空港行きの地下鉄がまさかの閉鎖で緊急事態!帰国リミットまで後3時間。異国の地で恐怖した最終日を振り返る
イギリスから日本に向けて帰国する当日の15時頃。
僕は尋常じゃないぐらいヒリついていました。
もしかすると人生においてトップクラスに、急いていたかもしれません。
最終日の観光を心から楽しんでいた、その時までは…
事の発端は、地下鉄のPiccadilly lineが全線で止まったこと。
その日、最終日ということもあって、疲労が色濃く残る身体を引きずりながら、最後の市内観光をしようかと考えました。
というのも、Heathrow発、Haneda行きの搭乗時間を21時だと考えていたので、時間に余裕はありまくりでした。「まぁ5時間前の16時頃に地下鉄に乗れば余裕だべ」と、だいぶ無計画な頭になってました。
そこで、折角フットボール発祥の地ロンドンに来たんだからと、世界的に有名なクラブチーム「チェルシーFC」の本拠地、スタンフォード・ブリッジを見学に行きます。
と言っても、試合があるわけではなくてスタジアムの外観を見に行き、そのついでに併設されているショップを散策する目的。
道中に食事も済ませ、ショッピング敢行。
その後、そこから地下鉄District line、Piccadilly lineを乗り継いで、Green Park駅で下車。そこから駅名にもなっているGreenParkを散策しながら、バッキンガム宮殿に向かいます。
この辺は公園がたくさんあって、本当に気分がいい。
そのため、公園を訪れている地元の人も数多く佇んでいましたね。
この公園にリスもいて、偶然散策中に出会えました。
おっさんですが、ついついそのちょこちょこ動く小さい生物に「かわい~」と思ってしまったものです…
15分ほどでバッキングガム宮殿に到着。
ひとひとひとの雨あられ。
どっからこんなに湧いてくんの?と思うぐらい、無限に人が集まっていました。
人混みが大嫌いな僕はその中心から離れ、隅っこの方でぼおっと佇みます。
どれぐらいいたでしょうか。
徐々に辺りが薄暗くなり、夕焼けになろうかという情景。
どうやら、そろそろ空港に向かう時が来たのです。それが大体15時半ぐらい。
ちょっと早いかな?と思いつつも、まぁ余裕を持つのは大切だよね…と自分に言い聞かせ、名残惜しさを振り切って、ダラダラと駅に向かいます。
向かった先の駅は、空港に一本で行けるPiccadilly lineが通っているHyde Park Coner駅です。
ちなみに余談なのですが、バッキンガム宮殿に行くには、この駅を使うのが最良なんだと思います。なにしろ、道中公園の中を歩きながら、徐々に大きく見えてくる宮殿を楽しめますから。
閉鎖されている駅、そして、立ち往生
それはさておき。
駅に到着した僕は、大事件が起きていることに気付いてしまいます。
「駅の入り口が閉鎖されてるっ!?」
駅の入り口が、鉄格子の様なもので中に人が入れないようになっていたのです。それを見た瞬間、直観的にヤバい、と感じました。
すぐさま僕は、電池切れが近いスマホを起動させ、状況を調べてみます。すると、グーグル君には「Piccadilly lineが全線止まってる」と書いてあります。
(マズいマズイマズイマズい。)
考えないでも分かる。危機的状況。
駅に着いたのは大体16時手前。
そろそろ空港に向かおうか、と計算していた時間です。
しばらく待ってれば、地下鉄も復旧するかもしれません。
ところが、そんな時、さらみある事実に気付きます。
搭乗時間は21時じゃなくて、19時だった。
僕は勝手に、19時の【9】という文字だけを見て、ああ21時(夜9時)なんだ…と勘違いしてたのです。
この瞬間、「まぁ5時間前の16時頃に地下鉄に乗れば余裕だべ」…と思っていた時間的猶予は、僅か3時間に変わってしまいました。
通常、国際線の場合は、最低でも1時間30分前までに空港に到着しておく必要があります。(理想は2時間前)
だのに、僕はまだ市内にいる。
しかも、空港に向かうために使うつもりだった地下鉄が止まってる。
こんな状況で冷静でいられるわけがありません。割と旅慣れてるはずの僕ですら、流石に焦ります。しかも、スマホの電池が8%しかないし。
これ、ほとんど詰んでませんか?
僕は、異国の地で、立ち往生してしまったのです。
ロンドンの地で突如襲い掛かってきたトラブルたち
たぶん駅に20分はいたと思います。
地上にあるバス停の近くの道端で、一人座り込んでしまっていました。
とにかく、帰る算段を考えないといけません。
けど僕はほとんど英語が読めないし、土地勘が無いので、どこにどう向かえばわからない。
バスに乗る?という手もありましたが、バス停の案内板をにらめっこしてもよくわからない。
そりゃ人に聞くという手もありますが、うまく伝えられる自信がここにきてない。一人でホイホイ海外行くくせに、この辺の度胸の無さはなんなんだと自分に腹も立っていましたね。
となると、電池がほとんどないスマホにバッテリーをつないで、電源の回復を待ち、他の手段を探すしかありません。
しかし、ここにも問題がありまして。
一応こういう電源がなくなった時のために、バッテリーを持ち歩いているんです。ところがそのバッテリーからの充電が、コードの接触が悪いせいかうまくいかないのです。
しかも、スマホ本体の方も問題で、充電をするにしても、低速充電しかしてくれないのです。
空港に向かう地下鉄が止まっている。
スマホの充電も残りわずか。
なのにバッテリーからの充電も不安定。
スマホの充電スピードが劇遅。
「これ、もう無理じゃね?」
と諦めてもおかしくないぐらい、ダメな理由が並んでしまいました。
ついでに言うと、めちゃくちゃトイレに行きたい。
でも、ロンドンにはトイレがほとんどないんですよね。というかそもそも、トイレに行ってる暇があったら帰る手段を考えないと…
そう言った絶望の淵の中、ふと思い出したんです。
「確か空港は、他のラインでも行けたはず」と。
僕は急いで低速充電中のスマホを起動し、ネットにアクセスを試みます。すると、「Elizabeth lineが空港に直結している」、とわかりました。
希望の光が!
でもでも、喜ぶのはまだ早い。
そのline、近くだとどこにあんねん?
これまたクソほど動かないグーグルマップをなんとか開くと、最も近くでBond Street駅から出てるのが分かりました。
Bond Street!この駅は知ってるぞ!
そこまで近くはないけど、この辺ってのだけはわかってる。
もうその瞬間、向かうしかありません。
僕はすぐに立ち上がり、Bond Street駅を目指します。
もしこのラインも止まっていたら…という考えは頭から捨てました。
時間と膀胱と戦いながら、僕はBond Steet駅へ向かう
目指す場所が決まれはあとは簡単。
思いのほか遠いけど、歩くしかありません。
トイレを我慢して。
重たいザックを背負って。
楽しそうな笑い声が聞こえるHyde Parkを足早に素通りします。それらの声を恨めしく思いつつも、急がねばなりません。
とかく、日本のサラリーマンのように、足早に足を動かしました。
そんな時に限ってか、とんでもない人の山。
なんかお祭りでもあるんか?ってぐらいの多さに流石に驚きました。
そのほとんどが、Hyde Parkに吸い込まれていくのを横目で見ます。
「もしかすると本当に何かあるのかもね」
華やかな繁華街を足早に抜け、駅の近くまでたどり着いた僕は、その近くにでかいデパートがあるのを見つけます。
早く空港に向かわなくちゃいけない。
その気持ちはあるものの。
僕の膀胱はもうそろそろ限界でした。
とんでもなく活気あふれているそのデパートの中を、場違いなほどでかいザックを背負った一人の東洋人が、そそくさと通り抜けていきます。
はたから見たら、だいぶ滑稽な光景でしょうね。
流石にでかいデパートということもあって、トイレはありました。
そこで一時、至福の時を過ごします。
ある意味で、この旅のクライマックスがこのシーンにあったように思います。絵面は最悪ですけど笑
Bond Steeet駅に到着すると、Elizabeth lineは無事だとわかります。搭乗時間2時間ちょい前。なんとか、帰れる目算が立ったのです。
その後は実にスムーズでした。
電車はなめらかに、順調に、空港に到着。
この旅のフィナーレを迎えます。
あとのがき
いやはや、本当に、本当に大変だった。まさか旅の最終日に、こんなに大変な思いをするとは。
きっとたぶん、僕の人生においてトップクラスにしんどかったと思う。
それほどまでに、切羽詰まってましたねぇ。
そりゃ誰だって異国の地に取り残されそうと思ったら、焦らないわけないでしょ。
しかし、今回の旅では、本当に大きな学びがありました。
・帰りのルートは複数想定しておくこと
・出発時刻をしっかりみておくこと
これ。
しっかりと胸に刻みましたよ、ええ、刻みましたとも。
この記事を読んだそこのあなた!
もし海外に行くときは、帰国日当日、色んなトラブルが起きることも想定した準備をしておきましょ。空港まで行ける複数の手段とか、マップとか、あとちゃんと充電してくれるバッテリーとか。
でないと、僕のように膀胱と戦う羽目になりますよ!
いやマジで。