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四省庁が作成した花粉症のパンフレットの「杉」の写真は、実は「ひのき」だった

岸田総理が花粉症対策に関する関係閣僚会議を開催したというニュースがありました。
総理が国会で「関係省庁担当者連絡会議」と書いてある答弁書を「関係閣僚会議」と誤って読んでしまったことが原因だったようです。
官邸では、「総理が誤って答弁したけど、閣僚会議をやればいいじゃん」というノリだったとのこと。
超前向き!

実は、私は環境庁にいた平成8年に「花粉症対策に関する関係省庁担当者連絡会議」を立ち上げました。
自民党に「花粉症議連」が設立されたばかりの頃でした。
議連の中心となったのが自民党の小野晋也議員(愛媛県の衆議院議員)でした。
通称は「ハクション議連」、キャッチフレーズは「かゆいところに目が届く自民党」でした。

この議連に対応するために、関係省庁の担当者が情報交換をしようという趣旨で設けました。
林野庁がスギ花粉の発生源対策、厚生省が治療対策、気象庁が予報対策、環境庁が事務局という役割分担でした。
課長補佐級で情報交換を行うもので、意思決定はしないという超軽量級のものでした。
まさか総理が出席する閣僚会議になるとは……。

この四省庁で花粉症のパンフレットを作成したことがあります。
カラー写真の多いわかりやすいものができました。
作成費用は、各省庁で分担しました。
自民党の農林関係の部会でこのパンフレットを配布したところ、ひとりの議員が手を上げて発言しました。
「これはスギではないぞ。ヒノキだっ!」
確かに、写真をよくよく見るとスギではないような気が……。
さすがは自民党の農林族、見逃しませんでした。
私の隣に座っている林野庁の室長さんが、ぶるぶると震えておりました。

「林野庁が、スギとヒノキの区別がつかなくてどうするっ!」
「写真を差し替えて、刷り直せっ!」
怒号が飛びかいました。
結局、林野庁の責任で、パンフレットを作り直しました。
あれから室長さんはいなくなり、別の人に変わりました。しくしく。
印刷物を作る際には、くれぐれも最終確認を忘れずに。

椎葉村の十根川神社の八村杉


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