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世界一怖い乗り物
著者:杏ワイルダー
つい最近までマックではハッピーミールしか注文しなかった娘が、先週から車を運転している。
娘は12月に16歳になる。アメリカではその半年前から運転免許の筆記試験を受けられ、パスすれば仮免許証が取得でき、免許保持者が同乗していれば、普通にホノルル市内の道路をあちこち走り回れる。なんならフリーウェイだってかっ飛ばせる。
娘は12月4日が誕生日。毎日運輸局のサイトにアクセスして、根性で6月4日の午前10時に筆記試験の予約を取った。
提出書類をチェックしていた係の人に「午前10時39分に生まれたんだ。仮免が取れる年齢ギリギリだね」と笑われたそうだ。時計を見たら10時42分だったらしい。
小学生の頃から「運転って面白そうね〜」と助手席から羨望の眼差しで私のことを見ていた娘は、「ついにこの日が来た!」と喜び、試験会場を出ると家にも戻らず、さっそくアラモアナビーチに近い、広いパーキングエリアで練習をはじめた。
車が1台も停まっていない、広い広いスペースを、ただひたすらぐるぐる回っているだけなのに、私は、存在しないブレーキペダルをギューッと踏み続け、目を開けているのと瞑ったのとどちらが怖くないかを試したり、ちょっと車酔いして窓から顔を出したりして、1時間ほど拷問に耐えた。
私がいると「緊張度が増す」と娘からクレームが入り、それからは夫と二人で毎日練習している。かなり上達したというので、久々に乗せてもらった。そしたらマックのドライブスルーに挑戦したいという。
世界一怖いジェットコースター(乗ったことないけど)より恐ろしいライドだった。