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アメリカンフットボール競技での繰り返す激突は高次脳機能障害を起こす

アカデミー賞の授賞式で平手打ちをした俳優がいました。

ウィル・スミスです。

この結果、アカデミー賞の10年間の出席禁止の処分が下りました。

パワハラはダメですね。

アンガーコントロールができないと、これからはどんな世界でも活躍ができないと思います。

皆様、ハラスメントには十分注意して下さい。

アカデミー賞10年間出席停止という量刑はどうでしょう。

厳しいと感じますでしょうか?

アカデミー賞平手打ち事件よりも大分前に、スミスが主演した映画「コンカッション」はおすすめです。

この映画は、アメリカンフットボールの選手の知られざる「職業病」の原因を解明していく医師の話です。

事実に基づいており、医学的にもなかなかの仕上がりです。

鳥のキツツキは、木を突くときに頭に振動が生じるので、それを想定して解剖学的に脳は保護されているそうです。

ところが人間の脳は、頭骨の中の髄液に浮かんでいるだけで、何の保護もありません。

長い間のアメリカンフットボール競技で、激突を繰り返して起きる衝撃により脳が損傷され、高次脳機能障害を起こすことがあります。

過去の有名なスター選手たちを調べるうちに、多くがこの後遺症に悩み苦しんでいたことが判明します。

こうした事実や、競技による危険性について、米国のナショナル・フットボール・リーグ(NFL)の選手たちは、何も知らされておりませんでした。

スミスが演じるのは、アフリカからやってきた無名の解剖医。

この黒人医師が、米国社会でも強大な権力を持ったNFLに対して、たった一人で戦いを挑むという話です。

いかにもハリウッド映画らしい設定で、結末もなんとなく予想が付きますが、それでも面白い!

さすがUSA! 
カモンベイビーアメリカ
どっちかの国は昼間

この映画を紹介してくれたのは、陸上自衛隊の医官です。

戦場における頭部外傷には、多彩なものがあります。

爆傷を受けた後にしばらく経過してから、高次脳機能障害が起こる「軽度頭部爆傷」という病態が、世界のミリタリーメディスンで問題となっています。

砲弾が降り注ぐウクライナ戦争に従軍しているウクライナ・ロシア両軍の兵士にも、多く発生すると予想されています。

いや、すでに発生しているでしょう。

高次脳機能障害は、いろんなところで発生します。

ウィル・スミスは、「コッカッション」の主役を演じて、頭部に衝撃を与えると高次脳機能障害を起こす可能性があることを十分に知っていたはずです。

そのような知識がありながら、極めて危険な平手打ちをしたことは、量刑としては妥当な気がしております。

異論、反論、オブジェクション?

ついつい筑紫哲也さんのNEWS23を思い出してしまいました。

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