を立てる)-- Kumukanikeka

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クムリポ /十二番目の時代(上)

クムリポ /十二番目の時代(上)

KA WA UMIKUMAMALUA(1/2)

オプウプウ(積み重ね)を夫に ラアニハ(捧げた怒り)が妻となった
O Pu‘upu‘u ke kane La‘aniha ka wahine

Opu‘upe(オプウペー:こぶをならす)-- Pepe(ぺーぺー:平らにする[/慎む])
Opu‘umauna(オプウマウナ:山と丘)-- Kapu‘u(カプウー:悲しみの禁忌)
Opu‘uhaha(オプ

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クムリポ /十一番目の時代(下)

クムリポ /十一番目の時代(下)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(3/3)

Li‘ili(リイリー:小さな海藻)-- [‘]Au[‘]au(アウアウ:水浴び)
Li‘ili[‘]au[‘]au(リイリーアウアウ:水を浴びる小さな海藻)-- Kamau(カーマウ:続く)
Li‘ilikamau(リイリーカーマウ:小さな海藻が続く)-- Holiholi(ホリホリ:芽生える)
Li‘ilili‘ili(リイリーリイリー:小さ

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クムリポ /十一番目の時代(中)

クムリポ /十一番目の時代(中)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(2/3)

Manaweulani(マナウェウラニ:空の草の奇跡)-- Laukunu(ラウクヌ:燃える葉)
Ho‘oma[‘]ilu(ホオマーイル:小さくする)-- Puluea(プルエア:葉が昇る)
Ma[‘]ilu(マーイル:小さなもの)-- Lehuane(レフアネ:灰が風に乗る)
Polehua(ポーレフア:夜のオーヒアの花)-- Keahu(ケ

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クムリポ /十一番目の時代(上)

クムリポ /十一番目の時代(上)

KA WA UMIKUMAMAKAHI(1/3)

女は ピオラニ(空の弧) を つとめた
Oia wahine noho lani a pi‘o lani no
女は ハウラニ(昇り降り)を つとめた
Oia wahine haulani a noho lani no
キイは 弧の下の高地にいた
Noho no iluna a iho pi‘o ia Ki‘i
厳かに 大地の子
Weli ai

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クムリポ /十番目の時代

クムリポ /十番目の時代

KA WA UMI(10)

草木の囲いに ライライがいた
O mai la, o La‘ila‘i ka paia
多くの夜を治めるカーネと 味気ないキイがいた
O Kane a Kapokinikini ka pou, o Ki‘i ka mahu
ラーイオロオロが生まれ カーパパと結ばれた
Hanau La‘i‘olo‘olo i noho ia Kapapa
カマハイナ(口にする子)

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クムリポ /九番目の時代

クムリポ /九番目の時代

KA WA EIWA(9)

ライライの 大地を揺する
O La‘ila‘i, o Ola‘i-ku-honua
空が裂け 唸りながら熱くなる
O Wela, o Owe, o owa ka lani
女によって ぐんぐんと空に上がる
Oia wahine pi‘ilani a pi‘ilani no
草地から 空へ昇る泣き声
Pi‘i[‘]aoa lani i ka nahelehele

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クムリポ /八番目の時代

クムリポ /八番目の時代

KA WA EWALU(8)

可愛い子が 小さくここに
O kama auli[‘i], auli[‘i] anei
沢山の 夜の時代の子
O kama i ke au o ka po kinikini
遠い夜の 波に乗る子ども
O kama i ke au o ka po he‘enalu mamao
芽生えるように 人は生まれた
Hanau kanaka o mehelau
狭い流れか

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クムリポ /七番目の時代

クムリポ /七番目の時代

KA WA EHIKU(7)

山の上を 畏れが包む
O kau ke anoano, ia‘u kualono
夜の時を 滑り降り
He ano no ka po hane‘e aku
夜の時に ここへ来る
He ano no ka po hane‘e mai
夜の時に 彼らは満ち
He ano no ka po pihapiha
厳かに その端々で
He ano no ka ha‘iha

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クムリポ /六番目の時代

クムリポ /六番目の時代

KA WA EONE(6)

多くのカヒリが 背に広がり
O kupukupu kahili o kua ka mano
禁忌を満たし 地が耕される
O kuku ka mahimahi, o ka pihapiha kapu
泥を掻いて 走り回れば
O ka holo [a]na kuwaluwalu ka linalina
草が芽を吹く 助けになる
Holi [a]na, ho‘omaka,

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