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映画「シンゴジラ」に出てくる厚労省の防災服は古いものが使われている
1万円の肖像画が変わりました。
福沢諭吉に替わって、我が国の近代資本主義を作り上げた渋沢栄一が新たに登場しました。
NHKの大河ドラマ「晴天を衝け」を見ていた人には、なじみがある人物です。
主役の渋沢栄一を、吉沢亮さんが演じておりました。
渋沢の実家は農家ですが、藍玉を造って稼ぐ経営者でもありました。
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藍は人類最古の植物染料です。
藍は、洋の東西を問わず、防虫や防腐の目的や、創の治りをよくする薬としても使われていました。
古代ローマ帝国の時代のピクト人(現在のスコットランド人)は、戦争に赴く前に、「大青」という植物の葉からとった青い染料を全身に塗ったそうです。
大青とは藍です。
大青には殺菌効果があり、負傷したときに傷口が化膿するのを防ぐ目的がありました。
全身が青色の軍団と戦場で突然遭遇したら、敵はそうとうに怯んだことでしょう。
私なら、青鬼か宇宙人の来襲かと思って逃げたと思います。
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このように藍は、もともとは肌に塗ったり、貼ったり、飲んだり、食べるものでした。
まさになんにでも使える「万能薬」でもあったのです。
我が国には、中国を経由して伝わっています。
戦国時代には、藍の色は「勝ち色」で縁起がよいものとされました。
鎧の下には、藍色の服をまといました。
江戸時代の武士は、藍色の下着を着るようになります。
こうして日本では、藍の持つ薬の効能を超越して、精神的なものへと変化していきました。
幕末に開国した日本に来た外国人たちは、鮮やかな藍色の服に注目しました。
日本にはサムライがおり、サムライが着ている服は藍色だという印象が世界に伝わります。
いつの間にか「サムライ・ブルー」と言われるようになりました。
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現在は、サッカーのワールドカップで、ホームで着るユニフォームと、ワールドベースボールクラシック(WBC)のユニフォームは、サムライ・ブルーが採用されています。
世界で戦うチームのユニフォームの色に、こうした伝統が流れているのは面白いと思います。
公衆衛生学的にもいい話です。
スコットランドのチームはピクト・ブルーを採用しているのかって?
知らんがな。
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映画の「シン・ゴジラ」では、厚生労働省の研究開発振興課長(医系技官)が登場します。
この役を俳優の津田寛治さんが演じております。
私はこのポストにいたことがあるので、厚生労働省内ではモデルは私かと、一時期疑われたことがありました。
「事前に取材されましたか?」と聞かれましがた、「知らんがな」と秒で否定しております。
私は、映画にわずかながら不満があるのです。
映画に登場した厚労省の防災服が白く、古いものが使われていたのです。
私が災害担当の課長のときに、日の丸付きのサムライ・ブルーの防災服に変更していたのに、なんでこれを使ってくれなかったのかと!
実は、ここにいたるまでに苦労した歴史があったのです。
白い防災服のズボンをはいた大臣に「パンツが透けて丸見えじゃないか!」と怒られ、変更するようきつく言われていたのです。
そうして新調した涙の厚労省の防災服なのです。
日の丸もついており、光が当たると反射もします!ゴジラ映画にピッタリでした。
映画の担当者から取材されていたら、サムライ・ブルーの新しい防災服を紹介したのに……。
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映画「シン・ゴジラ」をご覧になっていない方や、もう一度見たいという方は、厚労省の研究開発振興課長(医系技官)の動きに注目すると新たな発見があると思います。
まあ、白が青になっても、映画には全く影響はありませんが……。