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イノシシは、肺吸虫の待機宿主である

イノシシは、谷川に棲むカニをよく食べます。

石をひっくり返して、沢ガニなどを見つけて食べます。

また、タケノコも大好物です。
土の中を掘り繰り返して、タケノコを食い荒らします。

とてもグルメです。
イノシシの肉が美味しいのも、良く理解できます。

淡水のカニで最も大きいモクズガニは、イノシシの大好物だと言われています。

一方、モクズガニには、肺吸虫という寄生虫が寄生することが知られています。イノシシは肺吸虫の待機宿主と言われています。

モクズガニは上海ガニと同じ仲間であり、これまた大変美味しいのですが、生のままで食べたりすると、この肺吸虫がヒトの身体に入り込みます。

突然の胸の痛みで、気胸となったり、血痰が出たりして驚いて病院に行くことになることがあります。

奄美大島に行ったときに、初めてモクズガニを食べました。
それはそれは大変美味でござんした。

茹でて真っ赤になっていましたが、ハサミの部分が黒くなっていて、なんだかボクサーのような姿でかっこよかったです。

重ねて言いますが、待機宿主のイノシシの肉を生で食べたりすると、肺吸虫が体内に入ることがあります。

まさか、イノシシの肉を生で食べることはないと思いますが、要注意です。

昔のNHKの「きょうの健康」という教育テレビの番組で、一度やっておりました。

高級料理店で食事をした俳優さんが、血痰が出て病院で肺吸虫と診断されたと言ってました。
モクズガニを、生で食べたそうです。

西臼杵郡の五ヶ瀬川漁協では、鮎やヤマメの他に、カニの漁業券も売っていました。

ということは、椎葉村の耳川にもいるでしょうね。

こどもの頃には、うなぎの付け針で、うなぎをとったことがあるので、今年の夏にはモクズガニ漁にもチャレンジしてみようかしら。

もちろん生で食べずに、じっくりと茹でたものをいただきたいと思います。

「捕らぬ狸の皮算用」は、楽しいです。

釣りも、行く前が一番嬉しいですね。
実際に行って、釣果ゼロの場合は涙しかありませんが……。

人生は、そういうものでしょうね。
人生いろいろ、釣果もいろいろ。

宮崎大学にある版画。素敵!

宮崎大学医学部の感染症学講座によると、
2001年~2022年に診断に関与した肺吸虫症患者は764名で、このうち患者の34%は外国人が占めています。

日本人患者と外国人患者とでは、異なるパターンがあります。

患者の地理的状況では、
日本人は全国的に分布しますが、
外国人は東京都、神奈川県、大阪府、福岡県などの大都市圏で多く、
食事をともにした家族や友人間での小規模な集団感染例がしばしば認められるそうです。

感染源では、
外国人患者のほぼ全例が淡水系カニで、
日本人患者は半数が淡水系カニ、半数は待機宿主です。

食のグローバル化の影響は大きいものがあります。

日本産の淡水系カニを用いて調理した、中華料理の「酢蟹」、韓国料理の「ケジャン」、タイ・カンボジアの「パパイヤサラダ」といったエスニック料理に起因した感染事例も発生しています。

国内で出回っている淡水系カニの生食には注意が必要です。

ましてや、イノシシの肉の生食は、ダメ絶対ですよ。肺吸虫が待機して待っちょるよ。

淡水カニ、錯覚いけない、よく煮るよろし

将棋の升田幸三名人のお言葉でまとめてみました。本日はこれにて投了です。


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