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スサノオの殺神事件が、地上に五穀豊穣をもたらせた

世界三大穀物は、麦、米、トウモロコシです。
それぞれの民族で主食として食されて、宗教的にも用いられてきました。
また、「酒」の原料としても利用されています。

小麦が原料の醸造酒にはビール、蒸留酒はウイスキーがあります。
米が原料の醸造酒は日本酒、蒸留酒は焼酎があります。

とうもろこしの醸造酒には「チチャ」という酒があるそうですが、ううう。飲んだことがありません。蒸留酒にはバーボンがあります。

さて古事記には、「五穀」として米と麦は登場しますが、とうもろこしは出てきません。

我が国にとうもろこしが伝わったのは、戦国時代です。ポルトガル人が長崎に伝えています。

古事記ができたのは、712年とされていますので、当然ながら間に合いませんでした。
しかも、本格的に栽培されるようになったのは、明治時代になってから。アメリカから北海道に入って、盛んに栽培されました。

五穀には、米、麦の他に、粟、大豆、小豆があります。
この五穀が日本に伝わるきっかけとなったのは、スサノオが起こした殺人事件、いや殺神事件です。

悪事を重ねて、追放されたスサノオは、穀物の神オオツゲヒメのもとを訪れました。
スサノオは、オオツゲヒメから食事をご馳走になります。

しかしその食べ物は、オオツゲヒメの口や鼻や尻から出されたものでした。
それを知ったスサノオは、激怒します。
いきなり刀を抜いて、オオツゲヒメを刺し殺してしまいました。

オオツゲヒメの死体から誕生したのが五穀です。
目からは稲、鼻からは小豆、耳から粟、陰部から麦、尻から大豆が生えてきました。

殺人鬼ならぬ殺神鬼のスサノオは、それらの種を持って地上に舞い降りてきました。
地上に「五穀豊穣」をもたらしたスサノオは、めぐみの神といえます。

しかし、あまり衛生的な話ではないようが気が……。
尻から大豆とは、豆腐が食べられなくなりそうです。

あくまでも古事記の中の物語の世界の話です。
高千穂神楽の中には、「五穀」という舞があります。

スサノオは、もともとは悪い神なのですが、いいこともたくさんします。
八岐大蛇(やまたのおろち)をやっつけたり、五穀豊穣をもたらしました。

日本人が抱くヒーロー像は、もともとワルだったのが、人々のためにいいことをするというスサノオの影響を受けているそうです。
ラジオで武田鉄矢さんが「今朝の三枚おろし」で言ってました。

この番組は、公衆衛生の話題も多くてためになり、おすすめです。

高千穂国見ケ丘の雲海。鳥居に見える


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