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総理官邸の医療は、平成の世になって、安土桃山時代のレベルに追いついた

「平成」の元号を発表した小渕恵三官房長官は、総理大臣となりました。
「令和」の元号を発表した管義偉官房長官も、総理大臣となっています。

次の元号の発表時には、私はおそらく生きてはいないと思いますが、二度あることは三度あるかもしれません。

小渕総理が記者会見中に、十秒ほど言葉が出ないシーンがありました。
テレビでその映像を見たときに「これは、専門医に診てもらった方がいいのではないか」と心配しました。
その懸念は的中して、小渕総理は官邸で倒れて、順天堂大学病院に救急搬送されて治療を受けましたが、亡くなりました。

ナポリサミットでは、当時の村山富市総理が腹痛を起こして、急きょ治療を受けることになりました。
日本の首相には海外出張に同行する医師がいない、と世界が驚愕しました。
国防の総司令官たる総理大臣に専属の医師がいないのは、国として大丈夫かと、世界中から思われてしまったのです。

小渕総理の死をきっかけに、総理官邸に医師と看護師を常駐させ、また総理が国内外に出張するときは医師と看護師が同行する制度ができました。
自衛隊の医官と看護官がこの任務を担って、総理官邸に派遣されています。

天下統一を果たした太閤豊臣秀吉には、曲直瀬道三をはじめとする最高の医師団が付き添って、日替わりでを診察する体制がありました。
ようやく安土桃山時代のレベルに追いついた、
といえます。

二代将軍徳川秀忠の侍医の墓

日本では意識されていませんが、国のリーダーの病気は、最高のインテリジェンスです

北朝鮮の金正恩の健康状態は、世界中の情報機関がさぐっています。
金正恩が外国出張をする際には、排泄物まで北朝鮮に持ち帰ります。
プーチンや習近平の病気は、最高度の秘密で守られています。

米国の大統領選挙の候補は、バイデン大統領とトランプ前大統領の戦いとなると思っておりました。八一歳と七七歳の戦いです。
どちらが病気でなく健康か、公衆衛生をかけた戦いになる、そう思っていたら、まさかハリス副大統領が登場してくるとは!

選手が変わろうが、両陣営とも健康合戦をくりひろげています。
ハリス氏は季節性アレルギーとじんましんを患っているが症状は改善しているとアピールし、トランプ氏は、健康状態は良好で認知機能も優れていると主治医の書簡を公表しています。

公衆衛生を制する者は、大統領をも制すのです!

米国には、ウイリアム・サファイアの「大統領失明す」(文春文庫)ウイリアム・ウルフォークの「大統領医務官を追え!」(創元推理文庫)といった大統領の病気を題材にしたミステリー小説があります。

公衆衛生を軽視する日本には、そうした小説は全くありません。
総理の隠された病気を追う女性記者と官邸の女性医官との攻防を描くミステリー小説は、面白いかもしれません。

村山富市元総理は、故郷の大分市で今年の三月三日に百歳の誕生日を迎えてお元気だ、とニュースで知りました。
明治大学の公友会会長の北野大さんが、ご自宅に花束を届けておられました。

明治以来歴代の総理大臣で百歳を超えた人は、おそらく村山元総理が初めてではないでしょうか。ご長寿をお祝い申し上げます。

総理経験者が長生きするという、我が国の公衆衛生の凄さが、世界に発信されたと思います。

大分県臼杵市の磨崖仏の厚生労働大臣・
サウスポー?

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