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「古事記」における人への有害生物は、ムカデとハチとシラミである

子どもの頃は、夏休みの始まる七月が一番好きでした。

この時期は、夏休みは無限に続くものと思っていました。

小学生の頃は、昆虫採集にあけくれました。

昆虫で怖いのは、ハチと蚊でしょう。

スズメバチに刺されると死ぬことがあります。また蚊は、恐ろしい日本脳炎を媒介します。

私は、スズメバチに一回、アシナガバチに一回刺されたことがあります。

まだ、ミツバチには刺されたことはありませんが、そのときが永遠に来ないことを願っています。

ドクガは幼虫も成虫も毒があり、危険な昆虫の一つです。

世界では、こうした危険な昆虫がたくさんいます。

そんな中で、日本には危険な感染症を媒介する昆虫が少ないのではないかと思います。

例えば、アフリカでは、アブが「ロア糸状虫」という寄生虫を媒介しますが、我が国のアブは病原体を媒介しません。

アフリカや中南米では、ブヨが「回旋糸状虫」という寄生虫を媒介しますが、我が国のブヨは病原体を媒介しません。

中南米では、サシガメというカメムシが吸血して「トリパノゾーマ」という寄生虫を媒介しますが、我が国のカメムシはくさい臭いを発生するだけです。

アジア、アフリカ、中南米では、サショウバエが吸血して「リューシュマニア」という寄生虫を媒介します。

日本のサショウバエは、配水管に潜んで不快なだけで、吸血はしません。

悪性マラリア、黄熱病、デング熱を媒介する蚊、睡眠病の病原体やトラコーマクラミジアを媒介するハエももいません。

我が国は気候も温暖で、危険な感染症を媒介する昆虫がそれほどいなかったことが、今日の繁栄をもたらしたのではないかと思えるのです。

古事記にも、ムカデとハチとシラミが悪い生物の代表のように登場しますが、他にはいません。

ちなみに、サシガメにさされて起きる病気は、「シャーガス病」と呼ばれています。

心臓病や消化管が巨大に膨らんで死ぬことのある恐ろしい病気です。

血液でも感染することがあり、またフレッシュジュースにカメムシが紛れて経口感染する場合もあります。

日本にはない病気ですが、献血の血液はすべて検査でチェックされています。

朱戸アオさんの漫画「インハンド」(講談社)の一巻には、シャーガス病が日本の病院で発生した健康危機管理が描かれています。

厚労省の女性医系技官が登場します。
おすすめです。

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