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中学校の校歌は、地域包括ケアの旗頭になる

私の親戚にトランペッターがいます。 

彼の結婚式に出席したところ、新郎がトランペットで曲を披露しました。
ピアノ伴奏は新婦です。

ワンオクロックというグループのWherever you areという曲でした。

初めて聞きましたが、感動して涙が出ました。
司会の女性も、演奏が終わったときに「こ、これはプロの演奏です!」と驚いていました。

彼の祖父が亡くなり、葬儀に出席しました。
東京から彼も葬儀に駆けつけたのですが、このときは、トランペットを持ってきていませんでした。

彼は、最期の挨拶をしました。
おじいちゃんに語りかけるような内容で、これにも涙が出ました。

葬儀の直会で、「トランペットで演奏したらもっと感動したのに」と話をしました。
「突然亡くなったと連絡があったので、身体一つで宮崎に来てしまいました」と言っていました。

彼の母親から、祖父とトランペットをめぐるエピソードを聞きました。

祖父が椎葉村の特別養護老人ホーム「平寿園」に入所していたときに、彼が夏休みに椎葉村に久しぶりに帰ってきました。
そのときには、トランペットを持ってきていました。

入所している祖父に会いに行く前に、私の父が「せっかくだから、平寿園でトランペットを披露してはどうか」と言ったのです。
平寿園では児童館の園児の歌声披露だとか、いろいろなイベントがあるので、実施可能かどうか連絡してみました。

その結果、即席の「トランペット演奏会」が開催されることになりました。

打ち合わせでは、美空ひばりさんの「川の流れのように」など、みんなが知っている曲だけではなく、入所者になじみのある椎葉中学校の校歌も披露してはどうかということになりました。

しかし、校歌の楽譜がありませんでした。
ネットで調べたところ、椎葉中学校のホームページに校歌の楽譜が載っていました。

彼は、プリントアウトした楽譜をもって、上椎葉ダムの近くの道路で、椎葉中学校の校歌を練習しました。
そこは椎葉中学校の上だったのです。

先生が出てきて、「こっちに来い」と叫びました。
これから平寿園に戻って演奏しないといけないので,、時計を指さして「時間がない」と返事をしました。

先生は両手を使って○という合図をしました。
「合格」ということでした。

トランペットの生演奏を間近で聴くのは、平寿園の入所者にとっては初めてのことでした。
彼の祖父をはじめ、入所者は拍手をしました。

一番盛り上がったのは、椎葉中学校の校歌のときでした。
認知症のお年寄りたちも、声を出して歌いました。認知症になっても覚えていたのです。

地域包括ケアは中学校区が理想的とされます。
年をとっても全員が歌える中学校の校歌は、地域包括ケアの旗頭になります!

漫画「ブルージャイアント」を読んだことがあります。
漫画家の石塚真一さんの作品で、トランペットではなく、テナーサックスを演奏するジャズの話です。

主人公の宮本大が所属する高校の音楽の先生の言葉が象徴的です。
「音楽は人間が生きていくためには必要なものではないけど、きっとがまんできなかったのよね」

主人公と音楽の先生が、学園祭でテナーサックスとピアノで演奏するのが「校歌」でした。
体育館に集まった生徒たちは、ジャズ的な校歌の演奏に、肩を組んで合唱します。

私は、音楽は全くだめで、音符もよめませんし、楽器も弾けません。しかし、断言できます。
音楽で地域包括ケアを構築できます!

延岡市は「ばんば踊り」
高千穂町は「刈干切唄」
椎葉村は「ひえつき節」

日向市は、水森かおりさんの「日向岬」
最後は、ちょっと違う気が……。でも、いいや。日向市細島の日向坂に大ヒット祈願植樹がありますよ。

写真の上椎葉ダムの右側(放水側)に椎葉中学校と特別養護老人ホーム「平寿園」があります


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