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定期的な検査をしていない名水は、飲んではいけない

飲み水は、定期的に検査をしないと、知らぬ間に水源が汚染されていることがあるので大変危険です。

環境省が認定した名水百選であろうと、弘法大師が使った霊験の名水であろうとも、定期的な検査をしていないものは飲んではダメです。

「ひとりキャンプ」で有名な熊本県出身のヒロシさんになりかわって言います。

人気のあるキャンプ場の水も、定期的に検査をしておらんところは危なかとです。

水害の後の井戸水は、必ず糞便による汚染があると思っていいです。

むつ保健所にいたときに、水害の被害のあったむつ市内の井戸水を調査したところ、いくつかの井戸水から大腸菌が検出されました。

まさか出るとは思っていなかったので、調査してよかったと心底思いました。

このときに迅速な調査をした保健所は、大変感謝されました。

ちなみに、飲料水の病原体をやっつけるために塩素消毒が行われます。

我が国の水道水の塩素消毒は、米軍が導入したものです。

そもそも米軍は、塩素消毒の元祖ともいえる存在です。

水の塩素消毒は、1910年に米国陸軍の軍医で、軍医学校の化学教官だったダーナル准将がつくった塩素消毒の装置が最初だと言われています。

その後、米国陸軍の化学者のリスター少佐が、次亜塩素酸カルシウムの塊を入れた袋を作成しました。

これは「リスター袋」と呼ばれます。

米軍では、リスター袋により、野外の水を簡易に塩素消毒を行えるようになりました。

こうして、軍隊における水系伝染病の発生を予防したのです。

一方、日本軍では塩素消毒は導入されず、野外で生水を飲むことを禁止し、煮沸して飲むように教育をして水系伝染病の発生を予防しました。

日本軍対米軍の戦いは、
「煮沸消毒」 対 「塩素消毒」
の戦い
でもあったのです。

煮沸は手間がかかりエネルギーも必要ですが、塩素消毒はリスター袋のおかげで簡単にできました。

塩素を入れると味が悪くなりますが、そういったことを無視してどこでも実施可能な予防対策を最優先する米国人の合理性に感心しました。

ヨーロッパに初めて行ったときに、レストランでは水は出ず、特別に頼まないといけないことを知りました。

しかも水は高く、ビールを頼んだ方が安かった。

ヨーロッパ人からは、「食事中に水を飲むのはアメリカ人と日本人とカエルだけ」と揶揄されているそうです。

アメリカのワシントンDCで、マクドナルドでビックマックを頼んだら水が付いてきたので驚きました。

「本当にアメリカ人は水を飲むんだ!」と思いました。

さて、アメリカは、水系伝染病を防ぐために、塩素消毒を徹底する国です。

日本も米国に占領された後に、水道の権威のヒンマン中佐によってアメリカナイズされました。

塩素消毒のように戦争により技術開発されたものが、公衆衛生に寄与している歴史を知ると、公衆衛生は奥が深いなと感じます。

もし私が、医師、薬剤師、獣医師、保健師などの国家試験委員になったら、次のような問題を出すでしょう。

次の中から飲料水の塩素消毒に関係のない人物を選べ。
a ダーナル准将
b ゾル大佐
c ヒンマン中佐
d リスター少佐


ハベレオ通信をご覧になっている人にとっては簡単な問題です。

しかし、飲料水の塩素消毒の歴史を勉強していなければ、水道の専門家でもわからないでしょう。

正解はb。

こういう「本質を突く」問題が国家試験に出れば、塩素消毒の歴史が公衆衛生の参考書に載って、学生たちが勉強するようになるのです。 

えへん。(ドヤ顔)

水道に塩素を入れるのは余計なことだと、金魚の水を替えるときにカルキ抜きを入れるのが面倒だと思う日本人のなんと多いことか……。

しかし私は知っています。

ゾル大佐は、仮面ライダー1号のときの地獄の軍団「ショッカー」の初代の幹部です。

その後の人事は、死神博士→地獄大使→ブラック将軍、と行われました。

仮面ライダーを考案したのは、宮城県出身の漫画家の石ノ森章太郎さんですが、まさか田んぼのイナゴを参考にしたとは思いませんでした。

高千穂出身の漫画家なら、コオロギを参考にしたかも。

すいません。冗談です。

高千穂出身のすべての興梠さんに謝罪します。

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